シグナスX→グリファスで何が変わった ? 話題の新型125ccスクーターに乗った。|ヤマハ

ヤマハ最新の原付二種スクーター、シグナス グリファスは2021年5月に本誌が1番乗りでレポート済み。既報の試乗記は台湾仕様の平行輸入車だったが、今回は2021年12月23日に新発売された正規国内仕様に試乗した。

REPORT●近田 茂(CHIKATA Shigeru)
PHOTO●山田俊輔(YAMADA Shunsuke)
取材協力●ヤマハ発動機株式会社

ディテール解説

前方に睨みを効かすセパレートタイプのLED式ヘッドランプを採用。フロントマスクはなかなか精悍だ。ロービームは右の片側(写真左側)が点灯。ハイビーム時に全灯となる。

フロントフェンダーはフォーク部もカバーする一体デザイン。ブレーキはφ245mmローターに2ピストンのピンスライド式油圧キャリパーが採用されている。

駆動系と大容量エアクリーナーボックスが調和の取れたデザインに仕上げられている。駆動はVベルト無段自動変速式。

右端に見えるスリットの中には冷却用のラジエターが横向きに設置されている。その下方に見えているのがキャタライザー。容量の大きなアップマフラー装備も印象的。

リヤサスペンションは2本ショックタイプのユニットスイング方式を採用。コイルスプリングはダブルピッチタイプ。プリロードは4段調節式だ。

φ230mmのディスクローターに、1ピストンのピンスライド式油圧キャリパーが採用されている。

決して豪華な仕上がりでは無いが、シンプルな各装備は機能的で使いやすい。車幅は690mm。

グリップラバーは太鼓状の膨らみがあり、フィット感が良い。ハンドルスイッチは標準的レイアウトでとても扱いやすい。
右側スイッチはエンジン始動用のセルボタンのみ。ACG利用なので始動音が静かでレスポンスも素早い。

横棒が積み重ねる表示方法のタコメーターも装備。ただし目盛りは500rpm刻みと大雑把。デジタル表示の速度計は大きく見やすい。

ほぼフラットにデザインされたダブルシートはクッション厚も十分で座り心地が良い。イグニッションスイッチ部のキー操作で解錠でき、前ヒンジで開けられる。

シート下のトランクは約28Lの容量がある。通勤通学等、日常の足としての実用には十分な大きさだ。
ヘルメットの収納は逆さに置く。写真のジェットヘルはArai製のVZ-RAM。
中央にコンビニフック。右側にはシャッター付きのイグニッションスイッチとペットボトルを収納できるポケットを装備。スマホの充電に使えるUSB電源ソケットも採用されている。
左側にはフィラーキャップを装備。給油しやすい位置にある。開閉操作には直接キーを挿して扱う方式。燃料タンク容量は6.1L。

LED式のテールランプまわりはT字状に3分割された個性的なデザイン。ウインカーとナンバー灯は12V10Wと5Wの電球式。

主要諸元

認定型式:8BJ-SEJ4J
原動機打刻型式:E33UE
全長×全幅×全高(mm):1,935×690×1,160
シート高(mm):785
間距離(mm):1,340
最低地上高(mm):125
車両重量(kg):125
燃料消費率(km/L):48.6(60km/h) 2名乗車時
WMTCモード値(km/L):44.5 1名乗車時
最小回転半径(m):2.0
原動機種類:水冷・4ストローク・SOHC・4バルブ
気筒数配列:単気筒
総排気量(㎤):124
内径×行程(mm):52.0×58.7
圧縮比:11.2 : 1
最高出力(kW/rpm):9.0(12PS)/8,000
最大トルク(N/m/rpm):11(1.1kgf・m)/6,000
始動方式:セルフ式
潤滑方式:ウェットサンプ
エンジンオイル容量(L):1.0
燃料タンク容量(L):6.1(無鉛レギュラーガソリン指定)
燃料供給方式:フューエルインジェクション
点火方式:TCI(トランジスタ式)
バッテリー容量/型式:12V 6.5Ah(10HR)/ GT7B-4

クラッチ形式:乾式、遠心、シュー
変速装置:Vベルト式無段変速
変速方式:オートマチック
1次減速比/2次減速比:1.000/10.208(56/16 × 35/12)
変速比:2.384〜0.749:無段変速 

フレーム形式:アンダーボーン
キャスター(度):26°30′
トレール(mm):90
タイヤサイズ(前/後):120/70-12 51L(チューブレス)/130/70-12 56L(チューブレス)
制動装置形式(前/後):油圧式シングルディスクブレーキ/油圧式シングルディスクブレーキ
懸架方式(前/後):テレスコピック/ユニットスイング
ヘッドランプバルブ種類/ヘッドランプ:LED/LED
乗車定員:2名

製造国:台湾

試乗後の一言!

スクーターに何を求めるかは人それぞれ。足として日常的に使いこなす乗り物として、このサイズ感は丁度良い。機能的な定番モデルとして魅力有り。

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著者プロフィール

近田 茂 近影

近田 茂

1953年東京生まれ。1976年日本大学法学部卒業、株式会社三栄書房(現・三栄)に入社しモト・ライダー誌の…