目次
Audi RS Q e-tron E2
電動パワートレイン車両でのダカール制覇
電気モーター、高電圧バッテリー、再生エネルギーで作動するエネルギーコンバーターを搭載した低排出ガス・プロトタイプ「アウディRS Q e-tron E2」が、世界で最も過酷なラリーレイドで初優勝を達成した。
元WRCチャンピオンのカルロス・サインツSr.とコ・ドライバーのルーカス・クルスは、サウジアラビアで開催された12ステージ約7900kmをトップで走破。オーバードライブ・トヨタのギヨーム・ド・メビウスに1時間20分25秒差をつけて、4輪部門総合優勝を飾っている。
サインツSr.は第6ステージで首位に立つと、ステージ優勝こそなかったものの、順調にリードを確保。ラリー後半はプロドライブ ハンターT1+をドライブするセバスチャン・ローブが追い上げを見せるが、第11ステージでマシンに大きなダメージを負って脱落。サインツは2番手以下に大差をつけて、2020年以来となるダカール優勝を決めた。
アウディ・モータースポーツの代表を務めるロルフ・ミヒェルは、アウディのダカール初制覇に喜びを隠さない。
「この喜びを言葉にするのは、簡単ではありません。アウディは、モータースポーツの歴史に名を刻むことができました。この事実を実感するまでには、あと数日かかりそうです。ダカール・ラリーは運にも左右されます。昨年は、ちょっとしたラッキーが足りませんでしたが、挫折があっても私たちは決して諦めなかったのです」
「チームを信頼すれば、不可能に思えることでも達成できます。私たちは長く懸命な努力でこの難局を乗り越えることができました。勝利を持ち帰ったカルロスとルーカスは、特別な存在です。カルロスはトップドライバーであるだけでなく、人を思いやり、あらゆる細部にまで没頭し、決して自分に満足しない大きな心を持った伝説のドライバーなのです。あらためて、チーム全員に心から感謝します」
祝福に駆けつけた息子のサインツJr.
フィニッシュポイントには、息子でF1ドライバーのカルロス・サインツJr.も駆けつけ、親子で喜びを分かち合った。タフなラリーを走り切ったサインツSr.は、次のように喜びを語っている。
「アウディ、多くのアウディ・ファン、そしてチームのみんなのために勝てたことがすごく嬉しいです。この勝利は私にとって大きな意味があります。フォルクスワーゲン、プジョー、MINI、そして、アウディという4つ目のマニュファクチャラーでの勝利になりました」
「アウディは電動パワートレインという特別なコンセプトでマシンを開発し、ダカールラリーでその力を発揮させました。このようなリスクを冒す勇気あったのは、アウディだけだったのです。今回、歴史を作れたことをうれしく思います。しかも、私が経験した中で最もタフなラリーのひとつで達成することができました。これは偉大な勝利です」