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毎年12月、富士スピードウェイで開催される『ニスモフェスティバル』は、日産のその年を締めくくるビッグイベント。今年も好天に恵まれ多くの来場者が足を運んだ。
歴代名車やレーシングカーの展示はもちろん、オーナーによるパレードラン、エキシビジョンレース、グリッドウォーク、トークショーといったコンテンツだけでなく、レーシングカーコックピットライドやピットワークシミュレーション、サーキットサファリなどの体験型コンテンツも充実。
ピット内の車両展示エリアには歴代スカイラインが並ぶ
ピット内には日産の歴代名車やレーシングマシンが並ぶ恒例の展示では毎年いろいろなテーマが設定されるのだが、今年のテーマは「スカイライン」! 歴代のスカイラインがプリンス時代のS54から展示されており、歴代のGT-Rはもちろんだが、R33はオーテックの4ドアGT-R、R31はグループAホモロゲーションモデルのGTS-Rとマニアックなクルマが揃う。
レーシングスカイラインは展示だけでなく走りも披露!
市販車だけでなくレーシングスカイラインも展示されており、古くはポルシェ904と争いスカイラインの名を高めたS54BプリンススカイラインGTや49連勝の伝説を築いた初代「GT-R」のPGC10、排ガス規制に消えた悲運のGT-RであるKPGC110といった貴重なクラシックモデルが披露された。
排ガス規制で途絶えたレーシングスカイラインだが、1980年代に復活を果たす。その嚆矢となったのがド派手なエアロとバックファイアで人気を博したグループ5、通称「スーパーシルエット」だ。星野一義のシルビア、柳田春人のブルーバードと並びサーキットを沸かせたのが長谷見昌弘のスカイラインだった。
より市販車に近いグループAのツーリングカーでは、先をゆく外国車勢に一矢報い全日本タイトルを獲得したR31スカイラインGTS-R、そしてついに復活を果たした「GT-R」であり、デビュー戦からカテゴリー消滅まで全29戦全勝を誇ったR32を展示。R31は長谷見昌弘とA.オロフソンのドライブで1989年のドライバーズタイトルを獲得したリーボックカラー。R32は星野一義と鈴木利男の1990年チャンピオンマシンであるカルソニックだった。
さらにGT-1レギュレーション時代のルマン24時間耐久レースに挑んだスカイラインGT-R LMや、JGTC〜スーパーGTの歴代GTマシン、スーパー耐久やFIA-GTなど様々なカテゴリーで活躍したレーシングスカイラインが多数展示されていた。
そして展示で終わらないのがニスモフェスティバルのスゴいところ。「日産モータースポーツヘリテイジラン」では「ヒストリー・オブ・スカイライン」と称して、これらのレーシングスカイラインが富士スピードウェイで走行を披露。歴代レーシングスカイラインの編隊走行はまさにファン垂涎、富士スピードウェイは大いに盛り上がった。
唯一残念だったのが、走行予定だったスカイライン2000GT-R(KPGC110)がトラブルにより走る姿を見ることができなかったことか。
出展社ブースもスカイライン推し?
パドックエリアにはパーツメーカーなどの出展ブースが多数軒を連ね、自慢のデモカーが並べられていた。ニスモフェスティバルということで、やはりスポーティなクルマが多かったのだが、特にこちらも歴代のスカイライン……特にR32以降の第二世代GT-Rと最新モデルであるR35がが多かったように感じられた。なかには映画『ワイルドスピード』のレプリカモデルの姿も。
加えて特設テントが設けられ、ニスモのコンセプトカーであるクラブマンレーススペック/CRSのBNR32、BCNR33、BNR34、NISSAN GT-R(R35)が搭載エンジンとともに展示された。
メインスタンド裏には歴代スカイラインのオーナー車がズラリ
メインスタンド裏、スタンドイベントエリアには「スカイラインオーナーズパーキング」が設けられ、歴代スカイラインのオーナー車がズラリと並んだ。年代、型式、グレード、オリジナル車からカスタムマシンまで、実にさまざまなスカイラインの姿はその歴史とオーナーの愛の深さを感じさせた。
また、このスタンドイベントエリアではNISMOロードカーの展示もあり、GT-R NISMOやスカイラインNISMOなどの最新モデルに触れたり、席に座ったりすることができた。グッズやパーツを販売する「ニスモパフォーマンスセンター」と合わせて長蛇の列ができるほどの賑わいを見せていた。