日産のフラッグシップは先進技術満載「日産アリア」【最新国産&輸入SUV 車種別解説 NISSAN ARIYA】

注目を集めた20年のデビュー時点で日産の技術の枠を集めた「日産アリア」。ドライバーをサポートする技術は惜しげもなく盛り込まれており、クルマの中で誰もが快適に過ごすための配慮が行き届いている。車内は常に最新情報が更新され、AmazonのAlexa Autoの搭載で家庭内の環境をコントロールすることも可能。エクステリアや性能は未来的な象徴でありながら、インテリアは日本の伝統美を意識した温かい上質な空間が用意されている。
REPORT:竹岡 圭(本文)/小林秀雄(写真解説) PHOTO:中野幸次 MODEL:菅原樹里亜

未来感漂う音声認識機能搭載 車内は日本の伝統美を具現化

日産EVのフラッグシップモデルであると同時に、日産のすべてのカーラインナップの中でもフラッグシップモデルと位置づけられているのがアリアだ。

エクステリア

個性的なデザインの19 インチアルミホイールを標準装備。プロパイロット2.0装着車は準天頂衛星みちびきの信号を受信するためダブルシ
ャークフィンアンテナが装備される。最小回転半径は5.4m。

従って、先進運転支援システム「プロパイロット2.0」や「プロパイロットリモートパーキング」「E-Pedal」など、ドライバーをサポートする技術が惜しげなく盛り込まれているのはもちろん、セーフティ・シールド技術が数多く搭載されていたりと、日産が現在もっている新しいモノは、すべて詰め込まれたといった感じである。

また、クルマの中で快適に過ごすためのコントロール、例えばエアコンやシートヒーター等の制御は、これまでも音声コントロールで行なえる車種があったが、決まったコマンドではなく、自然な話し言葉でクルマの設定を好みに合わせて変えることができるようになったのも新しいポイント。さらに、それらのソフトウェアが無線でアップデートできるため、常に最新の状態を保つことができるのもありがたい。

乗降性

それに加えてAmazonのAlexa Autoが搭載されたのもニュースである。Alexaはインターネット上にある情報を検索して読み上げるソフトなので、運転中にさまざまな情報が得られるのはもちろん、家庭のAlexaと連携させることで、車内からリビングのエアコンを操作したり、ルンバにお掃除指令を出すなんてこともできるようになった。これらは別段EVでなくてもできることではあるが、未来的な新しさが一挙にやってきた感じがするから不思議だ。

12.3インチの大型ディスプレイを2枚並べた統合型インターフェースを採用。EV専用NissanConnectナビゲーションも標準装備されている。木目調パネルにエアコン操作用のタッチセンサーが浮かび上がるハプティクススイッチ、前後に移動できる電動センターコンソールなど、先進感の演出も盛りだくさん。

さて、アリアの真骨頂は、66kWhと91kWhという、バッテリーの容量違いとFF/4WDが用意されているため、コスパを考慮しつつ、ライフスタイルによってチョイスできることのように思う。91kWhのFFモデルでは、一充電での最大航続距離が610㎞と、Dセグメントのガソリン車と同等の感覚で使えるし、66kWhの方は価格的にももう少し気軽に選びやすい。

居住性

そして4WDモデルは四輪制御技術「e-4ORCE」を搭載、路面を選ばず安心して力強い走りを楽しむことができる。モーターと内燃機を比べると、モーターの方がさまざまな制御が5倍ほど素早くできるとよく言われるが、ラインナップの中でいちばんパワフルなことに加え、前後ふたつのモーターを緻密に制御することで、意のままの走りとスポーツカーに匹敵する加速性能を実現している。

ドライバーの操り方によって、静粛性の高い空間をジェントルに楽しむこともできるし、スポーツカーのように鋭く走ることもできるといった、二面性をもっているので、まさにひと粒で二度美味しいフラッグシップモデルというところだろう。

うれしい装備

オプションのプロパイロットリモートパーキングは、リモコンキーでクルマの遠隔操作が可能。駐車したクルマを前に出したり、駐車する際に後退させたりして、狭いスペースでの乗り降りをサポート。
月間販売台数              168台(22年9月〜23年2月平均値)
現行型発表               20年7月
一充電走行距離 ※WLTCモード   470km 

ラゲッジルーム

またそれに相応しく、インテリアの質感も高い。切子のような繊細な模様や、障子のような柔らかい光の演出など、和のテイストをたくさん取り入れて、温かみのある上品な空間に仕上げられており、ショーファーカーのような使い方でも活躍してくれそうだ。ただ現状では66kWhのFFのみでしかも注文停止中。早期の再開と91kWh、4WDモデルの販売開始を待ちたい。

※本稿は、モーターファン別冊 ニューモデル速報 統括シリーズ Vol.149「2023-2024 国産&輸入SUVのすべて」の再構成です。

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