ネットオークションで購入したヤマハ・ビーノ(4スト前期型SA26)。エンジンは掛かるようになったものの、エンジンオイルに冷却水が混じるトラブル発生。ウォーターポンプをオーバーホールして一件落着、かと思いきや結局改善されず。おそらく原因はヘッドガスケットの吹き抜け、と言うことで、水漏れ(水入り?)修理リベンジ。ヘッドガスケットを交換します。
今回も車体からエンジンを下ろさずに作業するので、エンジンマウントのシャフトとリヤサスペンションのボルトを取り外し、エンジン自体を後ろにずらして作業を行った。この時、ボディ側が固定されておらずぐらぐらしてしまうので、フロア下に木材やタイヤなどを挟んでおくと、作業中にボディを倒してしまう危険性が少なくなる。確実に作業をするならエンジンを下ろす事をお勧めする。今回の作業はなかり横着しています。
まずはマフラーを取り外し、前回オーバーホールしたウォーターポンプとラジエターなどの水回り、キャブレター、水温センサーのカプラーを取り外しておく。ちなみに冷却水、エンジンオイルはすでに排出してある。ラジエター下のファンを取り外し、ローター部分の合いマークでピストンの上死点を合わせて、カムチェーンのスプロケットを固定するボルトを緩める。これでカムチェーンがフリーになるので、ヘッドボルトを緩めてれば、ヘッドを取り外すことができる。ヘッド自体には大きな問題はないはずだが、エンジン内部に水が回ってから長期間そのままにされていたようで、カムスプロケやガイドパーツ、ボルトなどに錆が出てしまい、ヘッドカバーの中はサビが付いてしまっている。できるかぎり洗浄を行なったが、ここまで酷いとクランクのベアリングも錆が出ている可能性が高く、最悪の場合はクランクケースを開けてベアリングを交換する必要があるかも。
ヘッドガスケットは錆や乳化したオイルがこびりつき、シリンダーの冷却水経路にもゲル状になったオイルが詰まっている。これらを全てクリーニングしてから新しいガスケットを入れて元通りに組み直した。冷却水が通るホース類を全て外してパーツクリーナーをスプレー。サーモスタットはサビでひどい状態だったが、今回は部品を用意していなかったので洗浄して元通りに組んでおいた。近いうちに交換しようと思う。
元通りに組み立て、冷却水とエンジンオイルを入れたらエンジン始動。今回も問題なくエンジンは動いているが、10分くらいそのままアイドリングさせて様子を見てみる。特に異音もなく、安定してアイドリングしているようなので、一旦エンジンを止めてオイルフィラーキャップを開けてオイルの状態を確認してみた。エンジンオイルの状態はクリアで水が混ざっている形跡もない。少しエンジンが冷えてからラジエターのキャップを開けてみたが、オイルが浮いているということもなく、どうやらヘッドガスケットの交換が功を奏したようだ。エンジン音も静かなので今のところはクランクベアリングも無事、だと思う。500kmくらい走ったら、もう一度点検してみようと思う。
今回交換したパーツは
- ヘッドガスケット10B-E1181-00/¥889
- Oリング(ヘッドカバー)93211-18800/¥231
- マフラーガスケット1P4-E4613-00/¥439
- ガスケット(ウォーターポンプ)5ST-E2435-10/¥239
- 合計/¥1798(冷却水、エンジンオイルなどは含まれない)
今回の作業をショップにお願いすると、大体3万円くらい掛かるようだ。部品は安いが作業の時間がかかるのでどうしても工賃が高くなってしまう。もし、クランクベアリングまで被害が及んでいた場合、交換費用は高額になり、安い中古車が買えてしまいそうだ。
4ストビーノや水冷JOG、4ストギア、VOXなどが同系統のエンジンを搭載しているので、水温の警告灯が点灯したら、早めに点検したほうがいい。