これは楽チン! 高級ツアラーに匹敵するウインドプロテクション| キムコ・ターセリーS 150

1963年に創業した台湾の光陽工業が、1992年に立ち上げた自社ブランドがキムコ(KYMCO)である。同国で最も大きな二輪メーカーであり、現在は100か国以上で販売されているほか、BMWやカワサキにも製品を供給するなど、世界的にも高い技術力が認められている。今回試乗したのは、フロントに16インチタイヤを履くハイホイールスクーターのニューモデル、ターセリーSの150ccバージョンだ。

REPORT●大屋雄一(OYA Yuichi)
PHOTO●山田俊輔(YAMADA Shunsuke)

※2020年4月2日に掲載した記事を再編集したものです。
価格や諸元、カラーバリエーションが現在とは異なる場合があります。

ターセリーS150 ディテール解説

キムコ・ターセリーS 150
エンジンは149.8ccの空冷SOHC4バルブ単気筒で、最高出力14psを公称。ちなみにホンダのPCX150やADV150は水冷SOHC2バルブ単気筒から15psを発揮するので、ターセリーSは空冷ながらかなり健闘していると言えるだろう。リヤホイールは14インチ、ショックユニットは3段階のプリロード調整が可能だ。
キムコ・ターセリーS 150
フロントホイールは16インチで、標準装着タイヤはKENDA製。フロントフォークはφ33mm正立式だ。
キムコ・ターセリーS 150
前後ともKYMCOのロゴが入ったピンスライド片押し式2ピストンキャリパーを採用。ブレーキディスク径はフロントφ260mm、リヤφ240mmで、前後ともボッシュ製のABSが導入されている。
キムコ・ターセリーS 150
キムコ・ターセリーS 150
新色のディープブルーメタリックはブラウン、継続色のマットシルバークリスタルはワインレッドのシート表皮を採用。形状を工夫することで足着き性と座り心地を高次元で両立している。
キムコ・ターセリーS 150
マルチファンクションLCDメーターを採用。バーグラフ式の回転計や燃料計、電圧計などを持ち、USB電源への接続状態を示すアイコンも。これによってスマホの置き忘れを防止する。
キムコ・ターセリーS 150
給油口はフロアボードの左上に設置。シートを開けずに済むのでプライバシーが守られる。
キムコ・ターセリーS 150
鍵穴への破壊攻撃を抑止するシャッター付きの集中メインキー。ここでシートや給油口の解錠も行える。ステアリングヘッドの右側にはUSB電源あり。
キムコ・ターセリーS 150
キーなしで開閉できる小物入れや、収納式のコンビニフックを採用し、普段使いでの利便性を高める。
キムコ・ターセリーS 150
キムコ・ターセリーS 150
防風効果に優れたフロントスクリーンとナックルガードを標準装備。どちらも簡単に取り外すことが可能だ。
キムコ・ターセリーS 150
ヘッドライト、テールランプ、前後ウインカーにLEDを採用し、デザインの自由度を高めつつ省電力化を達成。
キムコ・ターセリーS 150
シート下の収納スペースにはフルフェイスのヘルメットが余裕で収納でき、後方にはUSB電源も。中央の間仕切りは取り外し可能で、さらにヘルメットホルダーも2個備えている。
キムコ・ターセリーS 150
車体と同色のリヤボックスを標準装備。これにもヘルメットが収納可能だ。ワンキーシステムによりメインキーで解錠&施錠ができるので便利。

ターセリーS 150 主要諸元

エンジンタイプ:空冷4ストロークSOHC4バルブ単気筒
燃料装置:フューエルインジェクション
総排気量:149.8cc
内径×行程(mm):φ59×54.8
圧縮比:10.9:1
最高出力:10.3kW(14ps)/8,500rpm
最大トルク:12Nm(1.2kgf・m)/7,000rpm
変速機型式:CVT
始動方式:セルフ式
装備重量:130kg
全長×全幅×全高:2085mm×700mm×1570mm
シート高:790 mm
軸距:1390mm
燃料タンク容量:6.2リットル
タイヤ(前):100/80-16
タイヤ(後):120/80-14
ホイール:アルミニウム
サスペンション形式:(前)Ø33mmテレスコピック式
サスペンション形式:(後)ユニットスイング
ブレーキ形式:(前)φ260mmシングルディスク+ABS
ブレーキ形式:(後)φ240mmシングルディスク+ABS
カラーラインナップ:マットシルバークリスタル(NH263FA)
ディープブルーメタリック(PB183MA)
メーカー保証:3年保証(距離無制限)
メーカー希望小売価格:297,000円
生産地:中国

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大屋雄一