BMW、M4ベースの最軽量・最強モデル「CSL」を1000台限定でリリース

18年ぶりに帰ってきた最速マシン、BMW M4 CSLデビュー! 550psを発揮するM社50周年記念モデル 【動画】

BMW M社50周年記念モデルとしてデビューした「M4 CSL」の走行シーン。
新たに登場したBMW M4 CSLは大幅な軽量化を果たし、特にサーキットで実力を発揮できるように開発された。
BMW M社(BMW M GmbH)は創立50周年を記念し、M4をベースとした「M4 CSL」を発表した。M4 CSLはモータースポーツへの飽くなき情熱と、革新的なテクノロジーを融合した究極のスポーツカーだ。生産台数はわずか1000台とされる。

BMW M4 CSL

コンコルソ・デレガンツァ・ヴィラ・デステで公開

BMW M社50周年記念モデルとしてデビューした「M4 CSL」の走行シーン。
ニュルブルクリンク・ノルトシュライフェ(20.600kmコース)において、M4 CSLはBMWの量産モデルとして史上最速となる7分15秒677を記録。5月20日から開催される「コンコルソ・デレガンツァ・ヴィラ・デステ」で世界初公開される。

CSLは「クーペ・スポーツ・ライトウェイト(Coupe Sport Lightweight)」を意味し、2004年の「M3 CSL」以来の復活となる。モータースポーツで成功を収めるためには、重量を最小限に抑えた設計が重要であることからこのネーミングが採用された。

M4 CSLは、徹底的な軽量化、2シーター化、専用のシャシーアップグレードに加えて、様々な特別装備が与えられ、特にサーキットパフォーマンスを重視して開発された。モータースポーツ用車両「M4 GT3」との兄弟モデルと呼ぶにふさわしく、足まわりやブレーキシステムのセッティングなどにレース活動から様々なフィードバックが投入されている。

ニュルブルクリンク・ノルトシュライフェ(20.600kmのコース)におけるテストでは、7分15秒677と、BMWの量産モデルとして史上最速のラップタイムを記録。また、全長20.832kmコースでの公認ラップタイムでも、7分20秒207を叩き出した。0-100km/h加速は3.7秒、0-200km/h加速は10.7秒と、最軽量・最強モデルを名乗るのに相応しい実力が与えられている。

M4 CSLは、2022年5月20日~22日に開催される「コンコルソ・デレガンツァ・ヴィラ・デステ(Concorso d’Eleganza Villa d’Este)」でワールドプレミアを予定。2022年7月からBMWグループのディンゴルフィング工場において、1000台が限定生産される。

各部に軽量素材を導入し、車両重量1625kgを実現

BMW M社50周年記念モデルとしてデビューした「M4 CSL」のエクステリア。
軽量化が至上命題に掲げられたM4 CSLは、カーボンファイバーやCFRP素材を積極的に導入することで、車両重量1625kgを実現している。

M4 CSLは、基本構成に加えて細部に至るまで軽量化を徹底し、車両重量1625kgを実現。この結果、2.95kg/ps(4.01kg/kW)という脅威的なパワーウェイトレシオを達成している。

軽量化の内容は、Mカーボン製フルバケットシートの採用によってBMW M4 コンペティション クーペに装着されている標準シートと比較して約24kg削減。2シーター化してリヤシートとシートベルトを取り外し、ラゲッジルームに変更を加えることで同じく約21kgダイエット。超軽量Mカーボンセラミックブレーキ、専用軽合金製ホイールの採用などによって約21kg減量し、防音材の量自体を減らし超軽量防音材に変更して約15kg削減している。

さらにボンネットとトランクリッド、コクピットのセンターコンソールなどにカーボンファイバー強化プラスチック(CFRP)を導入して約11kgを削減したほか、チタン製リヤサイレンサーはエキゾーストシステムの重量を4kg以上減らしている。キドニーグリル、テールライト、フロアマット、オートエアコンなどにも変更を加え、4kgの軽量化も達成した。

専用のボディカラーに映えるレッド・アクセント

BMW M社50周年記念モデルとしてデビューした「M4 CSL」のエクステリア。
専用の「フローズン・ブルックリン・グレーメタリック(写真)」を標準のボディカラーに採用。カーボンのブラックとレッド・アクセントがレーシーな雰囲気をさらに強調する。

