身長163cm|東京モーターサイクルショーで挑む、ヤマハ車・足つきチェック!|

足つき性を確認するため東京モーターサイクルショーの会場へ足を運んだ短足オッサン。ホンダ車を2回に分けてお送りした続きは、スクーターからスーパースポーツまで試すことができたヤマハ編だ。身長163cmでも両足がベッタリ着地してくれる機種は果たして見つかったのだろうか?


REPORT●増田 満(MASUDA Mitsuru)
PHOTO●星野耕作(HOSHINO Kosaku)
ヤマハ車の足つきを総ざらいしてきたぞ。

2回続けてホンダ車の足つき性をチェックした。身長163cmの短足オッサンにとって結果は芳しいものではなく、12台またがって両足がベッタリと着地したのはわずかに2台。スーパーカブ110とレブル250なのだから足がついて当然といえば当然。それほど短足にとりバイクの足つきとは厳しいものなのだ。ただ片足だけでも足指の付け根まで届けば大抵のモデルは乗ることができるように体が慣れている。気をつけたいのは路面が傾いていたり滑りやすい場面で、実際左足をついたところがぬかるんでいたため立ちゴケした苦い経験がある。両足さえ届いたらと、何度祈るような気持ちになったことか。

短足オッサンがバイクを選ぶとき、まず足つき性を確認するのは言うまでもない。東京モーターサイクルショーなら一度に何台ものバイクにまたがりチェックすることができる。前回のショーでは展示車ほぼすべてにまたがって確認したが、2022年のショー会場でも可能なモデルを見つけてはまたがってきた。ホンダ車に続く今回はヤマハ車で試した足つき性を紹介しよう。

ヤマハ・シグナス グリファス

スクーターのニューモデル、シグナス グリファスから試した。

まず1台目は2021年12月に発売されたばかりのニューモデル、シグナス グリファスだ。どのようなモデルかはユーチューブチャンネル「モトチャンプTV」の動画で見ることができると以前の記事でも紹介したので、ぜひチェックいただきたい。今、大注目の125ccスクーターなわけで、まだ実車に触れていない筆者としても気になる存在。実際にまたがるとやや大きめの車体だなぁと感じる。肝心の足つき性はご覧の通りで、両足とも足指の付け根までが着地した。シート高は785ミリなので、やはり横幅があるのだろう。とはいえ車重は125kgだから、それほど怖がることはないだろう。

ヤマハYZF-R25 ABS

250ccスポーツの定番。

数年前、ホンダCBR250RRとともに試乗したことがあるヤマハYZF-R25。その時はハンドリングのスポーティさと1日で400kgほど走っても疲労感が少なかったことが印象的だった。市街地から高速、ワインディングと一通りのシーンを走っても足が届かなくて怖い思いをせずに済んだものだが、2019年にマイナーチェンジしてABSを標準装備している。またがってどの程度違うものかと確認したのだが、シート高はマイチェン前後で変わらず780mm。サイドのデザインなども大きく変わっていないので、両足指の付け根付近までしっかり着地した。重量は170kgあるものの、無理のないライポジで不安感はない。

ヤマハYZF-R7

ミドルクラスのR7だとちょっとキツイかも。

続いてはYZF-Rシリーズのミドルクラス、R7だ。車体サイズはR25と比べて大きく変わらないものの、シート高は一気に835mmと高くなる。おまけに前傾姿勢もR25とは比べ物にならないくらいキツクなる。その結果、足つき性は両足ともにつま先がかろうじて着地するといったレベル。重量は188kgしかないのでお尻をズラして片足だけベッタリ着地していれば信号待ちでも問題なさそうだ。短足オッサンだとつま先立ちになるためシートの一番前でまたがり、中年太りで出っ張ってきた腹をタンクにかぶせるようなスタイルになる。足つき性以上に腹の圧迫度が相当なものだ。

ヤマハXSR900

発表されたばかりの新型XSR900はどうだ。

続いてはショーの目玉の1台でもある新型XSR900。ゴロワーズ風カラーリングが印象的で、初見ではコンパクトにも感じられる。早く詳細を知りたいところだが、一足先にまたがってみよう。するとコンパクトに感じた第一印象通りで、足つき性はよくないもののアップライトなハンドルとともに親近感のわくライポジになった。シート高が810mmとアナウンスされているがR7より格段に足つき性はよく、両足のつま先を若干曲げることができるくらいに着地する。まさに数値通りといったところだろう。重量は200kgを切る193kgのようなので、これなら間違いなく乗れそうだ。

ヤマハMT-09 ABS

新型XSR900のベースでもあるMT-09。

2021年にモデルチェンジしたばかりのMT-09。それより前の2019年時に試乗したことがあり、片足だけなら土踏まず付近まで着地して足つき性は比較的良好だと感じていた。それよりコーナリングが最高に楽しく、意のままに操ることができる操縦性が印象に残っている。クロスプレーン・コンセプトによる3気筒エンジンの鼓動感も心地良く、スロットル開度によってはのけぞるような加速も可能。何より4気筒よりスリムな車体になるので短足オッサンには最適なのだ。だから新型は大いに気になるモデル。またがってみると旧型よりシート高が5mmほど高い825mmあるのだが、両足ともに足指の付け根が着地する。ハンドルの位置が比較的近いので前傾にならないから、ポジション的には腹の出た中年オッサンにも程よい。重量は189kgしかないので、新型もぜひ乗ってみたいところだ。

ヤマハ・トレーサー9GT ABS

アドベンチャースタイルのトレーサー9GT。

これまた数年前、スズキVストロームと同時にMT-09トレーサーに試乗している。Vストロームは片足でもバレリーナ状態になり、信号待ちのたびに路肩が高くなっている個所を探して信号のはるか手前で止まる始末。トレーサーも同様で、街中を走る気は一切起きなかった。そう、つまり短足オッサンの体格では無理!なのだ。そのトレーサー、何度か名前が変わり現在はトレーサー9GTを名乗る。MT-09がベースながら、圧巻の大きさで18リッター入りの燃料タンクがデカイこと。おまけにシート高は825mm。ただ810mmに下げることも可能だから、下げた状態ならなんとかなるかもしれない。実際の足つき性は両足だと完全にバレリーナ。つま先が着地しているだけなので、220kgある車重を支えることは無理だろう。

ということでヤマハ車だと両足がベッタリ着地するモデルは皆無だった。ただ新型になったMT-09や発表されたばかりのXSR900にはぜひとも試乗してみたいと思っている。両モデルとも足つき性はよくないものの、このサイズなら身長163cmの短足オッサンでも十分に乗ることができる。旧型で味わえたハンドリングの妙がどう進化したのか、とても気になる存在なのだ。

著者プロフィール

増田満 近影

増田満

小学生時代にスーパーカーブームが巻き起こり後楽園球場へ足を運んだ世代。大学卒業後は自動車雑誌編集部…