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Daytona Shooting Brake Hommage
ひとりのオーナーの情熱から生まれたオマージュ
多くのヒストリックカーと同様に「デイトナ シューティングブレーク オマージュ」も、伝統的なコーチビルドを信奉するひとりのクライアントの情熱から生まれた。シューティングブレーク形状のボディ後部は、ハンドビルトされたアルミニウム製ワンオフ仕様となる。
ニール・ヴァン・ロジ・デザインの創設者である、デザイナーのニール・ヴァン・ロジは、デイトナ シューティングブレーク オマージュについて次のようにコメントした。
「私たちに、1972年の伝説的なワンオフモデル『デイトナ シューティングブレーク』を再現して欲しいという特別な依頼をしてきたのは、真のカーデザイン愛好家でした」
「このピュアなスタイリングを再現するのには12ヵ月を要しました。そして、フルスケールのクレイモデルの製作が完了し、クレイモデルでの承認を得た後、ハンドメイドでアルミニウム製ボディ後半を製作しています。このボディはスペシャリストのバス・ヴァン・ルーメン(Bas van Roomen)に依頼しています」
1972年製デイトナを現代的に再現
1970年代の伝説的なクラシカル シューティングブレークを現代的なカーデザインに仕上げるのは、複雑な作業が要求されることになった。デイトナ シューティングブレーク オマージュは、オリジナルへのリスペクトを持ちながら、その中に新時代のDNAを多く導入している。
「実際、完成したデザインは、クラシカルなインスピレーションが持つしなやかなボリュームと、理想的なプロポーション、そしてベースとなった現代ドナーカーが持つ、パワフルなフォルムを完璧に融合させたものです」と、ニール・ヴァン・ロジは説明する。
ドナーカーからの流用はフロントウインドウとドアのみ
今回、用意されたドナーカーから、ボディには多くの変更が加えられた。ドナーカーから残されたのはフロントウインドウとドアのみ。オリジナルのデイトナ シューティングブレークに敬意を表し、特徴的なシャークノーズが採用された。そして新形状のフロントバンパー、フェンダー、水平基調のライトバーなどを組み合わせたことでユニークなフロントセクションが完成している。
フロントガラス後端から始まるルーフラインは、リヤセクションに向けて優雅に流れていく。斬新なリモコン式バタフライ・サイドウインドウは、このクルマにおける最も印象的なディテールだろう。リヤエンドは、オリジナルのデイトナ シューティングブレークと微妙にリンクしながらも、ベース車両のプロポーションに適合させる必要があり、デザインにおいて非常に複雑な作業になったという。