目次
FIA Formula E
引き続き優勢と思われたジャガー勢だったが…
前日に行われた第13戦では、「ジャガーTCSレーシング」のミッチ・エバンスが優勝。「エンビジョン・レーシング」のニック・キャシディが2位でゴールし、「Jaguar I-Type 6」パワートレインが1-2フィニッシュを達成した。「ポルシェ 99X エレクトリック」パワートレインを搭載するアンドレッティのマシンをドライブするデニスは4位に終わり、シリーズチャンピオン争いでもキャシディに逆転された。
翌日に行われた第14戦も、エネルギー効率に優れるジャガー勢が有利だと思われた。ポールポジションはデニスに奪われたが、キャシディが2番グリッド、エバンスは4番グリッドを獲得。決勝レースでは、この3人によるシリーズチャンピオンをかけた戦いに期待が高まった。
エバンスがキャシディに追突する波乱
しかしながら、その期待は序盤に打ち砕かれる。デニス、キャシディ、エバンスの順で接触すれすれのトップ争いが演じられていた2周目。直角に曲がるターン7のハードブレーキングでエバンスが減速しきれず、ハーフスピンしながらキャシディのマシンに乗り上げる形で追突。
一瞬だが宙を舞う形になったジャガーワークスのマシンは、ダメージが大きくリタイヤとなった。キャシディは何とか走行を続けたが、完走するのがやっと。シリーズランキング4位のパスカル・ウェーラインも、中段グループから抜け出せず苦戦のレースとなった。
初タイトルに一歩前進したデニス
プレッシャーのなくなったデニスはファステストラップ(FL)も記録しながら安定した走行を続け、24周のレースをトップでゴールした。ポールポジションの3点とFLの1点を加えて29ポイントを加算したデニスは、ドライバーズチャンピオン争いでもトップに返り咲いた。ノーポイントに終わったキャシディとの差は24ポイントと開き、初タイトルに向けて一歩リードした。
なお、2位にはノーマン・ナトが入り、「ニッサン・フォーミュラEチーム」が今季初の表彰台を獲得した。ジャガーワークスのサム・バードが3位でゴールし、チームチャンピオンシップに貴重な15点を追加した。
2週間後に決着がつく今季のチャンピオン争い
FEの今シーズンは残り2戦となった。ドライバーチャンピオンの可能性があるのはデニス、キャシディ、エバンスとウェーラインの4人。チームランキングは、エンビジョン、ポルシェ、ジャガー、アンドレッティと、ジャガーとポルシェのパワートレインがトップ4を分け合っている。
2週間後の7月29〜30日にロンドンで開催される第15戦と第16戦の結果で、今季のFE世界チャンピオンが決まる。