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Alpine A424
参戦に向けて順調にプログラムを遂行
2023年シーズンのWECにアルピーヌは、LMP2プロトタイプマシン「A470」で参戦。2024年には、いよいよ最新のLMDh規定マシン「A424」で再びトップカテゴリーに復帰する。アルピーヌ・エンデュランス・チームは、2024年のハイパーカー・プログラムに向けた今年最後のテストセッションを、ポルトガルのアウトードロモ・インテルナシオナル・ド・アルガルヴェ(ポルティマオ・サーキット)で実施した。
このテストには2台のアルピーヌ A424と、最近発表された6名のファクトリードライバーが集合。35号車をドライブするマシュー・バキシビエール、ミック・シューマッハ、シャルル・ミレッシ、36号車のニコラ・ラピエール、フェルディナント・ハプスブルク、 ポール=ルー・シャタンが、それぞれアルピーヌ A424のステアリングを握っている。
A424は、11月にアメリカで風洞テストを行った後、スイスでホモロゲーション取得に向けた作業が進められた。現在、2024年シーズン開幕戦に向けてホモロゲーション取得作業が、フランス・ヴァレリーのFIA施設において行われている。アルピーヌ・モータースポーツの代表を務めるブルーノ・ファミンは、参戦に向けた現在の状況を次のように説明する。
「チーム全体は、この開発期間を通して膨大な量の仕事をこなしてきました。4ヵ月前に初めてル・カステレ・サーキットに乗り込んで以来、我々は長い道のりを歩んできたのです」
「2台のハイパーカーはテストプログラムに大きな支障をきたすことなく走行しましたが、まだやるべきことは山積しています。開幕戦カタールに向けて可能な限りの準備ができるよう、プログラムに携わる全員がベストを尽くしているところです。私たちは謙虚さをもって、レースに臨むつもりです」
2台合計3000km以上のマイレージ
ポルティマオ・サーキットでのテストセッションは、合計2日間、開発に重点を置いた走行を実施。2台合計で約3000km強のマイレージを重ねている(35号車が1443km、36号車が1562km)。長時間の走行にも関わらず、作業スケジュールを遅らせる技術的な問題は発生しなかったという。
2日間のテストは、各ドライバーがショートランとロングランを交互に繰り返しながら、ホモロゲーションされた空力パッケージを開発。マシンとエンジンのセットアップだけでなく、様々なシステムの相互作用、エネルギーと燃料のマネージメントの改善も実施されている。
2024年シーズンのWECに参加する6人全員が初参加したことで、技術陣はコクピットの調整、給油プロセス、ドライバー交代、ピットレーン、ガレージの手順についての作業も行うことができたという。また、パートナーであるミシュランが提案したタイヤコンパウンドの評価テストも行われた
アルピーヌ・エンデュランスチームのフィリップ・シノー代表は、ポルトガルでのテストを終えて次のようにコメントした。
「ポルティマオでのテストセッションは、我々の開発プログラムにとって重要なステップとなりました。2024年のドライバー陣が初めて一堂に会したことは、本当に大きかったです。彼らの行動と適応性については疑いを持っていませんでしたが、我々の選択が正しかったことが確認できました」
「ドライバーたちはすぐにチームへと溶け込み、このプロジェクトをとても大切にしていることが感じられました。とはいえ、開発は完了にはほど遠い状況です。シーズン開幕までには、まだ多くの時間を費やさなければならないでしょう」