シート高の低いタイプ、XフォースLow。その乗り心地と足つき性!

ヤマハX FORCEと言えば、高速道路も走れる国産スクーターの中でどれよりも廉価な価格設定で知られている。今回試乗した同Lowは純正アクセサリーパーツで用意されているローダウンシートを販売店で装着するアクセサリーパッケージとして投入されたモデルである。

REPORT●近田 茂(CHIKATA Shigeru)
PHOTO●山田俊輔(YAMADA Shunsuke)
取材協力●ヤマハ発動機株式会社

ディテール解説

セパレートされたデュアルヘッドランプは、12V55WのH7ハロゲン球が採用されている。右側(写真左)がロービーム、左側がハイビーム。スクリーン真下中央のポジションランプは5W、ウインカーは10Wの電球式。

チューブレスの120/70-13インチタイヤを装着。右側のシングルディスクブレーキはウェーブタイプのφ267mm3点支持ローターに2ピストンのピンスライド式油圧キャリパーを装備。前後独立式ABSが採用されている。

ヤマハの主力パワーユニットとして定評のあるBLUE CORE。SMG(スマート・モーター・ジェネレーター)やVVA(可変バルブ)を備える水冷SOHCシングルの4バルブ155ccエンジンを搭載。

マフラーは右側に跳ね上げられたブラックの1本タイプ。フェンダーデザインも個性的。

Vベルト無段自動変速装置は左側。上部には大容量のエアクリーナーボックスがレイアウトされている。

リアサスペンションはユニットスイング式。ダブルピッチスプリングの2本ショックが採用されている。

130/70-13インチサイズのリアタイヤは、MAXXIS製MA-R1Nチューブレスを履く。シングルディスクブレーキには1ピストン・ピンスライド式油圧キャリパーとφ230mmのローターが採用されている。

ブラックのパイプバーハンドルを採用。左右両グリップラバーは太鼓型の微妙な膨らみがある。

ハンドル左側スイッチはシンプルで扱いやすい。下から順にホーン、ウインカー、そしてディマー&パッシングスイッチ。
ハンドル右側スイッチは二つ。下がエンジン始動用のスターター、上はハザードスイッチ。キルスイッチは無い。
長方形のモノクロ液晶ディスプレイを備えたスピードメーター。大きな文字でデジタル表示されてとても見やすい。タコメーターは250rpm毎にブロックが右に伸びていく方式。スケールは10,000rpmまで刻まれている。YMCでペアリングされるとスマホの電池残量も表示される。
左側の給油口はキーロック式。キャップを上げ、鍵で開けると下側ヒンジで手前に開くことができる。右側の中央部には耐荷重1.5kgのコンビニフックがある。
シャッター付きのメインスイッチ。シートロックやステアリングロックも操作できる。キーシャッターはワンプッシュ式。右側には5V2A(10W)のUSB電源がある。

ローシートでもクッションは十分に厚みがありしっかしと腰のある乗り心地。先端部が細身にデザインされている。

前ヒンジで開くシート下のトランク容量は約23.2L。
ヘルメットは写真の様に逆さまにして収納できる。
クリアレンズのウインカーは12V10Wの電球式だが、赤いテール&ストップランプはLED式が採用されている。

主要諸元

認定型式:8BK-SG79J
全長/全幅/全高(mm):1,895/760/1,120
シート高(mm):815
軸間距離(mm):1,340
最低地上高(mm):125
車両重量(kg):130
燃料消費率(km/L):48.1(2名乗車)
WMTCモード値(km/L):40.9(1名乗車)

原動機打刻形式:G3S5E
原動機種類:水冷, 4ストローク, SOHC, 4バルブ
気筒数配列:単気筒
総排気量(㎤):155
内径×行程(mm):58.0×58.7
圧縮比:11.6:1
最高出力(kW):11(15PS)/8,000rpm
最大トルク(N・m):14(1.4kgf・m)/6,500rpm
始動方式:セルフ式
潤滑方式:ウェットサンプ
エンジンオイル容量(L):1.00
燃料タンク容量(L):6.1(無鉛レギュラーガソリン指定)
吸気・燃料装置/燃料供給方式:フューエルインジェクション
点火方式:TCI(トランジスタ式)
バッテリー容量/型式:12V-6.5Ah(10HR)/GT7B-4

1次減速比/2次減速比:1.000/10.208 (56/16 x 35/12)
クラッチ形式:乾式, 遠心, シュー
変速装置/変速方式:Vベルト式無段変速/オートマチック
変速比:2.281~0.717(無段変速)
フレーム形式:アンダーボーン
キャスター(度):26°30′
トレール(mm):99
タイヤサイズ(前/後):120/70-13M/C 53P(チューブレス)/ 130/70-13M/C 57P(チューブレス)
制動装置形式(前/後):油圧式シングルディスクブレーキ/油圧式シングルディスクブレーキ
懸架方式(前/後):テレスコピック/ユニットスイング
乗車定員:2名

製造地:台湾

試乗後の一言!

程よくも手頃な車格感。ステップスルーのフラットなフロアを備える。足代わり万能スクーターの基本形。

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著者プロフィール

近田 茂 近影

近田 茂

1953年東京生まれ。1976年日本大学法学部卒業、株式会社三栄書房(現・三栄)に入社しモト・ライダー誌の…