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Lancia Stratos
名手ムナーリの手で国際ラリー初勝利
今からちょうど50年前の1973年9月24日、ランチア ストラトスは、忘れがたい物語の第一章を記すことになった。ヨーロッパ・ラリー選手権(ERC)の一戦として開催されたツール・ド・フランス・オートモビルに、プロトタイプ仕様のストラトスで参戦したサンドロ・ムナーリが、ジャック・アルメラスのポルシェ 911 カレラに大差をつけて勝利を飾ったのだ。
その後、世界ラリー選手権(WRC)に投入されたストラトスは、1974年ラリーサンレモでデビューウイン。わずか4戦のみの参戦ながらも、この年、ランチアにWRCマニュファクチャラーズ選手権タイトルをもたらしている。そして、最強のストラトスを擁するランチアは、1975年、1976年とWRC3連覇を達成した。
1975年シーズンから、ストラトスはアリタリア航空のホワイトとグリーンを基調としたリバリーを採用。このトリコロールカラーは、WRC史上最も美しいカラーリングとして、今でもラリーファンから高い人気を誇っている。
アングレームに貴重なストラトスが集結
ツール・ド・フランス・オートモビルでの記念すべき勝利から50年が経過したことを受けて、フランス南西部アングレームのサーキット・デ・ランパール(Circuit des Remparts)において、2023年9月15~17日にかけてアニバーサリーイベントが開催された。
今回、クラシックモデルの展示、ヒストリックラリー、ゲストによるトークショーなどを実施。イベントにはランチア ストラトスでWRC4勝、ヨーロッパ選手権を2度制覇したベルナール・ダルニッシュをはじめ、多くのゲストが登場している。ランチアのルカ・ナポリターノCEOは、ストラトスの国際ラリー初勝利50周年を受けて、次のようにコメントした。
「ランチア ストラトスの初勝利から、今年で50周年を迎えました。ストラトスは史上最も成功したラリーカーとして、ラリー 037やデルタとともに、ラリー界の伝説となっています。そして、ストラトスはランチアの歴史のにおいて最も象徴的な1台でもあります。当時としても非常に斬新なフォルムは、将来のモデルをデザインする際の指針となるような、本質的なデザイン要素が存在しています」
電動ブランドとして復活を果たそうとしているランチアは、将来投入されるBEVのデザインベースとなる、ストラトスを含む9台のヒストリックカーをピックアップ。パフォーマンスから導き出されれた、ストラトスの幾何学的なフォルムは、フル電動コンセプトカー「Pu+Ra HPE」にも採り入れられている。