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Lamborghini Urus Performante
正式発表に先立ってパイクスを走破
ウルス ペルフォマンテは正式デビューに先立って、パイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライムのコースに挑戦し、標高4302メートルにあるフィニッシュラインを10分32秒064のタイムで通過。これまでの市販SUV最高記録である10分49秒902を破り、市販車SUV部門の新記録を樹立している。
アウトモビリ・ランボルギーニの会長兼CEOを務めるステファン・ヴィンケルマンは、ウルス ペルフォマンテについて次のようにコメントした。
「ウルス ペルフォマンテは、ランボルギーニが誇るスーパーSUVのラグジュアリーな汎用性と夢中になれる走行性能はそのままに、パフォーマンスと個性的なエクステリアを次の段階へと押し上げました。その実力は公道にとどまらず、あらゆる環境で発揮されます」
「素晴らしいベースモデルの素性を活かしながら、改良されたドライビングダイナミクスを反映した、魅力的なデザインを採用しました。ウルスは発売当初からランボルギーニのデザインDNAと技術力を受け継いだ、新時代に向けた世界初のスーパーSUVとして新たな基準を打ち立ててきました。唯一無二の存在感を持つウルス ペルフォマンテは、SUVセグメントを新たな高みへと引き上げる存在となるはずです」
カーボンファイバーを多用したエクステリア
ウルス ペルフォマンテはどの角度からでも空力的なダイナミズムを感じさせる、新たなエクステリアが採用された。端正かつシャープ、存在感を増した新デザインのボンネットとバンパーが、ランボルギーニ製スーパースポーツの遺伝子を主張。同時に、ウルス本来のエレガンスさも保持している。
ウルス ペルフォマンテには複合素材が広範にわたって使用され、セグメント最多となるカーボンファイバー製パーツの使用率を誇る。アウトモビリ・ランボルギーニのヘッド・オブ・デザインを務める、ミィティア・ボルケルトは、ウルス ペルフォマンテのデザインについて次のようにコメントした。
「ウルス ペルフォマンテの大胆なデザインは、フロントバンパーのエアカーテンを含むエアロダイナミクスの改良とうまく融合しています。“ペルフォマンテ” の系譜を彷彿とさせる新開発軽量ボンネットをはじめ、車両全体にわたるカーボンファイバーの広範な使用により、ベースモデルとの視覚的な差別化を図りました。この特別なウルスは、ドライバー志向を極めた個性的なスーパーSUVとしてデザインされています」
より低くワイドなアピアランス
レーシーなラインが深く切り込まれたボンネットは、エアアウトレットも含め、すべてが軽量カーボンファイバー製。標準仕様ではボディカラーと同色だが、オプションで部分的にカーボンファイバーを見せることも可能となっている(写真)。さらに、オプションでカーボンファイバー・ルーフに変更することで、ウラカン ペルフォマンテやウラカン スーパートロフェオといった、スーパースポーツを思わせるエクステリアを手に入れることができる。
力強く新鮮なラインを描くフロントバンパーとスプリッターもカーボンファイバー製。ブラックにペイントされた新形状のフロントエアインテークは、エンジンの冷却性能を高めると同時に、スーパースポーツとしての伝統を最大限にアピールしている。
空力処理に関しては「ドラッグの低減」をテーマに掲げており、新形状のエアカーテンはエアフローをフロントホイール上部へと効率的に導く効果を持つ。ボンネットに配置されたエアアウトレットは、ボディ全体のエアロダイナミクス効率向上に貢献すると同時に、エンジンの冷却性能の大幅アップも果たしている。
新開発のスチールスプリングを採用したことで、ライドハイトは20mm低く、トレッドは16mm拡大。全長も25mm拡大し、リヤセクションにもフロントと同様にパフォーマンス向上を狙った独自のデザインが採用された。カーボンファイバー製フィンを持つリヤスポイラーは、アヴェンタドール SVJからインスピレーションを得た形状で、リヤのダウンフォースレベルを38%も増加させる効果を持つ。
