スズキとベネリの足つきはどうでしょう? 東京モーターサイクルショー会場で身長163cmオジサンが試してみた。

はなから両足が着地することなどないと諦めていたカサワキ車の足つき性チェックで、意外にもフレンドリーなライポジであることを確認した短足・身長163センチのオッサン。続いては国産最後となるスズキ車と、近年に輸入が再開されたイタリアの名門ブランド・ベネリのニューモデルで足つき性をチェックしてみた。

REPORT●増田 満(MASUDA Mitsuru)
PHOTO●星野耕作(HOSHINO Kosaku)
スズキとベネリの足つき性はどうだったのだろう。

東京モーターサイクルショーの会場に展示してあるうち、またがることができた車両に手当たり次第乗車してきた短足オッサン。両足がベッタリと着地するモデルは数少なく、問題は足がどこまで着地してライポジ的に街乗りができるかどうかが焦点になってきた。その意味では意外にも「無理!」と諦めてしまうだろうモデルは少ないことが印象的。2019年のモーターサイクルショー開催時でも同じように足つき性をチェックして記事にしたが、その時よりもフレンドリーなモデルが多いような気がする、たぶん。今回またがってまだ紹介していたいメーカーもあるので、続いての結果をお知らせしよう。今回は国産最後になったスズキ車と、イタリアの名門ブランド、ベネリ車で確かめてみた!

スズキGSX-S125 ABS

原付2種の注目株であるGSX-S125だ。

まずチェックしたのは原付2種ミッション車で話題沸騰中のスズキGSX-S125。フルサイズのボディはスタイリッシュだし軽量・ハイパワーでスポーツライディングが楽しめるから人気を呼んでいるのだが、その価格にも注目したい。新車価格が42万円少々なので、人気絶好調のホンダCT125・ハンターカブなどよりも安いのだ。このクラスで経済性はとても大事な様子だから、人気になるのも無理はないだろう。レーサーレプリカのような形状をしているシートは785mmのシート高。単気筒エンジンでスリムな車体だから足つき性にも期待が持てるが、実際にまたがると両足がベッタリ着地するほど甘くはなかった。とはいえ足指の付け根まで着地しているので不安感はほぼない。車両重量は135kgと軽量なので、気兼ねなく乗り回せることだろう。

スズキ・バーグマン400 ABS

ビッグスクーターらしいスタイルのバーグマン。

続いては400ccクラスのビッグスクーターであるバーグマン400。パッと見た印象も実際のサイズもなかなかのもので、「スクーターなのにデカイなぁ」と思わず声が出てしまった。寸法は全長2235mm・全幅765mm・全高1350mmで車両重量は218kg。それだけ聞くと「無理かな」と思ってしまうが、実際にまたがってみると驚いてしまった。両足がベッタリではないものの、カカト付近まで着地するのだ! これにはヒミツがある。ヒミツというほどのことではないが、「カットフロアボード」と名付けられていることでもわかるように、ステップの両脇が抉られていて足つき性を向上させているのだ。しかもライポジはサイズの小さなスクーターと似たような感じになるので、実は全然無理じゃない。ただ、スクーターだと思い込んで気を緩めると重量があるので痛い目にあいそうだ。

スズキGSX-S1000GT

まさにグランドツアラーにふさわしい風格とサイズ。

続いてはグランドツアラーを意味するGTを車名に冠したGSX-S1000GTだ。長距離ツーリングで威力を発揮しそうな電子制御がてんこ盛りでライダーの負担を軽減してくれるから、ツーリングを心底楽しめる仕様になっている。そのためライポジにも余裕がもたされているのだが、そこは短足オッサンである。ライポジやツーリングに適した装備も良いのだが足つき性が悪ければ乗りたくても乗れない。いざ、試してみると両足ともにつま先ツンツンのバレリーナ状態だった。気になるシート高は810mmで車両重量は226kg。走り出してしまえば何も気にならなくなるほど楽しそうだが、これで街乗りをしろと言われたら泣きそうになることだろう。

スズキHayabusa

スズキ最高峰のハヤブサだ。

スズキ最後のトリを務めるのは最速バイクの名をほしいままにしたハヤブサ。最新モデルでは出力を抑えながらエンジンを徹底的に見直し、空力特性を向上させることで300km/hバイクの座に鎮座している。シート高は800mmで車両重量は264kg。正直なところ身長163cm・体重58kgの短足オッサンには荷が重い。この重量を支えられるのは困難で、そもそも300km/h出せるほど気合も根性もないので無縁の存在なのだが、またがるだけまたがってみよう。すると両足はつま先を曲げられるくらいの余裕がある足つき性を確保できた。2019年の記事ではまたがることができなかったので新たな発見だったが、これだけの前傾姿勢になると街乗りなんて絶対にしたくない。

ベネリTNT125

走りが楽しいネイキッドモデルのTNT125。

新生ベネリのニューモデルがTNT125。詳しくは過去の記事を読んでいただきたいが、125cc単気筒エンジンを前後12インチタイヤの車体に載せた小さくも豪快なスポーツモデルとでもいえばいいだろうか。ホンダ・グロムと似た性格というのがわかりやすい表現だろう。ただ、小さくてもスタイルや質感は上質。走りの良さがスタイルにも表れている感じだ。気になるシート高は780mmで車両重量は124kgだから楽勝だろうと思ってまたがったが、意外や苦戦。両足は足指の付け根まで着地したものの、残念ながらカカトが浮いてしまった。でもまぁ、これだけ小さく軽い車体だから乗り回せるだろう。

ベネリ125S

野獣のようなストリートファイター。

軽量なトレリスフレームを採用するTNT125に対し、一般的なツインスパーフレームを採用するのが125S。エンジンはTNT125と共通なのでフレームが違うことで車両重量が147kgと若干重くなっている。またサイズも125Sのが大きく前後17インチタイヤとされている。いわば125ccのフルサイズスポーツといったところで、新車価格はTNT125が35万円少々のところ、125Sだと39万4900円(税込)になる。気になるシート高は800mmでTNT125より足つき性は悪くなる。といっても偏差でTNT125だとカカトが浮いてしまう感じなところ、125Sだと土踏まずまで浮いてしまうといったレベル。ただリラックスできるライポジなので、こちらも無理なところは一つもない。

ベネリ・インペリアーレ400

クラシカルなスタイルが特徴のインペリアーレ400。

1950年代のベネリの名車をモチーフにクラシカルなスタイルが与えられたニューモデルがインペリアーレ400。前19インチ・後18インチのタイヤからも想像できるように、乗り味もクラシカルな雰囲気を重視したもののようだ。スポークホイールに前後ディスクブレーキを装備するので、しっかり現代的な作りでもある。そのエンジンは空冷単気筒374ccで最高出力は21.1ps/5500rpm。スピードより鼓動感を楽しむモデルといっていいだろう。気になるシート高は780mmで車両重量は205kg。またがってみると両足はつま先立ちなものの足指を曲げられるくらいの余裕がある。スリムな単気筒エンジン車ながら、シート形状やサイドカバーが足つき性を悪化させているように感じられた。ただ、これなら普通に乗り回せるサイズだろう。

著者プロフィール

増田満 近影

増田満

小学生時代にスーパーカーブームが巻き起こり後楽園球場へ足を運んだ世代。大学卒業後は自動車雑誌編集部…