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純正サスペンションは、特殊な車種を除いて”無難”なセッティングとなっているのはご存じのとおり。愛車をよりスポーティに、または、より快適にしたいクルマ好きはサスペンションをチューンするわけだ。
“サスチューン”で悩ましいのはそのセッティング。旋回性能を重視すれば乗り心地は硬くなる傾向にあり、逆に快適性を重視すると走りを犠牲にする傾向になりがち。
減衰力調整式ショックアブソーバーは調整次第で、旋回性能と快適性を状況によって変えることができるが、その調整は基本的に手動で行うためにかなり面倒でもあった。
Gや車速に追加して採り入れられる「ジャーク制御」という新境地
そんな悩みに答えを出してくれたのがTEIN(テイン)の電動減衰力コントローラー『EDFC』だ。
減衰力調整式ショックアブソーバーの段数設定を車内から調整できるようにした『EDFC』は2002年に登場し、気軽に減衰力調整ができる画期的なチューニングパーツとしてヒット。それ以来、時代とともに進化し、2014年に登場した第4世代の『EDFCアクティブプロ』は、加減速G、旋回G、車速感応の3つの減衰力自動調整機能を搭載したハイスペックモデルになる。
そして第4世代からさらに細部を煮詰め、さらに新たな制御を追加したのが新登場の第5世代となる『EDFC5』だ。
最大の特徴は、ジャーク(JERK=躍度)感応自動調整モードを追加した点にある。躍度とは、加減度の変化量のこと。躍度の変化量に応じて減衰力を制御することで、過渡期における旋回荷重のオーバーシュートを抑制し、収束を早めることで、旋回性能の向上と乗り心地の両立を実現している。
走りの性能を高めつつ、快適な乗り心地をも高次元で両立!
学習機能=AIを搭載することで、ユーザーのドライビング状況を学習し最適な調整を自動で行うことができる点も特徴だ。
今までなかった画期的な製品が開発できたのは、テインが長年培ったモータースポーツでの膨大なデータと、芝浦工業大学システム理工学部の渡邊 大教授の研究との産学連携によるもの。
『EDFC5』は、各種の動作モードを好みで簡単に切り替えられる。実際に試乗してみたところ、ジャーク感応自動制御モードが優れた旋回性能と快適な乗り心地を高次元で両立させることができるのを実感した。
従来からの『EDFC』ファンはもちろん、サスチューンに興味を持っている人にもチェックしてもらいたい画期的なアイテムといえそうだ。