アウトドア用ピザオーブンが欲しかった! 35年前のジムニーでアウトドア

35年前のスズキ・ジムニー(JA71C)でアウトドアへ。ステンレス製ピザオーブンでグラタンとラザニア

本体とピザストーン、ピザペール。
そんなにピザオーブンが欲しかった訳ではないのだ。ところがこのピザオーブンの形を見た瞬間、どうしても手に入れたいと思ってしまったのである。入手してからその理由がわかった。僕自身のコンプレックス。我がスズキ・ジムニー、初期型のJA71Cにはインタークーラーがない。それにともない、ボンネット上のエアスクープもない。そのエアスクープの形がこのピザオーブンとよく似ているのだ。
TEXT & PHOTO◎伊倉道男(IKURA Michio)

ステンレス製ピザオーブンが欲しくなった理由

左が我が愛車JA71C型。ボンネットにエアインテークがない……。

JA71C(我が愛車は1986年式)はパワーとかトルクが不足していると言われるが、僕自身は特に感じてはいない。だが「ないなぁ」と思うことはある。デザイン的には、別になくてもシンプルで良いのだけれど。誰もが何となく「ターボと言えばエアースクープがあるぜ!」と感じてはしまうのだけれど。

インタークーラー付きジムニーのエア・インテーク・スクーブ。
初期型のジムニー(JA71C)にはインタークーラーがない。当然ながらエアスクープもない。シンプルで良いのだが。同じような形のピザオーブンをエアスクーブの位置に置いてみた。

さて、このピザオーブンはステンレス製。オーブンとしてはかなり薄い。そう言えば初めて手に入れたコンピューター、マッキントッシュの「Power Macintosh 6100」も薄いデザイン、その形がピザのケータリングの箱に似ているのでピザボックスと言われていたっけ!

本体とピザストーン、ピザペール。
本体には底はない。取っ手の付いているドア部、反対側はきちっとしているのに手前側が歪んで隙間がある。新品なのに。フレームが変形しているので、目視しながら修正。

セット内容は本体、ピザペールとピザストーン。本体に底はない。スモーカーでも底がないタイプがかなりあるので、ないほうが良いのかとも思ってしまう。底があると薄いので手が入りづらい。掃除をする時は底はない方が楽である。

楕円に縁取られた温度計。クラシカルで良いデザイン。

実際に使ってみると、中央にはピザストーン、その左右に隙間が設けてあり、そこから熱気が中に入る構造。食材を下からはピザストーンが加熱し、上は熱気が反射されて焦げ目を付ける、本格的なピザ釜と似た構造である。

上部にある温度計は楕円形状。これもクラシカルな旧車のメーター周りの様で雰囲気がとても良い。温度が上がって行くのを見ているのも、それはとても良い時間だ。

ガスのツーバーナーで使うつもりだったが、説明書を読むと炭のBBQコンロ用とのこと。急遽近くのホームセンターで購入する。自社製品のBBQコンロのオプション品のようだ。他社製品のBBQコンロを使う場合にはサイズを合わせるための「スライド式網ストッパー金具」が2種類用意されている。
ホームセンターで購入した炭を使うBBQコンロ。薄く畳める。
脚はクロスさせる。説明書をよく読もう。
またしても説明書を読まずに組む。脚をクロスさせないで展開すると、このように立たせられない。注意。
ロストルの位置は上下できない。火力調整は炭の量、炭の位置での調整となる。

実はこのピザオーブンをガスのツーバーナーで「楽」して使おうと思っていた。ところが入手後、これは同メーカーの炭を使うBBQコンロのオプション品であったようだ。「あまり本来の使い方と違うことはすべきでない」そんな意見もあるので、急遽近くのホームセンターへ行く。なるべくお安く、携帯に便利そうな物を選び、木炭も購入。組んでみると、この組み合わせはコンパクトでぴったりサイズ。なかなかスタイリッシュなオーブンセットとなる。

