【オートモビルカウンシル2023】戦前の前輪駆動グランプリカー「アルヴィスFWD」

1927年式前輪駆動のレーシングカー「アルヴィスFWD」に戦前のグランプリカーの凄みを見た

1927年の英国グランプリに参戦するべく設計された「アルヴィスFWD」。名前のとおり前輪駆動レーシングカーだ。
1927年の英国グランプリに参戦するべく設計された「アルヴィスFWD」。名前のとおり前輪駆動レーシングカーだ。
半世紀を経て復刻したコンティニュエーションモデルを生産する「アルヴィス・カー・カンパニー(Alvis Car Company)」が、オートモビルカウンシル2023(会期:4月14〜16日)で珍しいグランプリカーを出展した。戦前のFWDレーシングカーである。

ALVIS FWD Straight Eight Grandprix Car

戦前の前輪駆動レーシングカー

現在は1929年式の8気筒FWDスポーツカーからパーツを流用するなどして、往時の姿を取り戻すべくプロジェクトが進行中だという。

千葉・幕張で開催中の「オートモビルカウンシル2023」に出展したアルヴィスが展示していた中に非常に珍しい車両があった。なんと1927年式の「アルヴィスFWD」レーシングカーである。

1927年の英国グランプリ(世界マニュファクチャラー選手権)に参戦するべく設計されたマシンは、名前どおり前輪駆動レーシングカーである。関係者によると、結局完成が遅れて英国グランプリ参戦は叶わなかったものの、翌々週のブルックランズで開催されたJCC200マイルレースに2台が参戦し、予選でフロントロウに並んだという。そのレースの結果は不明だが、それ以降、参戦することはなかったので96年ぶりに公の場に現れることなったという。

展示車はそのレースで予選2位となった個体で、好事家などの所有を経て、2006年にアルヴィス社のアラン・ストート会長と、アルヴィスFWDの第一人者のトニー・コックス氏が共同で譲り受けたという。好事家の手で一時リヤエンジンレーシングカーへの改造も模索されたが、2人は可能な限り当時のグランプリカーに近づけるプロジェクトを発足したという。

往時の姿を取り戻すべく

現在は失われたパーツや切断されたシャシーの修復、1929年式の8気筒FWDスポーツカーからパーツを流用するなどして、往時の姿を取り戻すべくプロジェクトが進行中だという。

現在開催中のオートモビルカウンシル2023は、この世にも珍しい戦前のグランプリカーを肉眼で見ることができるチャンスだ。

SPECIFICATIONS

アルヴィスFWDストレート エイト グランプリ カー

ボディサイズ:全長4370 全幅1550 全高910mm
ホイールベース:2435mm
エンジン:直列8気筒DOHCルーツ式スーパーチャージャー
排気量:1479cc
最高出力:125bhp
トランスミッション:4速MT
駆動方式:FWD
最高速度:約200km/h
サスペンション形式:前 横置きリーフスプリング 後 縦置きリーフスプリング
ブレーキ:前後ドラム式

アルヴィス・カー・カンパニー、日本に輸出される「グラバー スーパークーペ」をラインオフ

半世紀を経て復刻した「アルヴィス グラバー スーパークーペ」、日本向け車両をラインオフ 【動画】

アルヴィス・カー・カンパニー(Alvis Car Company)にとって重要な節目のモデルとなる、コンティニュエーションシリーズ「グラバー スーパークーペ」がラインオフした。この車両はアジアの総代理店である「アルビス・ジャパン(明治産業)」を経由して年内に日本へとデリバリーされる予定だ。

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