これはCBXではなくCB400SFです! 製品化希望のドレミコレクション・外装キット|東京モーターサイクルショー2022

2022年の東京モーターサイクルショーへ足を運ばれただろうか。広い会場に所狭しとバイクや用品が並び、1日では見て回れないほどの規模になった。その中でオッサン世代注目のミドルクラス車に目が釘付けになってしまった。一見するとホンダCBX400Fにマフラーなどを装着したカスタム車かと思いきや、なんと違うバイクにCBXのスタイルを採り入れた参考出品車だった!


REPORT●増田 満(MASUDA Mitsuru)
PHOTO●星野耕作(HOSHINO Kosaku)
ドレミコレクションのブースに並ぶCBX?

ここ数年のホンダはリバイバルモデルを数多くリリースしている。だから2022年の東京モーターサイクルショーに展示された2台のCBXを見て、「CBXも復活しそうな勢いだなぁ」と勘違いしてしまった。注目の2台が展示されたのは旧車と呼ばれる古いバイクのカスタムを手掛ける老舗、ドレミコレクション。最近ではカワサキZ900RSに装着するZⅠスタイルの外装キットで話題になった。勘が良い人ならここでお分かりだろう。そう、ドレミコレクションが持ち込んだ2台はホンダCB400SFをベースにCBXスタイルとした新たな作品だったのだ!

 ドレミコレクション代表取締役の武 浩さんにお話を聞いたところ、「長年作り続けられているスーパーフォアだから、今なら中古車が買いやすい。同時に近年はCBX400Fの高騰ぶりが凄まじい。だったらスーパーフォアにCBX風のスタイルを付加価値として取り入れたら良いのではないか」と考えられた。そこで生まれたのが、このCB400SUPER FOUR TYPE-Xなのだ! このTYPE-Xはベース車を選ぶことができる。1999年にフルモデルチェンジして発売されたNC39型スーパーフォアと、2007年にマイナーチェンジしたNC42型の2モデル。ではまずNC39型から見ていこう。

NC39ベースのTYPE-X

NC39型CB400スーパーフォアがベース車。

1992年に発売されたCB400スーパーフォアは7万6700台も売れた大ヒットモデルで、1999年にフルモデルチェンジして2代目になるとHYPER VTECと呼ばれる可変バルブタイミング機構を新採用している。これがNC39型でエンジンだけでなくフレームまで新設計とされた。NC39も好評で2005年4月から2007年10月まで400ccクラス登録台数連続1位を記録している。それだけに現在も中古車市場に数多くの個体が存在しているため、ミドルクラス入門には最適な1台でもある。そんなNC39だから外装がボロいベース車を手に入れて、外装をTYPE-Xにしてしまえば新たな魅力が生まれることだろう。まだ参考出品の状態だからキットやパーツ個々の価格設定は未定とのことだが、これは楽しみな展開になりそうだ。

CBX風に角度がつけられたライトステー。
フォークに入れられた2本のストライプ。
燃料タンクは樹脂カバーではなく、こだわりのスチールタンクだ。
サイドカバーやテールカウルも新規製作された。
テールランプも再現している。

ご覧のように外装は文句なしの仕上がりといっていいだろう。パッと見ただけならCBX400Fにしか見えず、エンジンや足回りを見てスーパーフォアだと気が付くレベル。しかも燃料タンクはSF純正の上に被せる樹脂カバーなどではなく、こだわりのスチールタンクを型から製作してある。CBXが好きな人が開発されたのだろうと即座にわかるほど力の入った作品なのだ。

CBX風ストライプがこんなところにも
Xに見えるよう取り回されたエキゾーストパイプ。
マフラーの形状やリヤショックを隠すカバーの処理などが巧みだ。

もちろんCBXの特徴であるXのように見えるエキゾーストやシートのステッチなども再現されている。よくよく見ればサイドカバーのCBX400FロゴにはTYPEという文字が追加され、違うモデルであることを主張している。そうでなければレプリカかと思えてしまうほどの完成度なのだ。

NC42ベースのTYPE-X

NC42型CB400スーパーフォアをベースにしたブラック外装。

CB400SFは2007年にマイナーチェンジしてインジェクション仕様になる。これにより環境性能を向上させたほか、HYPER VTECはさらに進化してきめ細やかな制御を可能とした。また前後輪連動型のABSを標準装備として総合的な運動性能の向上を果たしている。この時から型式がNC42になるわけだが、意外なことにフレーム形状など様々な部分でNC39とは異なっている。つまり、こだわって製作されたスチール製燃料タンクがNC39用のままでは使えないということ。そこでNC39、NC42どちらにも装着可能となるタンク裏側のデザインを開発してコストアップを抑える努力がされている。

フレームと干渉しないようにNC39と共通のスチールタンクを開発。
CBX風ウインカーステーも再現されている。
テールカウルは定番の社外品デザインもラインナップする。
マフラーにTYPE-Xのロゴがある。

高校時代にCBX400Fが発売された世代である筆者。その当時は裕福な同級生が新車を買って乗り付ける姿に、指をくわえて見ることしかできなかった。だからCBXはいつか欲しいバイクだったのだが、ご存知のように中古車市場では高騰を続けてしまい、もはや自分で買うことはないと諦めていた。そんなタイミングでドレミコレクションさんの快挙。これは正直、欲しい。同じように思えるオッサン世代も多いのではないだろうか。現在の仕様はプロトタイプとのことなので、今後の同社に注目して行きたい。

著者プロフィール

増田満 近影

増田満

小学生時代にスーパーカーブームが巻き起こり後楽園球場へ足を運んだ世代。大学卒業後は自動車雑誌編集部…