炭を使うことは滅多にない。正直苦手である。着火剤で簡単に済ます。
なんとか着火に成功。次は薪を先に使い炭を起すことにする。

折りたたみ式の薄く収納できるBBQコンロ、このタイプは各メーカーから多くの製品が発売されている。折り畳むと1980年頃かな、多くの大学生が使っていたブックバンド。教科書をベルトで十字に留めるだけ。当然書籍はすべて見える。ちょっとそんなイメージもちょいとあるんだな。

一流大学の学生は校章が見えるようにしていた気がする。あれ、モテたのだろうね。だが、僕は一流ではないのでひたすら隠したけれど。でも、あのブックバンド、究極の軽いカバンであることは間違いない。

炭を左右に分けてピザオーブンを載せてる。網を使うと網が変形するとの注意書きがあるのだが、網の変形よりもピザオーブンの安定性を優先する。別売でアジャスターも販売されている。

まず焼いてみたのは、グラタンとラザニア

さて、「ピザを焼くの?」「焼きません」。

ピザ用のオーブンではあるが、今回はグラタンとラザニア、ブランチ用にはフランスパンを使いチーズガーリックトースト。付属のレシピ記載以外にパン粉をプラス。カリッとした表面にする。

食べたい物はグラタンとラザニア。どちらもレストラン等でオーダーすると時間が掛かる。30分待たされることもある。つまり手間が掛かるのだ。でも、初めて食べたグラタンは感動もの。そこで手間は日本の高度な食品メーカーの「技と知恵」に助けてもらう。簡単できるセットが各食品メーカーから何種類も発売されている。マカロニもラザニアも別茹でする必要もなし。

まずはグラタン。タマネギを薄切りに。
「マ・マー マカロニたっぷりグラタンセット」を使う。背わたを取った海老とタマネギをオリーブオイルで炒める。
マカロニ、牛乳、水、ミックスを加えてよく混ぜる。ここで焦がしてはだいなしになる。
グラタン皿にバターを塗っておく。
出来上がったらグラタン皿へ。少し焦がしてしまう。残念。
チーズ、バターを載せ、最後にパン粉を振っておく。
オーブンの温度計が200℃。このピザオーブンは内容積が少ないので、温度が早く上昇する。半面、温度管理はこまめにする必要がありそうだ。
ふたつ、楕円のグラタン皿を入れる。このオーブンにちょうど良いサイズだ。

最後にタマネギを丸ごとアルミホイルで包みオーブンに入れてみた。これも簡単で良い。じゃがいも、人参も良さそうだ。

焼き上がり。オーブン内の温度が350℃まで上がり、心配したが良い焦げ目ができた。

え?ピザ?はやらないの?これピザオーブンなんだから、ピザは上手に焼けるでしょ。ピザは秋の深まった空気がキュンと冷えた頃に。程よい焦げ目を付けてね。具はなにを載せようか?サーモン、舞茸、牡蠣あたりかな。そうそう、数種類のシュレッドチーズをたっぷり載せて。

次はラザニア。こちらは「オーマイ ラザニエッテ」を使う。箱も豪華。ひき肉を炒め、火が通ったら水を加える。
ラザニアを入れ、柔らかくなるまで火を入れる。
ペースソースを入れ、温まるまで加熱する。あとはオーブンで焼くだけだ。
出来上がり。タバスコはイタリアの調味料ではないけれど、日本人には馴染みが深い。
オーブンでチーズトースト。フランスパンを切り、グラタンを焼いている時に隙間に入れておいても良い。
少し焦がしてしまった。チタンの皿に入れて焼いてみたのだが、遠赤外線効果で周りが焦げたのだろう。
それではまた。See You!

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著者プロフィール

伊倉 道男 近影

伊倉 道男

フォトグラファー。国学院大学法学部法律学科卒。アパレル会社にて総務人事、営業を経験。その後、但馬 治…