EQEのアファルターバッハ仕様「メルセデスAMG EQE」登場

EV版Eクラス「EQE」にAMG誕生! V12ツインターボ並の大トルクを発揮する新型Eセグサルーン

メルセデスAMG EQE 43 4MATICの正面ビュー
メルセデスAMGが2022年2月16日に発表したAMG EQE。写真はEQE 43 4MATIC。アファルターバッハ製EVのエントリーモデル的位置づけとなるモデルだ。
メルセデスAMGは2022年2月16日、ピュアEV「EQE」の高性能仕様を発表。「EQE 43 4MATIC」及び「EQE 53 4MATIC+」の2車種をラインナップし、後者は最高で687hp/1000Nmのパフォーマンスを発揮する。AMGバッジを戴く電気自動車としては「EQS」に続く第2弾となる。

Mercedes-AMG EQE

「E 53」と「E 43」のピュアEVバージョンが登場

メルセデス AMG EQE 43 4MATICのサイドビュー
メルセデスAMG EQE 43 4MATIC。EQSと同じプレミアムクラスの電気自動車専用プラットフォーム「EVA2」をベースにしている。

メルセデスAMGは2022年2月16日に「EQE 43 4MATIC」と「EQE 53 4MATIC+」を発表した。EV版EクラスといえるEQEをベースにアファルターバッハが鍛え上げた強化仕様で、スーパーカーに拮抗するほどの大パワーと俊足を実現。電気自動車ならではの快適性と、AMGらしい運動性能を兼ね備えた新時代のパフォーマンスサルーンを標榜している。

「EQE 43 4MATIC」及び「EQE 53 4MATIC+」は、AMG初のピュアEVとして登場した電動フルサイズサルーン「EQS」に続く第2弾のハイパフォーマンス電気自動車だ。搭載するリチウムイオンバッテリーは容量90.6kWh、電圧が328V。バッテリーのマネジメントシステムは、OTAを通じて常時アップデートされる仕組みとなっている。また、「53」にはより高い性能に対応できるAMG専用ワイヤーハーネスを採用しているという。また、環境に配慮するべくコバルト含有量を10%削減。ニッケル:コバルト:マンガンの比率が8:1:1であるNMC811を用いている。

新世代バッテリーを採用したことで、充電時間も短縮された。EQEは最大170kWの急速充電に対応しており、15分のチャージで180kmの走行を可能としている。さらに、サーマルマネジメントシステムも進化。ナビゲーションと連動し、充電スポットで効率よくチャージができるように、事前に加熱/冷却を行う機能も備えている。

0-100km/hを3.3秒で達成する圧倒的加速力

メルセデス AMG EQEのプロダクト概要
メルセデスAMG EQEのプロダクト概要。「53」の“最強仕様”であれば最高出力687hp/最大トルク1000Nmに達し、0-100km/h加速は3.3秒を実現する。

メルセデスでは、モーターとリダクションギヤ、ディファレンシャルなどをひとつのハウジングに収めた電動パワートレインを「eATS」と呼んでいる。4MATICのEQEはこれを前後アクスルに配置し、路面や走行状況に合わせて最適なトルクが前後に配分される機構としている。トルク量は1秒につき160回チェックされ、必要に応じて調整される。性能数値は「EQE 43 4MATIC」が476hp/858Nm、「EQE 53 4MATIC+」が627hp/950Nmを謳う。そのうえ、AMGダイナミックプラスパッケージを装着した「53」に至っては687hp/1000Nmと、大排気量のV12ツインターボエンジン並のパフォーマンスを実現した。この“最強仕様”であれば、0-100km/h加速も3.3秒とスーパースポーツモデルに拮抗する加速性能を実現している。

サスペンションはEQSと同様“AMGライドコントロール+”を採用。フロントが4リンク、リヤがマルチリンクの形式で、空気ばねと電子制御式ダンパーを組み合わせたエアサスペンションである。ただし、ハブキャリアやサスペンションリンク、アンチロールバーなどにはAMG専用の部品を使用するなど、基本的な構成はAMG EQSやAMG GT 4ドアクーペに倣ったものであり、それをベースにアファルターバッハ流のチューニングで躾けている。

リヤアクスルステアリングは全車標準

メルセデス AMG EQE 43 4MATICの充電シーン
メルセデスAMG EQE 43 4MATIC。最大170kWの急速充電に対応しており、15分のチャージで180kmの走行が可能となる。

