【第25回カフェカブミーティングin青山】エンジンをチューンするか、ローダウンするか、リトルカブのカスタムが楽しそう!|1997年式・2001年式

3年ぶりに開催されたカフェカブミーティングin青山。カブ主待望のイベントだっただけに大勢の参加者とギャラリーがウェルカムプラザ青山に訪れた。今回からは参加車のなかからカスタムされたカブたちを紹介してこう。まずは友人同士で参加していた2台のリトルカブを見てみよう。

REPORT●増田 満(MASUDA Mitsuru)
PHOTO●星野耕作(HOSHINO Kosaku)

リトルカブの走りを良くするチューニング例

2001年式リトルカブ。

リトルカブはいわばメーカー純正カスタムのようなモデル。スーパーカブの特徴であるレッグシールドのデザインや、リヤキャリアをボディ同色の小型なタイプへ変更するとともに前後17インチタイヤを小径な14インチにしたもの。女性向けとアナウンスされたが、どう見てもファッショナブルにカスタムしたとの印象が強い。それだけにリトルカブをさらにカスタムするなら、どのような方向性にするのかでセンスが問われるところ。そこで今回は対照的とも言える2台のリトルカブを紹介しよう。

ブルドッグソースの箱が目を引く!

イエローのボディが可愛らしいこちらは、29歳のオーナーが10年ほど前に通学用として購入したもの。当初はご近所用として活躍していたが、走れば走るうちに走行性能を引き上げたくなったようだ。また50ccの原付1種だと高確率でお巡りさんに目をつけられる。2段階右折や30km/hの制限速度が足枷になるからだ。そこで進めたのがエンジンチューニング。JUNインターナショナルから発売されているチューニングキットを用いて、排気量を105ccにまで拡大しているのだ。さらにスーパーカブ100EXの4速ミッションを組み込み、JUNインターナショナル製強化クラッチでパワーアップに対応させている。晴れてピンクナンバーになり、一般車と同じ流れで走れるようになったのだ。

エンジンを105ccにまで拡大している。
排気量アップに合わせてマフラーも水本レーシング製に交換している。
エキセルのホイールリムで剛性アップ。
サスペンションも強化型に変更している。

エンジンの実力を向上させたこともあり、純正の足回りでは不安を感じる場面が多くなる。そこで足回りのチューニングも進めることになった。一般的にリヤサスペンションを強化型にする例が多いがフロントにも着手している。前後ともにyss製強化サスペンションへ変更したのだ。これによりノーマルとは別物の足回りとなったが、さらに前後のホイールリムをエキセル製のアルミリムへ変更して剛性アップまで図った。選んだタイヤはミシュランのパイロットストリートで、走りの質を根本的に向上させている。

リトルカブらしくピヨピヨで可愛らしさも強調。

スタイルは純正のままでも可愛らしいリトルカブだから、ボディのカスタムは最小限に留めている。ヘッドライトをSP武川製のマルチリフレクタータイプにしつつサインハウス製LEDバルブを装着。ウインカーも変更して灯火類の印象を変えた程度だ。それよりもブルドッグソースの箱が印象的といった感じだろうか。

ローダウンしてイメージチェンジした例

1997年式リトルカブ。

エンジンや足回りの性能を引き上げるチューニングも魅力的だが、ルックスの魅力を引き出すことだって方向性としてアリだろう。イエローのオーナーとは友人同士で、やはり29歳のオーナー。リトルカブを選んだ理由も同じで、10年ほど前に通学用に入手した。ただイエローとは違う路線でカスタムすることにした。第一印象としては「ノーマルでしょ?」という感じだが、良く見てほしい。明かに車高が低いのだ。「車高短は美しい」という理由から、足回りに自ら手を加えたのだ。

リヤタイヤはフェンダー内に隠れてしまう。
リヤサスペンションはOKD製にした。
ローダウンしたためサイドスタンドをショートタイプに変更。

ローダウンの手法はいたって簡単。フロントはフォークを分解して短くカットするショート加工を施した。フロントのカット分に合わせてリヤにはローダウンサスペンションを組み込む。これだけのことだが、ただでさえ14インチタイヤで低く見えるリトルカブがさらに低く構えた姿になる。前後ともタイヤがフェンダーに隠れるほどローダウンしているので、当然のようにサイドスタンドが長くて使えなくなる。そこでショートタイプの社外品に変更した。これでも「走れる車高短」だそうだ。

ピヨピヨとバイザーを装着。
バイザーを固定するステーに苦労のあとが見える。
エンジンはノーマルだがマフラーを変更して排気音を楽しむ。

そのほかにはヘッドライトにピヨピヨを装着してバイザーを追加。このバイザーは汎用品でリトルカブ用ではないから、取り付けるには若干の加工が必要になる。どうしているかと見てみれば、ミラーで共締めするステーを探して角度を調整して固定した。角度を調整といっても可変式ではないので熱を入れて気合いの手曲げ。バイザー先端には傷防止のゴムも取り付け、あつらえたような仕上がりにしている。そしてマフラー。エンジンは今度の課題だそうで、ひとまず排気音だけ変更して気分を盛り上げているのだ。

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著者プロフィール

増田満 近影

増田満

小学生時代にスーパーカーブームが巻き起こり後楽園球場へ足を運んだ世代。大学卒業後は自動車雑誌編集部…