携行品から車両装備に駐車環境の備えまで
近年では、車両盗難の手口がより計画的に行われるようになっている。純正装備にも対策機構が盛り込まれるようになったとはいえ、テキもさるもの。それを前提にしたやり口を持って悪意が向けられるから始末が悪い。
そこはかとなく窺えるのは、職業的な窃盗集団の存在だ。その手口は冷静かつ計画的で、綿密なリスクコントロール下で行われる。これに立ち向かうには、こちらも逆を行けばいい。対策のレベルいかんを問わず、手間が掛かる厄介なタマほど、プロほどに敬遠しがちだからだ。掛ける手間に見合わないと判断されればこっちのもの。要は、そう思わせればいいのだ。

視覚効果を高める上で、点滅アクションは効果が高い。ソーラー充電により配線不要のこのアイテムは、光センサーで暗さを感知すると自動で発光・点滅してくれる。光り方のパターン別に3製品があり、これは約10秒間隔で線上に点灯・残光消灯をくり返すモデルとなる。
そのためには、複数の対策を持った複合ディフェンスが何より効果的だ。ちょっとしたグッズでも、リモートキーの電波干渉を防ぐことができるし、対策を明示する強い意思表示も行える。また実車のみならず駐車環境でも、ヘタな動きがより目立つ照明装置や、物理的に移動を封じるロックゲートも強力な抑止力になる。

キー対策としては、電波干渉を遮断するこのアイテム。カーセキュリティシステムでおなじみのホーネットブランドとなるスマートキーケースは、電波を遮断する環境を作ることで、俗にいうリレーアタックを封じてくれる。

駐車場への備え付けの施策として極めて効果的なのが、リモコン式の駐車ゲートシステム。これはプライベート用ながら、アンカーボルトや金属固定用接着剤で舗装路面に直接固定する本格派。リモコンで開閉作動を操作でき、給電はソーラー式内蔵バッテリーで処理する。
たとえ車両内への侵入を許してしまっても、はなからそれを前提にした二重の策を講じておけば、先を封じる第二次関門にもなり得る。エンジン始動一つとっても、独自のアクセスコードを設けることもできるし、たとえ車両移動を許してしまっても、移動経路を探知できれば、車両追跡の次善策を採ることができる。

体系化された高額のセキュリティシステムまでは行かずとも、任意の設定で第三者によるエンジン始動を封じる機能品でスマートにディフェンス力を高められる。これは、自ら設定するパスコードを付与して、第三者によるエンジン始動を抑止する単一用途のセキュリティシステム。取り付けは車種別ハーネス(4400円)を利用する仕組みで小売りはなく、オートバックスでの先行発売となっている。

たとえいったんは盗まれてしまっても、車両位置を追跡できれば奪還の可能性は残る。なかでも注目は、常時電源とアクセサリー電源、そしてアース接続による車両取付を前提としたこのGPSトラッカー。運用には通信費として月額880円が必要ながら、スマホやパソコンによるWEBコンソール上で位置情報を表示できる。
丸っきりゼロにできる確証を得るのは難しいものの、たとえ悪意を向けられても、盗難を完遂させなければ最悪のケースは逃れられる。全て採り入れるのは難しくても、複数の対策を採ることで、車両盗難のリスクはグッと減ってくるはずだ。