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BMW 3.0 CSL Hommage
現代に蘇った「バットモービル」

1971年に発表された「3.0 CSL」をオマージュしたスペシャルモデルは、2022年6月にBMW M社(BMW M GmbH)のフランク・ヴァン・ミールCEO(写真)によって、ティザー写真と共にその存在が明かされた。
BMW 3.0 CSL オマージュは、BMW M社50周年モデルとして、M4をベースに開発が続けられており、専用のボディパネルを採用。M4とは完全に異なるオリジナルのエクステリアが与えられている。テスト車両は、ボディ全面にBMW M社の50年に及ぶ歴史が描かれた型破りなラッピングを纏っており、その写真の中には1970年代にツーリングカーレースで圧倒的な強さを誇った「3.0 CSL」も含まれている。
オリジナルの3.0 CSLは、レース用ホモロゲーション車両として開発され、パワフルな3.0リッター直列6気筒エンジンを搭載。アルミ製ドアパネルやアクリル製リヤウインドウなどにより大幅な軽量化を果たし、オーバーフェンダーや大型リヤウイング、特徴的なボンネットの整流版を採用。その過激なスタイルから、「バットモービル」という通称も与えられている。
M4をベースにオリジナルのフォルムを採用

プロポーションやグリーンハウス、ヘッドライト形状からM4との関連性は明らかだが、CSL オマージュのフロントとリヤのボディパネルは完全な専用設計。スタイリッシュなフロントグリルやフロントバンパーの丸型エアインテークは、2015年に発表された「3.0 CSL オマージュ コンセプト」を思わせるもの。
さらに、彫りの深いボンネット、ワイドなフロント&リヤフェンダー、専用デザインのLEDテールライトも採用。リヤセクションには、オリジナルの3.0 CSLを思わせるルーフスポイラーと固定式大型リヤウィングが装着されている。エキゾーストはレーシーなクワッドテールパイプがチョイスされた。
大幅なパワーアップを果たす3.0リッター直6ツインターボ

パワーユニットの詳細は明らかになっていないが、M3/M4に搭載されている3.0リッター直列6気筒ツインターボのチューンド版がボンネットに収まることになるだろう。そのスペックはベースの510psを大きく上まわり、最高出力568ps(418Kw)、さらには600psオーバーも予想されている。
興味深いのは、MT仕様が用意されていることだ。2022年5月に発表された「M3 50th アニバーサリー リミテッド」と同じ6速MTを搭載し、リヤを駆動。大幅な軽量化に加えて、M4 CSLよりもアグレッシブなサスペンションセッティングが導入される。
3.0 CSL オマージュはコレクターをターゲットにした、限定生産のスペシャルモデルとして登場する。残念ながら、相当高額なプライスタグが付くことは間違いない。デビューはBMW M社のアニバーサリーイヤー内となるため、2022年中を予定。現時点で生産台数やデリバリー時期は明らかになっていない。