残価設定ローンでBMW320d(F30型)に5年5万km。2回目の車検を前に買い換えか車検を通すか……

2018年型BMW320dスポーツ
2018年12月にF30前期型BMW320iセダンから後期型320dスポーツに乗り換えてもうすぐ丸5年。2回目の車検を前にすると、車検を通すか、買い換えるか? と考えてしまう。さて、どうしようか?

2018年12月に新車購入した2018年型F30後期型BMW320dスポーツは、大きなトラブルも事故もなく5年を経過しようとしている。5年で5万km走行した(正確には58ヵ月で)。

購入した時点ですでに現行G20型3シリーズはデビューしていたので、筆者のBMW320dスポーツは、その時点で「型落ち」だった。「F30型3シリーズで、セダンで、ディーゼルで本革シートではなくて、Mスポーツではないクルマ」の在庫を探してもらって手に入れたクルマだ。

とても気に入っていて、走りもデザインも使い勝手もまったく不満はない。タイヤは、オールシーズンタイヤを装着。

装着しているのは、「TOYO TIRES CELSIUS(セルシアス)」サイズは「215/55R17」だ。

とはいえ、5年経つと不満はなくても、「次のクルマ、買い換えるとしたら何かなぁ」と考えることがある。そんなとき、BMWファイナンシャルサービスから封書が届いた。開いてみると「BMWバリューローン満了後のご意向について」と書いてあった。つまり5年60回ローンが終わったあとどうするか決めて知らせてね、ということだ。

5年前、320iから320dへ乗り換える際に、月々の支払額を抑えるために「残価設定ローン」にしたのだ。5年後の残価は170万円……のはずだった。通知には、次の選択肢が書いてあった。

BMW ファイナンシャルサービスからお知らせがきた。

1:下取り精算によるお乗り換え
2:据え置き額の再ローン契約(BMWバリューローン・プラス)
 最終回お支払い付きの前月までにBMW正規ディーラーでのお手続き完了が必要です。
3:据置額の一括払い(口座引落)
4:売却によるご精算

3の最終回の支払い金額は「1,702,703円」となっている。なるほどこれが残価ね。驚いたのは、4に「鈴木慎一さまのご契約はオープンタイプの為、返却は対象外です」と書いてあったことだ。買い換えを妄想していたときに、「最後にクルマを返却しちゃえばいいのね」と思っていたので、ちょっと想定外だった。

BMWのローンプログラムには、「BMWバリューローン」と「BMWフューチャーバリューローン」があって、残価保証があるのは、後者だったのだ(そんなに最初からちゃんとわかっておけよ、と自責する)。

買い換えるとしたら……

いま買い換えるとしたら、有力候補が2モデルあった。
ボルボEX30(車両価格559万円)
マツダMX-30 RE-EV(車両価格478万5000円)

だ。前者は、ボルボのBEV専用プラットフォームによる第一弾。サイズとデザイン、後輪駆動であることが惹かれたポイント。後者は、いうまでもなく復活ロータリーエンジン!のパワートレーンに興味ありだ。

どちらも、補助金ありきでの候補ではあったのだが、自宅ガレージにはEV充電用のコンセントを設置してあるから、この際電動車へいくのもありか、と考えていた。

実際に、自分で支払額のシミュレーションをしてみたが、その前提はBMW320dスポーツを現金化(170万円以上で)すること。では、いったい5年落ち5万km走行の320dスポーツはいくらで買い取ってもらえるものなのか? とりあえず相場を知るためにインターネット上の車両買取サービス(複数の見積もりが一括でとれるというサイト)に必要事項を入力してみた。すると、そのあとは携帯電話が鳴りっぱなし! これでは仕事の連絡に差し障りが出ちゃう……というのと、急にいろんなことが面倒になってしまった。

そうだ、F30型320d、すごく気に入っているのだ

全長×全幅×全高:4645mm×1800mm×1440mm ホイールベース:2810mm 車両重量:1550kg

そこであらためて買い換える必要があるか、考えてみた。

F30型320dスポーツの欠点はなにか? ディーゼルの音、コネクティビティ性能が最新モデルからはだいぶ足りていない、AppleCarPlayも使えないし……。あらため考えても、ほかに不満は出てこない。

一方、F30型320dの気に入っているところはどこなのか?

