同じコンパクトSUVでもかたやフル電動「アベンジャー」こなたエンジンの「レネゲード」パワートレイン異種比較

同じジープのコンパクトSUV2台をEVの「アベンジャー」とエンジン車の「レネゲート」でスペック比較

ジープには2台のコンパクトSUVがある「アベンジャー」と「レネゲード」だ。一見無駄なラインアップにも見えるがアベンジャーはフル電動、レネゲートは純エンジン車である。両車の違いをスペック面から見てみよう。

JEEP AVENGER × JEEP RENEGADE

両車ジープらしさがあるが、アベンジャーの方がスポーティ

「アベンジャー」も「レネゲード」もジープらしいクロスカントリーのコンセプトを踏襲したデザインで、一目で「ジープだ」と分かる。アベンジャーはスポーティなスタイリングで、一方のレネゲードはジープらしいスクエアなボディをローダウンしたように見える。

アベンジャーの方が身軽な印象だが、実際ボディサイズはかなり異なり、アベンジャーはレネゲードをひとまわり以上小さい。「アウトドア派とシティ派の中間」のアベンジャーと「クロスカントリー派とアウトドア派の中間」のレネゲードといっていいだろう。これは両車が狙うターゲットの違いから生まれたボディサイズの違いだと受け取れる。

ジープ アベンジャー Altitude

ボディサイズ=全長4105mm×全幅1775mm×全高1595mm
ホイールベース=2560mm
車両重量=1570kg
タイヤサイズ=215/60R17

ジープ レネゲード Limited

ボディサイズ=全長4255mm×全幅1805mm×全高1695mm
ホイールベース=2570mm
車両重量=1440kg
タイヤサイズ=215/60R17

パワー・トルクはほぼ同一だが乗り味が圧倒的に違う

アベンジャーのパワートレインはバッテリー&電気モーターで、レネゲードはエンジンとなっている。だが、意外にもパワーやトルク面ではアベンジャーが156PS&270Nmでレネゲードが151PS &270Nと両車に大きな差はない。しかしEVは加速が俊敏でスムーズ、そして何より静かという特徴がある。

同一ブランドで同パワー帯にありながらもその乗り味は全く違うといえるだろう。

駆動用モーター=交流同期電動機
モーター最高出力=156PS/4070〜7500rpm
モーター最大トルク=270Nm/500〜4060rpm
トランスミッション=1速固定
駆動方式=FWD

ジープ レネゲード Limited

エンジン形式=直列4気筒ターボ
排気量=1331cc
最高出力=151PS/5500rpm
最大トルク=270Nm/1850rpm
トランスミッション=6速AT
駆動方式=FWD

日常の使いやすさか先進への投資か

フル電動のアベンジャーの航続距離(WLTC)は約490kmと長く、レネゲード(14.3km/L×48L=約686km)では得られないEVならではの先進性、静粛性、運転感覚が備わる。しかし、その価格差は大きく、およそ145万円の開きがある。これは現状のEVの趨勢を考えるとやむ得ないところだ。

価格面もあるが、ガソリン給油の簡便さを考えるとレネゲードの方が有利と考える人もいるかもしれない。日常から使いやすい小さいジープを選ぶか、ジープが描く未来に投資するかの選択となりそうだ。

車両本体価格

ジープ アベンジャー Altitude 580万円
ジープ レネゲード Limited 435万円

現時点のラインナップは「アルティテュード」(580万円)と「ローンチエディション」(595万円)の2グレードとなる。

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