走行中のエアロダイナミクスを向上するために、車高を自動調整する機構も搭載。走行モードが「S」または「S+」の場合、発進時から車高はマイナス15mmに設定され、「C」の場合は120km/h以上になると下降する仕組みとなっている。また、タイヤにはAMG製パフォーマンスモデルに求められる要件を満たしたスポーツEV向けモデル「ミシュラン パイロット スポーツ EV」などを用意している。

AMG EQEには後輪操舵機構を標準搭載とした。60km/h以下では後輪が逆位相に操舵して取り回し性を向上。60km/h以上では最大3.6度同位相に操舵し、高速道路などの走行時により安定したハンドリングを提供する。さらに、前6ピストンキャリパー/415×33mmディスク、後シングルピストンキャリパー/378×22mmのAMGハイパフォーマンスブレーキシステムを採用。オプションでセラミックブレーキシステムを選択することもできる。

ボッシュが開発した電動ブレーキブースターシステム「i-Booster」も採用しており、「油圧」と「回生」両ブレーキ機構の最適化を実現。AMGのブレーキシステムと独自のペダルフィールに合わせて、専用にチューニングされたものを使用している。

サーキット走行も見据えたオプションメニュー

メルセデス AMG EQE 43 4MATICのフェイシア
メルセデスAMG EQE 43 4MATIC。ディスプレイのインターフェイスはAMG専用であり、オプションで“バーチャル・レース・エンジニア”と称される「AMG TRACK PACE」を選択することもできる。

エグゼクティブサルーンカテゴリーに属するEQEだが、AMGであればサーキットでの走りも見込んだダイナミズムが求められる。そこで、AMG EQEはローンチコントロール機構はもちろん、“バーチャル・レース・エンジニア”とも称される「AMG TRACK PACE」もオプションに設定。

車速や加速度、Gなど80を超える項目を常時記録するとともに、セクション毎のタイムやラップタイムなどを随時表示可能としている。同モードを選択すると、ドライバーが一目で必要な数字を読み取ることができるよう、ディスプレイのインターフェイスも専用のものに変更される。

AMG独自設計のEV専用プラットフォームも登場か

メルセデス AMG EQE 53 4MATIC+のリヤビュー
メルセデスAMG EQE 53 4MATIC+のリヤビュー。AMG EQEはメルセデス・ベンツと共有する「EVA2」プラットフォームをベースとしているが、今後AMG独自設計のEV専用プラットフォームも投入する予定であるという。

メルセデスAMG GmbHのチェアマン、フィリップ・シーマーは、EQE 43 4MATICはAMGの電動車ラインナップにおけるエントリーモデルであり、EQE 53 4MATIC+はさらなるスポーティさとドライビングダイナミクスを追求したモデルである、と説明している。そして、気になる“未来図”についても次のように示唆した。

「我々が掲げるドライビングパフォーマンスの未来は、これで終わったわけではありません。パフォーマンスHV、そしてEVA2プラットフォームベースのピュアEVに続いて、私たちはAMG独自の電気自動車をそう遠くない未来に投入する予定です。それらは、完全内製で開発した新設計の“AMG.EA”をベースとしたモデルになります」

【SPECIFICATIONS】
メルセデスAMG EQE 53 4MATIC+
ボディサイズ:全長4964 全幅1906 全高1492mm
ホイールベース:3120mm
車両重量:2525kg
モーター:永久磁石式同期モーター×2
最高出力:460KW(626ps) ※AMGダイナミックプラスパッケージ装着車=505kw(687ps)
最大トルク:950Nm ※AMGダイナミックプラスパッケージ装着車=1000Nm
駆動用種電池:リチウムイオン電池
電池容量:90.6kWh
駆動方式:AWD
サスペンション:前4リンク 後マルチリンク
航続距離:444-518km(WLTPモード)
0-100km/h加速:3.5秒 ※AMGダイナミックプラスパッケージ装着車=3.3秒
最高速度:220km/h(リミッター制御) ※AMGダイナミックプラスパッケージ装着車=240km/h

メルセデスAMG EQE 43 4MATIC
ボディサイズ:全長4964 全幅1906 全高1492mm
ホイールベース:3120mm
車両重量:2525kg
モーター:永久磁石式同期モーター×2
最高出力:350KW(476ps)
最大トルク:858Nm
駆動用種電池:リチウムイオン電池
電池容量:90.6kWh
駆動方式:AWD
サスペンション:前4リンク 後マルチリンク
航続距離:462-533km(WLTPモード)
0-100km/h加速:4.2秒
最高速度:210km/h(リミッター制御)

メルセデスAMG EQS 53 4マティック+。フロントビュー

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著者プロフィール

三代やよい 近影

三代やよい

東京生まれ。青山学院女子短期大学英米文学科卒業後、自動車メーカー広報部勤務。編集プロダクション…