・まずはサイズ。 全長×全幅×全高:4645mm×1800mm×1440mm ホイールベース:2810mm 車両重量1550kgは、いまやDセグセダンではコンパクトといってもいいサイズだ。もちろん前後重量配分は50:50だ。
・後輪駆動であること。そういえば、やっぱり後輪駆動が好きだったのだ。
・燃費がいいこと。5年間トータルの燃費は17.2km/L
・デザイン。登場(2012年)から10年以上経っていても、相変わらず優れたデザインだと思う。
・小回りが効くこと(最小回転半径5.4m)
・ZF8HP(傑作トランスミッションZF製8速AT)の存在
・長距離乗っても疲れない

筆者は2013年型のF30前期型320i SEから2018年型F30後期型320dスポーツに乗り換えているから、すでの10年間同じカタチのクルマに乗っている。だから、「手足感」が身に染みている。
・セダンであること

そうだった。SUVやワゴンではなく、4ドアセダンが好きなのだ。全高が高いクルマは苦手なのだ。

車検を通すとなると……

車検のご案内が届いた

あやうく勢いでクルマを買い換えるところだった(たいていの買い換えは勢いだと思いますが)。買い換えないとすると、選択肢は、据え置き額の再ローンか一括払いということになる。

そして車検だ。続けてきた『車検のご案内」には、車検に関わる費用が書かれていた。

入庫時に必要な書類と金額は次の通りだ。
車検証/自賠責保険証/印鑑/納税証明書(本年度のもの)
重量税(1.5t~2.0t):20,000円
自賠責保険(24ヵ月):17,650円
車検印紙代(指定工場):1,400円
車検代行手数料:17,600円
技術情報管理手数料:400円
ここまで合計57,050円。これ以外に
法定2年点検:36,300円
BMW推奨点検(法定点検付随):6,600円
測定検査料:33,000円
下回りスチーム洗浄料金:13,200円
整備料金:別途お見積もり
となっているから、ざっくり15万円は用意しなくていけない(ユーザー車検をするテもあるけれど)。つまり185万円が必要ということか。

6年目以降で交換が必要になりそうだったり、壊れそうな部品はあるかどうかも重要だ。

1年前の点検でブレーキパッド残はF8.8mm R8.5mm。このペースで行くとブレーキーパッド交換はフロントが走行距離9000km、リヤが80000kmだということだった。1万km/年ペースなら3年は交換しなくてよさそうだ。

高価なバッテリーは容量97%で良好な状態だった(2022年5月にバッテリーのマイナスケーブルのトラブルで無料交換してもらっているから)。1年前にスターターの不調があってスターターは交換してもらっている(無料)。

と考えると、不測の事態はなんとも言えないが、そんなに交換部品代に怯えずに320dスポーツとの生活を続けていけそうだ。

というわけで、買い換え計画は雲散霧消して、320dスポーツとの生活を継続することにした。街を歩いていると、綺麗なE90型(2005-2012年)やE46型(1998-2007年)の3シリーズをよく見かける。ああいうの、いいなぁとも思っていたから、我がF30型320dスポーツも10年10万kmを目指そうか。

買い換えを断念した理由は、もうひとつあった

MAZDA ICONIC SP ぜひ市販化してほしい! ジャパンモビリティショーでこのクルマを見た人で「貯金しよう!」と思った人は少なくないと思う。

買い換えを断念した理由は、もうひとつあった。

ジャパンモビリティショー2023のマツダブースにあった「MAZDA ICONIC SP」を見たからだ。2ローターロータリーを積んだコンパクトスポーツカー。このままのカタチで市販化はさらないだろうが、市販化されたら欲しい! 市販化は2年後か3年後かわからないし、おそらく安い価格でもないだろう。だとしたら、そのために貯金を始めよう、そう思ったのだ。

結論は、「据置額の一括払い」。2023年12月にローンを終えたら2024年1月からは、MAZDA ICONIC SP目指して貯金しなくては。欲しいクルマのために一所懸命働く。クルマの価値は、そういうところにもあるのだから。

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著者プロフィール

鈴木慎一 近影

鈴木慎一

Motor-Fan.jp 統括編集長神奈川県横須賀市出身 早稲田大学法学部卒業後、出版社に入社。…