ボディカラーは専用の「フローズン・ブルックリン・グレーメタリック」を標準採用。この特別色はカーボンファイバーパーツやレッドのアクセントカラーと組み合わせることで、よりレーシーな雰囲気を演出する。また、無償オプションで「アルパインホワイト・ソリッド」か「サファイア・ブラックメタリック」を選択することもできる。

ボディには様々な専用カーボンファイバー・コンポーネントを採用。ボンネットにはカーボンファイバー製のレーシーな窪みがふたつ設けられ、ここにレッドのアクセントラインが入れられた。CFRP製ルーフに設けられたふたつのフィン、キドニーグリル、サイドシル、モデルバッジ、フロントエプロンの専用CFRP製スプリッターとエアカーテンインサートにもレッドのアクセントラインが加えられている。

M4 CSLのLEDリヤライトには、量産車として初採用の技術が標準装備された。ガラスカバーに織り込まれた複雑な光のラインにレーザー技術で照射することにより、テールライト表面に鮮やかな造形を浮かび上がらせる。これにより、暗闇の中でもより高い視認性が確保された。

過給圧アップにより最高出力550psを実現

BMW M社50周年記念モデルとしてデビューした「M4 CSL」に搭載される3.0リッター直6ツインターボ。
搭載される3.0リッター直6ターボエンジンは、ターボの過給圧アップと専用エンジンマネージメントシステムにより、最高出力550psを実現した。

M4 CSL専用パワーユニットは、M4 GT3に搭載されている様々な技術をベースに開発。3.0リッター直列6気筒Mツインパワーターボは、安定性や耐久性を犠牲にすることなく大幅なパワーアップを実現した。

2基のモノスクロールターボチャージャーのブースト圧を1.7 barから2.1 barに高め、さらにエンジンマネージメントシステムに専用のセッティングを採用。最高出力550ps(405kW)、最大トルク650 Nmというスペックを手にしている。

クランクケースはスリーブレスのクローズドデッキ構造により高剛性を実現。軽量鍛造クランクシャフトは極めて高いトルクに備える。また、3Dプリント技術で作られたシリンダーヘッドコアもM4 CSL専用だ。強大なパワーとトルクは8速Mステップトロニックを介してリヤを駆動。エンジンとトランスミッションはM4 CSL専用にマウントされ、エンジンパワーを極めて迅速かつダイレクトにシャシーへと伝達する。

冷却系と油圧系も、サーキット走行に合わせた専用設計。電動フラップ付きツインテールパイプ・エキゾースト・システムと、軽量化されたチタニウム製リヤサイレンサーにより、レーシングカーを思わせる魅力的なエンジンサウンドを楽しむことができる。

あえて快適性を除いたスパルタンなCFRP製シート

BMW M社50周年記念モデルとしてデビューした「M4 CSL」のコクピット。
軽量化を追求したM4 CSLのスパルタンなコクピット。Mカーボン製フルバケットシートは、調整機能などの快適装備をあえて排除している。

コクピットには、ドライバーとコ・ドライバーのためにMカーボン製フルバケットシートを採用。レーシーなCFRP製バケットシートは、快適性を高めるための機能をあえて排したことが特徴となる。背もたれの角度は固定式となり、前後方向調節は手動、シート高調節はワークショップで3段階のスクリューリンケージを使ってのみ可能となっている。Mカーボン製フルバケットシートには、取り外し可能なヘッドレストと、6点式シートベルトも装備された。

Mアルカンターラ・ステアリングホイール、アンスラサイト・カラーヘッドライナー、カーボンファイバー製インテリアトリムストリップ、センターコンソール、リヤパネルの“CSL”バッジ、M専用ディスプレイなど、M4 CSL専用装備を数多く採用。また、メリノレザー・トリム、Mシートベルトも標準装備し、リヤシートが取り除かれたスペースにはヘルメットストレージがふたつ用意された。

標準装備の「BMW ライブ・コクピット・プロフェッショナル」は、メータークラスター内の12.3インチ・ディスプレイと、センターコンソールの10.25インチ・コントロールディスプレイで構成される。「BMWマップ」ナビゲーションシステムや「BMWインテリジェント・パーソナル・アシスタント」を含み、スムーズなスマートフォンとの連携や、ワイヤレス充電も可能。また、M専用エレメントを備えた「BMWヘッドアップ・ディスプレイ」と「BMWドライブ・レコーダー」も、オプションで装着することができる。

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