連載
今日は何の日?■22年ぶりに国内で登場したジャスティ

2016年(平成28)年11月9日、スバルはダイハツのコンパクトトールワゴン「トール」のOEM供給車である「ジャスティ」の発売(11月21日)を発表した。初代ジャスティは、ハッチバックモデルとして1984年2月にデビュー。量産車として世界で初めてCVTを実用化したことで注目されたが、1994年12月に販売を終了。今回のジャスティは、それ以来22年ぶりの車名復活となった。
先進技術を採用したハッチバックの初代ジャスティ
初代「ジャスティ」は、軽自動車「レックス」をベースにボディを拡大し、レックスと小型車「レオーネ」の中間に位置するリッターカーとして1984年2月に誕生した。

欧州風2BOXスタイルの3ドア/5ドアのハッチバックで、3ドアはスポーティ、5ドアはファミリー向けという位置付けだった。パワートレーンは、最高出力55ps/最大トルク7.8kgmを発揮する1.0L 直3 SOHCエンジンと5速MTの組み合わせ。駆動方式は、FFと4WDが用意された。
そして、1987年2月にファン・ドールネと共同開発した金属ベルト式無段変速機ECVTを量産車として世界で初めて採用し大きな注目を集めた。
ECVTはFF車のみの設定だったが、コストが高い分だけ一般的なコンパクトカーよりも価格が10万円以上高かったため、販売は伸びずに1994年12月に販売を終了した。ただし、米国では1987年 から 1989年までの3年連続で燃費ベストカーに選ばれるなど、燃費の良さが高く評価された。
欧州では、ジャスティの名はOEM車で継続
日本では1994年に「ジャスティ」の車名はいったん途絶えることになったが、欧州ではスズキの2代目「カルタス(欧州名:スイフト)」のOEM車が、1994年から2代目ジャスティを名乗った。カルタスは、ハンガリーのマジャールスズキで生産された3ドア/5ドアハッチバックである。
続いて、2003年からは同じくスズキの初代「スイフト(欧州名:イグニス)」のOEM車として販売された。3代目となるジャスティには、他のスバル車と同じような独自デザインが与えられ、車名にGSXが付加されて「GX3ジャスティ」を名乗った。
さらに2007年には、ダイハツ「ブーン(欧州名:シリオン)」のOEM車として4代目ジャスティとして販売された。エクステリアは、フロントバンパーなどが変更されたが、ベース車とほぼ同じである。
以上のようにジャスティは、日本では1994年以降ラインナップから消えたが、欧州ではスズキ系とダイハツ系のOEM車として2代目~4代目が継続されたのだ。
ダイハツ・トールのOEM車として国内でジャスティ復活

2016年11月のこの日、ダイハツ「トール」をOEM車とする「ジャスティ」が、国内では2代目として22年ぶりに復活した。ベースのダイハツ・トールは、コンパクトハイトワゴンで“子育てファミリーの日常にジャストフィットするコンパクトファーストカー”を目指して開発された。

ジャスティは、基本的な構成(ボディ寸法、エンジン、パッケージ)はトールとほぼ同じで、違いは主にフロントフェイスである。ちなみに、トヨタはトールのOEM車を「ルーミー/タンク」として同時期に発売した。

コンパクトなボディながらトールとは異なるフロントマスクに、ゆとりある室内空間を実現。室内は、フロントシートウォークスルー機能に加えて、リヤシートが240mmの前後スライドによって大容量の荷室を確保し、リヤシートを畳めば長尺物の積載可能だった。
また、ガラスエリアとAピラー位置の工夫によって広い前方視界が確保され、後部ドアはワンタッチで開閉可能なパワースライドドアを採用するなど、運転のしやすさと利便性も高められた。

パワートレーンは、最高出力69ps/最大トルク9.4kgmを発揮する1.0L 直3 DOHC、98ps/14.3kgmのインタークーラーターボの2種エンジンとCVTの組み合わせ、駆動方式はFFと4WDが用意された。
さらに、ダイハツ開発の衝突安全ボディ“TAF”の採用、衝突回避支援システム“スマートアシストII”を搭載するなど安全技術についても充実していた。
車両価格は、2WD仕様で152.82万円~168.48万円(NA車)/189.0万円(ターボ車)に設定された。

・・・・・・・・・・・
スバルは、2008年4月に軽自動車の自社開発から撤退以降、ダイハツから数多くのOEM供給を受けている。現在(2026年11月現在)も販売されている軽として、「ステラ(ムーヴ)」、「プレオプラス(ミライース)」、「サンバーバン(ハイゼットカーゴ)」、「ディアスワゴン(アトレーワゴン)」がある。一方で、スバルからダイハツへ供給されているOEM車は今のところない。
毎日が何かの記念日。今日がなにかの記念日になるかもしれない。
