メルセデス第4と第5のBEV、「EQS」と「EQE」が日本上陸

700kmを走るラグジュアリーBEVのメルセデス・ベンツ「EQS」と「EQE」が日本上陸!

メルセデス・ベンツが発表したのは、フラッグシップサルーンの「EQS」と、Eセグメントの「EQE」。メルセデス・ベンツ日本の上野金太郎代表取締役社長兼CEOは日本におけるBEVの普及に腐心する。
メルセデス・ベンツが発表したのは、フラッグシップサルーンの「EQS」と、Eセグメントの「EQE」。メルセデス・ベンツ日本の上野金太郎代表取締役社長兼CEOは日本におけるBEVの普及に腐心する。
メルセデスの電動モデルブランド「メルセデスEQ」。そのフラッグシップモデル「EQS」と「EQE」がついに日本に上陸した。もちろん電動車の中では従来のSクラスとEクラスの位置に来る主力モデルである。BEVの高級車という未開の地を切り拓けるか?

Mercedes-Benz EQS

Mercedes-Benz EQE

ラグジュアリーBEVサルーンはそれぞれ2グレードが用意

今回メルセデス・ベンツがサブブランドのメルセデスEQのニューモデルとして発表したのは、フラッグシップサルーンの「EQS」と、Eセグメントの「EQE」。グレードはEQS 450+とEQE 350+が用意されるほか、それぞれにAMGモデルの53 4マティック+が加わり2グレードとなる。

ラインナップ

メルセデス・ベンツ EQS 450+ 1578万円
メルセデスAMG EQS 53 4マティック+ 2372万円

メルセデス・ベンツ EQE 350+ 1248万円
メルセデスAMG EQE 53 4マティック+ 1922万円

EQS、EQEの登場によってメルセデスは国内で5モデルという最多クラスのBEVをラインナップすることになった。さらに後述のとおり、EQS 450+に至っては700kmもの航続距離(WLTCモード)を誇り、これは国内最長クラスを謳う。

優れた電費は徹底した空力性能向上の賜物である。これまでに導入した「EQA」「EQB」「EQC」というSUVモデルだったのに対して、今回登場した2台は、メルセデスが「ワンボウライン」と呼ぶ、湾曲した弓をモチーフとするサイドシルエットが特徴的なサルーンなのである。EQSは2ボックス、EQEは3ボックスのボディ形状となる。

ボンネットがフロントフェンダーまで回り込む独特の形状をとることで、高速巡航時にボンネットが浮く現象を抑えており、EQSのCd値は0.20という良好な数値を実現したという。

BEV故の長大なホイールベース

EQSとEQEのボディサイズはそれぞれ下記のとおり。

ボディサイズ

メルセデス・ベンツ EQS 450+

ボディサイズ:全長5225 全幅1925 全高1520mm
ホイールベース:3210mm

メルセデス・ベンツ EQE 350+

ボディサイズ:全長4955 全幅1905 全高1495mm
ホイールベース:3120mm

今回発表された2台のニューモデルにはBEV専用の新プラットフォームが採用されている。ボディサイズは内燃機関車のSクラスやEクラスと概ね変わりは無いが、ホイールベースは大幅に長く、EQSはなんと3210mm、EQEはEQSより90mm短いがそれでも3120mmある(Sクラス=3105mm、Eクラス=2940mm)。BEVは内燃機関車よりもホイール位置の制約が少ないため4輪を車体の四隅に配置できるのがBEVの利点だ。

ホイールベースが長いと車体の安定性や乗り心地が向上するが、床下にバッテリーを搭載するBEVの場合はそのぶんバッテリー容量を拡大できることが大きい。ホイールベースが長いと最小回転半径が大きくなり、取り回しが心配になるが、リヤアクスルステアを装着することでEQSでも5.0mという小型車並みの数値となる。

なお、ホイールベースが長い分は前後オーバーハングを短くすることでSクラス、Eクラスと遜色ない全長に抑えている。ちなみにバッテリー容量と航続距離は、EQSが107.8kWh/700km(EQS450+)、EQEが90.6kWh/624km(EQE350+)となっている。

室内幅すべてに渡るMBUXハイパースクリーン

室内はBEVという新世代のクルマに相応しい先進的でデジタル主体のデザインを採用。その代表例が室内幅いっぱいに拡がるMBUXハイパースクリーン(AMG EQS 53に標準装備、EQS 450+、AMG EQE 53 4マティック+はオプション装備)だ。

12.3インチインストゥルメントパネル、17.7インチセンターディスプレイ、12.3インチ助手席ディスプレイという、3枚のディスプレイを幅141cmの1枚のガラスで覆うことで、1枚のスクリーンがダッシュパネルに全体にレイアウトされているように見せるという。

搭載されるモーターのスペックは下記のとおり。

モーターの性能

メルセデスEQ EQS 450+

最高出力:245kW(333ps)
最大トルク:568Nm

メルセデスAMG EQS 53 4マティック+

最高出力:560kW(761ps)
最大トルク:1020Nm

メルセデスEQ EQE 350+

最高出力:215kW(292ps)
最大トルク:565Nm

メルセデスAMG EQE 53 4マティック+

最高出力:505kW(687ps)
最大トルク:1000Nm

最高出力、最大トルクとも450と350という車格に見合った、あるいはAMGを名乗るに相応しい充分な数値となっている。さらに保証も充実しており、10年または25万km以内で高電圧バッテリーが残容量70%を発揮することを保証するという。

150 kWなら30分で約50%ぶん充電も

EQS、EQEの登場によってメルセデスは国内で5モデルという最多クラスのBEVをラインナップすることになったメルセデス・ベンツ。
EQS、EQEの登場によってメルセデスは国内で5モデルという最多クラスのBEVをラインナップすることになったメルセデス・ベンツ。

充電はEQS、EQEともに6.0kWのAC普通充電から150kWのCHAdeMO急速充電に対応している。急速充電した場合のそれぞれの充電時間と充電量は下記のとおり。まだまだ少ないが90kW充電がかなり有効な性能を有していることがわかる。

それぞれの充電性能

メルセデス・ベンツ EQS 450+

50kW
充電時間(10→80%) 110分
30分での充電量(10%から開始) 29%

90kW
充電時間(10→80%) 55分
30分での充電量(10%から開始) 47%

150kW
充電時間(10→80%) 48分
30分での充電量(10%から開始) 59%

メルセデス・ベンツ EQE 350+

50kW
充電時間(10→80%) 105分
30分での充電量(10%から開始) 29%

90kW
充電時間(10→80%) 54分
30分での充電量(10%から開始) 49%

150kW
充電時間(10→80%) 49分
30分での充電量(10%から開始) 57%

メルセデス・ベンツ EQE 350+のフロントビュー

メルセデス・ベンツ EQEはEV時代のEクラスになるか? 渡辺慎太郎がいち早く海外試乗!

ピュアEVファミリーの拡充を急ピッチで進めるメルセデス・ベンツは、フラッグシップサルーンのEQSに続き、EセグメントセダンのEQEをリリースした。前者がEV版のSクラスなら、後者はEV版のEクラス。メルセデスが放つ最新のEVサルーンの仕上がりを、自動車ジャーナリスト・渡辺慎太郎がドイツで試す。

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ゲンロクWeb編集部

スーパーカー&ラグジュアリーマガジン『GENROQ』のウェブ版ということで、本誌の流れを汲みつつも、若干…