リヤバンパー下部とディフューザーもカーボンファイバー製。アクラポビッチ製軽量チタン・スポーツエキゾーストを標準装備し、ドライブモードの選択により、特徴的なランボルギーニ・サウンドを堪能することができる。ボディはダイナミズムを強調するバイカラー。さらにドアハンドル、ボンネットのエアアウトレット、スポイラーリップなどのカーボンファイバー製パーツが、ボディカラーをレーシーに引き立てている。
専用のペルフォマンテ・トリムを採用した室内
コックピットには標準でネオ・コスモス(ブラック)のアルカンターラに、新形状ヘキサゴン(六角形)デザインのシートステッチを施した「ペルフォマンテ・トリム」を採用した。さらに、オプションでレザーシートもチョイスすることができる。
ドア、ルーフライニング、シートのバックレスト、リヤウォールもペルフォマンテ・トリムの専用装備。さらに、アド・ペルソナムを利用することで、マットカーボンファイバー・ディテール、レッドカラー・ドアハンドル、アド・ペルソナムのロゴ入りのカスタマイズ・キックプレートなどもチョイスすることが可能だ。
アルカンターラ巻きのステアリングホイールは、マットブラック仕上げ。アルミニウム製インテリアトリムはブラックアルマイト加工が施された。オプションの「ダーク・パッケージ」では、スタート/ストップボタンやドライブモードセレクタなどの操作スイッチを収めた「TAMBUROレバー」など、インテリアの様々なディテールを、マットブラック仕上げにすることができる。
HMI(ヒューマンマシンインターフェース)画面にも、ウルス ペルフォマンテ専用デザインを採用。センターコンソール画面のほか、メインディスプレイにも大きな弧を描いた新グラフィックが表示される。
最高出力666psを発揮する4.0リッターV8ツインターボ
ウルス ペルフォマンテに搭載される4.0リッターV型8気筒ツインターボは、最高出力が16ps増加の666ps、最大トルクは850Nmを発揮。さらに47kgも軽量化されたことで、3.2kg/psというクラス最高のパワーウェイトレシオを実現した。0-100km/h加速は3.3秒、100km/hから全停止までの制動距離は32.9メートル、最高速度は306km/hを発揮する。
応答性、ハンドリング、安定性ともにセグメントのベンチマークとなるにふさわしいパフォーマンスを発揮。エアロダイナミクス効率の向上により、全体的なダウンフォースレベルは8%も増加した。新たなセッティングのディファレンシャルによりトルク配分も最適化されている。
ピレリ製タイヤはウルスの「P Zero Trofeo R」がベース。ピレリのセミスリックタイヤとしては初めてSUVの特性に合わせ、ランボルギーニの協力のもと新たに開発が行われた。気温の高い日のドライアスファルト、気温の低い日のウエット路面など、路面を選ばずに高いパフォーマンスを発揮できる汎用性能を手にしている。
フロント・ホイールステアリングの再キャリブレーションにより、正確なインプットとダイレクトなフィードバックを実現。路面とのつながりが大幅に強化された。リヤホイール・ステアリングは介入が早くなったことで、ターンインにおける敏捷性が向上。また、オンロード/オフロードの両モードで、リヤディファレンシャルのトルクベクタリングも行われる。
ドライブモードに関しては、従来の「STRADA」「SPORT」「CORSA」に加えて、新たに「RALLY」モードを追加。荒れた路面での走行に最適化されたアンチロールシステムとダンピングシステムにより、スーパーSUVとしてのパフォーマンスを、ダートトラックでも楽しむことができるようになった。
アウトモビリ・ランボルギーニのチーフ・テクニカル・オフィサーのルーヴェン・モールは、ウルス ペルフォマンテのパフォーマンスについて次のように説明した。
「ウルス ペルフォマンテ は、鍛え上げられた身軽なアスリートのように走ってくれます。今回、筋肉質な佇まい、個性的なデザイン、V8ツインターボエンジンと軽量スポーツエキゾーストなどがアップデートされました。サーキット、オフロードと路面を選ばず、最高にエキサイティングなハイパフォーマンスカーであることを、視覚・サウンド・体感を通して証明しています。まさにスーパースポーツカー・ドライバーのためのSUVが完成しました」