ホンダから自転車を電動アシスト化・コネクテッド化するサービス「SmaChari(スマチャリ)」が登場! 

ホンダはこのほど、自転車に取り付ける電動アシストユニットとそれに連動するスマートフォンアプリにより、さまざまな自転車を電動アシスト化・コネクテッド化できるサービス「SmaChari(スマチャリ)」を発表した。なお、SmaChari搭載第一号となる自転車は、株式会社ワイ・インターナショナルから9月に発売される予定だ。

個々の取り付け車両のタイプに合わせて法規に準拠するアシスト出力を算出、適用させる出力制御技術により、さまざまなタイプの自転車を電動アシスト化・コネクテッド化することが可能

SmaChariは、スマートフォンアプリと自転車に取り付ける電動アシストユニットで構成され、日本初(※)となる、個々の取り付け車両のタイプに合わせて法規に準拠するアシスト出力を算出、適用させる出力制御技術により、さまざまなタイプの自転車を電動アシスト化・コネクテッド化することが可能だ。
※2023年3月現在、ホンダ調べ

また、スマートフォンアプリを通じて、電動アシストシステムの起動や個人に合わせたアシスト出力の最適化、速度など走行状態やバッテリー残量の表示、故障の検知、走行データ管理、位置情報の共有、所有者情報の管理など、コネクテッド機能を活用したさまざまな機能・情報が利用できる。

ホンダは、SmaChariのスマートフォンアプリをお客様に提供するとともに、SmaChariを搭載した自転車を製造・販売する企業に対して、電動アシストユニットの制御ソフトウェアに関する技術をはじめとする各種ライセンス、ならびにSmaChariを運用・管理するコネクテッドプラットフォームを有償で提供する。SmaChariの主な特長は以下のとおり。なお、SmaChariは東京・青山のHondaウエルカムプラザ青山(※)のほか、4月15日(土)〜16日(日)に東京ビッグサイトで開催される「CYCLE MODE TOKYO 2023」にて展示される予定だ。
※3月29日(水)〜31日(金)、4月3日(月)〜9日(日)に展示

■さまざまな既製の自転車の電動アシスト化、コネクテッド化が可能
●日本初(2023年3月現在、ホンダ調べ)となる、個々の取り付け車両のタイプに合わせて法規に準拠するアシスト出力を算出、適用させる出力制御技術により、電動アシスト機能を搭載していないさまざまなタイプの既製の自転車を電動アシスト化・コネクテッド化し、型式認定取得にも対応することが可能
●電動アシスト機能の制御にアプリ・コネクテッド機能を活用するとともに、電動アシストユニットには市場に流通する既製の部品を活用することで、製造・販売企業は、お客様のニーズに応じたさまざまなタイプの電動アシスト自転車を提供することが可能

■快適な移動をサポート
●さまざまなセンシングデータから乗り手の意思、走行状況を判断し、モーター出力を制御する機能や、きめ細やかなアシスト出力の調整機能を搭載

■安心感の向上
●乗り手がペダルに足を置いた際などに、システムがアシスト出力を制御してユーザーの予期しない急発進を抑制する機能を搭載
●システムが電動アシスト機能の故障やエラーを検知してユーザーに通知
●販売店は、システム上で車両組立・修理時の履歴などの車両データを管理でき、来店したユーザーに対して、車両データをもとに定期点検などの提案をすることも可能
●ホンダ四輪車から集まる走行データ、ならびにSmaChariユーザーから収集・蓄積された走行データに基づき、急ブレーキの多い地点などで注意を喚起

■セキュリティの向上
●スマートフォンアプリ、オンラインアカウントを活用して自転車の所有者情報を管理
●所有者情報に基づき、NFCタグを利用することで、スマートフォンをシステム起動のワンタッチキーとして使用。また、アプリでの簡単操作によりスマートフォン上でキーの貸し借りも可能
●車両を手放す際には、車両譲渡の登録にも対応するため、安心して利用可能

■利便性の向上
●スマートフォンアプリ上でマップ、速度、走行距離、アシスト出力、バッテリー残量、消費カロリーなどを表示するとともに、走行データとして記録・管理する走行ログ機能を搭載
●仲間同士での走行時や、外出したお子様の見守りなどに活用可能なSmaChariユーザー間での位置共有機能を搭載
●スマートフォンアプリを介した将来的な機能追加にも対応可能

【SmaChari開発の背景】
  全国の高校約5000校のうち、通学路に高低差50m以上の坂がある高校は約45%に達する。SmaChari開発チームが自転車で通学する全国の高校生2708人に聞き取り調査を行ったところ、48%にあたる1278人が自転車通学に体力的負担を感じており「電動アシスト自転車が欲しい」と回答。一方で「電動アシスト自転車の機種が限られている」「電動アシスト自転車は欲しいが盗難が怖くて購入に踏み切れない」などの意見も多く見受けられた。
 
 また、国交省のデータ(※)によると、人口10万人当たりの自転車乗車時の交通事故死傷者数は、全年齢の平均に対して高校生(16~18歳)は約5倍と非常に高く、そのうち半数を通学中の事故が占めている。さらに、自転車は販売後に定期メンテナンスなどの義務付けがなく、整備不良や故障に気づきにくい状況にある。
 ※参照元:国交省ホームページ「自転車利用環境の整備」内、令和元年 年齢層別人口10万人当たり交通事故死傷者数データ

 こうした高校生の通学課題を解決し、より快適な通学環境と移動の喜びを提供することを目指し、SmaChariのシステムが考案された。
 
 SmaChariは、ホンダの従業員を対象とした新事業創出プログラム「IGNITION(イグニッション)」から生まれたもの。IGNITIONは、ホンダ従業員の持つ独創的な技術・アイデア・デザインを形にし、社会課題の解決と新しい価値の創造につなげる新事業創出プログラム。SmaChariは、IGNITIONとして初の社内事業化のケースである。

SmaChari搭載自転車「RAIL ACTIVE-e」

●価格:22万円(消費税込み)●発売時期:2023年9月(予定)●受注開始時期:2023年5月(予定)●販売:株式会社ワイ・インターナショナルが展開する、スポーツ自転車専門店「ワイズロード」ならびに「ワイズロードオンライン

■ホンダ公式ウェブサイト Honda Stories – 開発者インタビュー
「自転車を電動アシスト化・コネクテッド化 現代版“バタバタ”『SmaChari』とは」https://www.honda.co.jp/stories/065/

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