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Ford F-150 Lightning SuperTruck EV
エアロダイナミクスを徹底的に追求
2024年6月17~23日にかけて、米国・コロラド州のパイクスピークで開催されるパイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライム(PPIHC)。フォード・パフォーマンスは、専用開発したフル電動プロトタイプ「F-150 ライトニング スーパートラック EV」を投入する。
ドライブを担当するのは、昨年のパイクスに「フォード スーパーバン 4.2」で参戦した、フランス出身のロマン・デュマ。現在、パイクスピーク最速タイム記録保持者のデュマは、来週のテストから参加し、本番に向けて開発を続けていく予定だ。
F-150 ライトニング スーパートラック EVは、フル電動ピックアップ「F-150 ライトニング」からインスピレーションを得て、フォード・パフォーマンスとスタートアップ企業「スタード(STARD)」社が共同開発。獰猛な空力コンポーネントは、最高速240km/hでの走行時に6000ポンド(2721kg)のダウンフォースを発揮するよう製作されている。
将来のEVに活かされるパイクスでの知見
フォード・パフォーマンスは、近年のパイクスピークにフル電動レーシングコンセプトを投入し、厳しい環境下において電動パワートレインの研究開発をおこなってきた。パイクスピーク・プログラムから得られた知見やデータは、将来の電動レーシングカーによるモータースポーツプログラムだけでなく、市販車のソフトウェアやバッテリー技術にも反映される。
2023年のパイクスピークにおいて、フォード・モータースポーツが開発した「スーパーバン 4.2」は約20kmのコースを8分47秒682のタイムで走行。フル電動オープンクラスにおける新記録を樹立した。
その後、フォードはベースモデルを新たにF-150 ライトニングへと変更し、2024年に向けたプログラムをスタートした。2024年1月に公開された「フォード F-150 ライトニング スイッチギア」は、市販仕様のライトニング用プラットフォームをベースに開発されており、ボルスター付きサスペンション、カーボンコンポジットパネル、スキッドプレートなどを装着し、市販EVとしての可能性がテストされる。
来週から実走テストが開始されるF-150 ライトニング スーパートラック EVは、スーパーバン 4.2やF-150 ライトニング スイッチギアで得られた技術をベースに開発。今後、ドライバーのデュマによるタフなテストプログラムを経て、6月23日の決勝レースへと挑むことになる。