新型ホンダCBR650R&CB650R初公開! 新採用の「E-クラッチ」は左レバー操作不要のセミAT。MTへの変更も即可【EICMA2023】

2023年11月7日から11月12日(プレスデー11月7~8日/一般公開11月9~12日)、イタリアで開催のモーターサイクルショー『ミラノショー(EICMA)』。このショーでホンダは新型のCBR650RとCB650Rを初公開。両車は現行モデルのイメージを踏襲しつつ、世界初となる注目のNEW電子制御装置「ホンダ E-クラッチ」をオプション採用。E-クラッチは左手でのクラッチ操作なしで、発進から停止までをサポートする最新のセミATシステム(シフトペダル操作は必要)。クラッチ操作による通常のMTへの変更も即可能だ。CBR650RとCB650Rは国内でもリリース予定。発売時期等は未定。
REPORT●北 秀昭(KITA Hideaki)
※注:写真及び記事はすべて欧州仕様車です

セミAT感覚で走行できる! ホンダのNEWクラッチシステム「E-クラッチ」

“シフトフィール”も3モード調整可能。E-クラッチ、6つのポイント!

ホンダはCB650RとCBR650Rに、新しい電子制御クラッチシステム「Honda E-Clutch(以下E-クラッチ)」を、20224年モデルよりオプション設定。E-クラッチは左手でクラッチレバーを使用する必要がなく、セミオートマチック感覚で走行可能(左足でのシフトペダル操作は必要)。滑らかなシフトアップとダウン、また非常にスムーズな始動と停止を実現する便利な機構だ。

E-クラッチのポイントは、

1:クイックシフター、手動クラッチ、デュアルクラッチ・トランスミッションの技術を導入し、これらの長所を独自にブレンド。超コンパクトなE-クラッチの重さは、わずか2kg。クラッチ本体とトランスミッション本体のしくみは、従来モデルと変わらない。

2:E-クラッチの操作はシンプルそのもので、シフトペダルを上下に動作するための、左手でのクラッチレバー操作の必要なし。ライダーは左足でのシフトペダルを操作するだけで、超高速かつ安定したギアチェンジが可能。発進時や停止時んい、クラッチレバーを操作する必要もなし。走行中のエンストの可能性を排除し、発進・停止の多い街乗りにさらなる利便性と安心感をもたらしてくれる。   

3:E-クラッチはエンジンをONにすると、すぐに作動するしくみ。左手でクラッチ操作したい場合は、“マニュアル式”へとスムーズに変更OK。クラッチレバーを使用すると、特定のエンジン回転数を超えると、1秒以内にE-クラッチシステムが再作動(低速度時は5秒後)。走行中にE-クラッチシステムをオフにしたい場合は、左側のハンドルバーのスイッチギアを介して行うことも可能。マニュアル式に変更した場合、インパネに「M」の文字で表示される。

4:E-クラッチは、シフトペダルを操作する力の強さをハード、ミディアム、ソフトの3つから任意に設定可能。加えてE-クラッチシステムは、特定の速度でハイギアに入っていることを検出した場合、インストルメントパネル上のシンボルを介してライダーにシフトダウンするようアドバイスしてくれる。

5:E-クラッチは、車速、スロットル開度、エンジン回転数、シフトペダルの踏力、クラッチモーター減速ギア角度、エンジンカウンターシャフト速度、ギア位置など、パラメーターの読み取りに基づき、クラッチの接続と切断を管理。

6:E-クラッチは、右側のエンジンカバー内にある 2つのモーターを備えたアクチュエーター ユニットを通じて操作。クラッチの締結・切断に合わせてエンジンの点火時期や燃料噴射も制御され、どんな状況でも衝撃のないスムーズな変速を実現してくれる。  

E-クラッチ・プロジェクトリーダーの小野純也氏は、「E-クラッチはライディングをさらに楽しく、しかもエキサイティングできるように設計。街乗りや毎日の通勤にも、安心感と快適性をプラスします。多くのライダーに、スポーツ性と柔軟性のユニークな組み合わせを体感して欲しい」と語った。

ホンダ CBR650R(2024年モデル)

CBR650Rは現行モデルをベースに、アッパー&アンダーのフェアリング、デュアルLEDヘッドライト、テールユニットを変更。筋肉質でスリムなボディライン、魅力的なアールを組み合わせてスポーティーさを向上。CBR650Rは国内でもリリース予定。発売時期等は未定。

2022 HONDA CBR650R(グランプリレッド)
2022 HONDA CBR650R(マットガンパウダーブラックメタリック)
全長×全幅×全高2120×750×1145mm
ホイールベース1450mm
最低地上高130mm
シート高810mm
車両重量209(E-クラッチは211)kg
エンジン形式水冷4ストDOHC4バルブ並列4気筒
総排気量649cc
ボア×ストローク67×46mm
圧縮比11.6
最高出力70kW(95.2PS)/12000rpm
最大トルク63N・m(6.42kg-m)/9500rpm
燃料タンク容量15.4L
変速機形式6速リターン
キャスター角25.5°
トレール量100mm
ブレーキ形式(前・後)Φ310mmダブルディスク・Φ240mmシングルディスク
タイヤサイズ(前・後)120/70ZR17・180/55ZR17

ホンダ CB650R(2024年モデル)

CB650Rは現行モデルをベースに、よりダイナミックな外観に進化。NEWデザインの傾斜したLEDヘッドライト、ラジエーターシュラウド、テールライトにより、さらにシャープなイメージを強調。CB650Rは国内でもリリース予定。発売時期等は未定。

24YMHONDACB650R(キャンディクロモスフィアレッド)
24YMHONDACB650R(キャンディクロモスフィアレッド)
24YMHONDACB650R(マットローレルグリーンメタリック)
全長×全幅×全高2130×780×1075mm
ホイールベース1450mm
最低地上高130mm
シート高810mm
車両重量209(E-クラッチは211)kg
エンジン形式水冷4ストDOHC4バルブ並列4気筒
総排気量649cc
ボア×ストローク67×46mm
圧縮比11.6
最高出力70kW(95.2PS)/12000rpm
最大トルク63N・m(6.42kg-m)/9500rpm
燃料タンク容量15.4L
変速機形式6速リターン
キャスター角25.5°
トレール量100mm
ブレーキ形式(前・後)Φ310mmダブルディスク・Φ240mmシングルディスク
タイヤサイズ(前・後)120/70ZR17・180/55ZR17

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