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■SUVにあらず!! 新スタイリングのセンチュリー、そのコンセプトは“The Chauffeur(ショーファー)”
2023年9月6日、噂されていたトヨタの新型車がある種の衝撃とともにベールを脱いだ。その名もセンチュリー。「おや?」と思われた方もいるだろう。名前は誰もが知っているトヨタ車最高峰のショーファー・ドリブンカー(お抱え運転手が運転する高級車)そのままだが、ご覧の通りその新スタイリング・モデルである。巷で噂されていたSUV版というわけではなかった。
この新たなスタイリングのセンチュリーの登場は実は本年6月、新型アルファード/ヴェルファイアの発表会ですでに予告されていた。
今回同様、この時もプレゼンテーションを担当されたトヨタ自動車株式会社 取締役・執行役員 デザイン領域統括部長のサイモン・ハンフリーズ氏は、アルファード/ヴェルファイアを新たなショーファー・ドリブンカーに位置付けるとともに、最後に「ストーリーは、まだまだ続きがあります」と続けた。
「究極のショーファーカーであるセンチュリー。そのセンチュリーさえも、大胆に変えようと、すでに動いているのです」
その「大胆に変えた」姿こそがこの新スタイリング・モデルだったのだ。それでは早速、その概要を見ていこう。
今回の新スタイリングのセンチュリーはこれからの時代も期待にこたえ続けられる新しいショーファーカーを目指し、“The Chauffeur(ショーファー)”をコンセプトに掲げて開発された。センチュリーならではの“継承と伝統”を考え抜き、品格と快適性、機能性を兼ね備えたものとしているという。
■エクステリアは“威風凛然”
エクステリアは“威風凛然”(態度や雰囲気に威厳があり、凛々しいさま)をテーマに日本の美意識を随所にちりばめた品格のある佇まい。リヤに重心のあるショーファーカーならではのプロポーションと、よどみなく大らかなドア平面を、従来のセダン型センチュリーでおなじみの“几帳面”でくくった織機の“杼(ひ)”(シャトル。横糸とする糸を巻いた管を、舟形の胴部の空所に収めたもの。端から糸を引き出しながら縦糸の間を左右にくぐらせて使う)をモチーフとした造形を組み合わせ、時代に左右されない独自の世界観を表現したという。
無論、センチュリー・ファミリーに列するため、従来のセダン型同様、職人による精緻な彫刻が施された“鳳凰エンブレム”をはじめ、塗装面を徹底的に磨き上げてボディに圧倒的な光沢をもたらす“鏡面磨き”など、ものづくりを極めた“匠(たくみ)”の手による細部にわたる仕上げも抜かりはない。
■圧倒的な快適性を誇る室内空間
ショーファーカーのキモとも言うべき室内空間は、従来型と同様に「人中心」の思想で設計され、快適な移動時間を実現する。具体的には、リフレッシュ機能など後席のパッセンジャーが心からくつろげる機能を備えたフルリクライニング可能なリヤシートの採用や、最大75°まで開くリヤドアと掃き出しフロアで実現された優れた乗降性のほか、後席パッセンジャーの自然で美しい乗降所作をサポートする、乗降時に便利なオート電動格納式ステップやセンターピラーに取り付けられた握りやすい大型アシストグリップなどが装備されている。
運転席はプロドライバーをサポートする機能と装備が集約されて使い勝手が高められ、オーナー自身で運転する際にも、ドライブに集中できる環境が実現されている。
■期待を超える走りを実現するパワートレーン
パワートレーンや走行制御では、センチュリーにふさわしい静粛性と力強く爽快な走りを両立したV6 3.5ℓ プラグインハイブリッドシステムを新開発。日常はBEV、長距離の移動やいざという時にはHEVとして活躍する、ショーファーカーのニーズに最適なパワートレーンで、ショーファーカーとしてもドライバーズカーとしても、期待を超える走りを実現する。
また、四輪操舵システム“ダイナミックリヤステアリング”を設定。低速域では取り回しの良さ、中高速域ではシームレスかつ自然なハンドリング実現。さらにドライバーの運転操作をサポートし、後席パッセンジャーの快適な移動を実現する“REAR COMFORT”モードを初設定。後席パッセンジャーが気づかないぐらいスムーズな車線変更を実現するほか、停車時の揺り戻しを抑えるブレーキ制御を支援するという。
■ボディは新開発の“ラゲージルームセパレート構造”
ボディ構造や足まわりはセンチュリーにふさわしい乗り心地の実現を目指し、“ラゲージルームセパレート構造”を新開発。これはフロント各部の構造強化に加え、リヤサスペンション取り付け部に“ラゲージルームセパレーター骨格”を結合することで、ボディねじり剛性や乗り心地を大幅に向上させるというもの。ラゲージルームセパレーターの室内側には“遮音機能付クリア合わせガラス”が採用され、ショーファーカーにふさわしい、荷室とは切り離されたプライベート空間と圧倒的な静粛性を実現しているという。
尚、この新型はラインアップ追加のため、従来のセダン型センチュリーも継続販売される。本日(2023年9月6日)から注文受付が開始、2023年中の発売が予定されている。
■車両諸元
| センチュリー(新スタイリング) | センチュリー(セダン）【参考】 | |
| 全長 | 5205mm | 5335mm |
| 全幅 | 1990mm | 1930mm |
| 全高 | 1805mm | 1505mm |
| ホイールベース | 2950mm | 3090mm |
| 前後席間距離 | 1220mm | 1135mm |
| 車両重量 | 2570kg | 2370kg |
| 定員 | 4名 | 5名 |
■メーカー希望小売価格
| パワートレーン | トランスミッション | 駆動 | 価格(消費税込み) |
| シリーズパラレルプラグイン ハイブリッドシステム (2GR-FXS 3.5ℓ V型６気筒エンジン) | 電気式無段変速機 | E-Four Advanced | 25000000円 |
