目次
Ford Puma Hybrid Rally1
スペースフレーム+ハイブリッドの新規定
WRCは2022年シーズンから、従来のWRカーに代わってトップカテゴリーへ新規定の「ラリー1」を導入。ラリー1はスペースフレームシャシーを採用し、1.6リッターガソリンエンジンに100kWのモーターを組み合わせた、WRC史上初のハイブリッドラリーカーとなる。
現在WRCに参戦する、トヨタ、ヒュンダイ、Mスポーツ・フォードがラリー1規定のマシンを開発しており、Mスポーツはベース車両を従来のフィエスタから、コンパクトSUVのプーマに変更している。
今回加入が発表されたブリーンはアイルランド出身の31歳、今シーズンはヒュンダイからWRCに参戦していた。勝利こそないものの、エストニアとベルギーで2位表彰台を得ており、いつ初優勝してもおかしくないドライバーのひとりと言われている。ブリーンはすでに9月に英国・カンブリア州のグラベルロードで、フォード プーマ ハイブリッド ラリー1のテストを行ったという。
「ポールと共にMスポーツ・フォード・ワールド・ラリーチームに加入できたことを、とても嬉しく、そして誇りに思います。正直、WRCにおける僕らの道のりは長く、紆余曲折がありました。今回、モータースポーツ界で最も権威のあるブランドのラリーカーに乗り、WRCを戦うというゴールデンチケットを手にすることができました」と、ブリーンは喜びを語っている。
チーム4年ぶりのWRC勝利に期待がかかるブリーン
2018年シーズンのラリーGB以来、勝利から遠ざかっているMスポーツ・フォードだが、ブリーンというスピードと勢いのあるドライバーが加入したことで、4年ぶりの勝利にも期待がかかる。Mスポーツのマネージングディレクターを務めるマルコム・ウィルソンは、ブリーンの加入に喜びを隠さない。
「私は10年以上前からクレイグの成長を見守ってきました。クレイグがMスポーツの様々なラリーカーで成長していくのを確認しています。今シーズンの彼は限定的なWRCプログラムにもかかわらず、素晴らしく安定した成績を残しています。今後の彼のパフォーマンスは注目に値するものです」
「私たちは数ヵ月前からチーム加入の可能性について話し合いをスタートしました。今回、彼が今後2シーズンにわたってチームを率いることを、正式に発表できて大変嬉しく思います。私たちはプーマ ハイブリッド ラリー1という素晴らしいマシンを持っており、クレイグとプーマがこれからのシーズンでチームに成功をもたらしてくれることを確信しています」
10月のスペイン・テストから本格加入
ブリーンは、10月に予定されているスペインでのグラベル&ターマックテストからチームに本格加入。ニューマシンが投入される2022年シーズン開幕戦モンテカルロのスタートまで100日あまりとなっており、これからプーマ ハイブリッド ラリー1の熟成を進めていくことになる。
「僕のキャリアは、フォード フィエスタ R2でジュニアWRCを制覇したことから始まりました。フォード フィエスタ S2000でSWRCタイトルを獲得したこともありますし、フォードは常に僕の心の中に存在しています。そしてWRCの歴史において、アリ・バタネン、ハンヌ・ミッコラ、コリン・マクレー、カルロス・サインツなど、フォードで活躍したドライバーのリストに自分の名前が加わることは、今でもちょっと信じられません」
「Mスポーツが僕の能力を信頼してくれたことに、身が引き締まる思いです。今はチャンピオンシップの開幕戦、ラリーモンテカルロのカジノ・スクエアに行くのが本当に待ち遠しいです」
ブリーンのチームメイトとなるMスポーツ・フォードのドライバーラインナップに関しては、今後追加発表される予定だ。