ヤマハが創るのは、乗り物と感動!「YAMAHA e-RIDE BASE」もっと電動アシスト自転車に乗りたくなる新スポットだった!

横浜には電動アシスト自転車が似合う
ヤマハ発動機が電動アシスト体験ができる「YAMAHA e-RIDE BASE」をオープンしたというので早速訪問。横浜みなとみらい地区のその場所へ行ってみると、ヤマハのモビリティ体験だけでなく、なんと隣は広大なヤマハミュージック(ヤマハ株式会社)の楽器体験スポットだった。2つのヤマハを体験できる新スポットとは?

TEXT&PHOTO:小林 和久(KOBAYASHI Kazuhisa)

「ヤマハ」と「ヤマハ」が並ぶ体験スポットが横浜に誕生!

2024年の6月、横浜・みなとみらいに新しくに誕生した「YAMAHA e-RIDE BASE」は、誰でも無料で気軽にヤマハの「e-BIKE=スポーツ系電動アシスト自転車」を体験できるスポットとして話題になっている。電動アシスト自転車の試乗体験の他にも、ヤマハ発動機のことを見て、知って、体験できる様々なコンテンツが用意されているので紹介していこう。

写真の左側が「YAMAHA e-RIDE BASE」で、お隣はヤマハミュージックのサロン(写真右側)

「YAMAHA e-RIDE BASE」のエントランスに入ると、下から風と照明が当てられた旗がひらひらと舞うウェルカムエリアが迎えてくれる。

風と光をイメージしたインスタレーションが展示されているウェルカムエリア

「私達(ヤマハ発動機)の製品は、バイクでもボートでも電動アシスト自転車でも、自然の中で使うものが多いということで、ウェルカムエリアでは風と光を見えるようにしてみました」とYAMAHA e-RIDE BASEマネージャーの橋本耕さんは教えてくれた。

ヤマハ発動機 クリエイティブ本部 ブランドマーケティング部 ブランド発信グループ 横浜 Yamaha E-Ride Baseマネージャー 橋本耕さん

そのウェルカムエリアの左手には円筒形の部屋があり、中に入ると180度スクリーンの大型シアターになっている。ここでは自然を存分に感じるダイナミックな映像と迫力のサウンドで、ヤマハ発動機の製品で出会える世界やe-Bikeの魅力を紹介、ユーザーの冒険心を駆り立てる。そんな没入感のある映像を見たら、スクリーン左の出口へと移動していく。

迫力の映像と音響を体験できる180度スクリーンのシアター

シアターを出た先の「PORT」と呼ばれるそのエリアにあるのは、ずらりと並んだ「e-BIKE=スポーツ系電動アシスト自転車」だ。サスペンションを搭載する本格的なマウンテンバイクから、都会を走ることも想定したクロスバイクなど、4種類のe-BIKEが揃っている。インターネットで事前予約し、PORTで手続きを済ませ、e-BIKEを借り出し、横浜の街に自由に、あるいはガイドツアーによって繰り出すこととなる。この施設のメインプログラムだ。

ずらりと並ぶe-BIKE。こちらの車両を無料で乗車体験することができる。

PORTの隣には、非常に貴重なヤマハ PASの試作車が展示されている。電動アシスト自転車の一号機だ。世界にそれまでなかった電動アシスト自転車がヤマハから誕生することとなったストーリーを映像で知ることもできる。

世界初の電動アシスト自転車のプロトタイプを展示、実はとても貴重な一台だ。駆動はシャフトドライブを採用している

そして、電動アシストユニットを利用した電動アシスト車椅子や電動車椅子に試乗することもできる。

電動車椅子と電動アシスト車椅子、電動スクーターも展示

実際に電動アシスト車椅子に乗ってみた。普通の車椅子同様に、ホイールリム付近に取り付けられた車輪よりひと回り小さなリングを押すことで前に進むわけだが、この力をアシストユニットが手助けしてくれる。軽い力でも前に進むわけだ。当然、左右独立それぞれにアシストユニットは付いているが、まっすぐ走らせるのに左右のトルク配分はうまくバランスされている。このあたりに製品のノウハウがあるとのこと。

車椅子を必要とする人によっては、手動の車椅子では辛い、けれどまだ電動車椅子までは必要ない、という場合や、電動車椅子を利用するのはやや大袈裟と感じる人もいるのだそうだ。しかし、電動アシストで移動のハードルを下げることで、自由に移動できる楽しみを日常に取り入れて、少しでも気持ちを元気に過ごして欲しい。まさに、乗る人のことを考えた製品づくりを行うヤマハらしい「乗り物」だ。

そこを抜けるとコミュニケーションエリアとなっており、ヤマハの電動アシスト自転車を生んだ静岡県森町特産のお茶を、ヤマハのモビリティ製品を象ったモビリティサブレとともに無料でいただける。このサブレは浜名湖名産うなぎパイで有名な「春華堂」が製造していて、うなぎパイと同じ「うなぎ粉」が入っている。

電動アシスト自転車生誕の地である静岡県森町のお茶を提供。このお茶は本当に美味しい!さすが静岡茶だ

ここで、程よく冷えたお茶と、モビリティサブレをいただきながら、橋本さんにe-RIDE BASE誕生の経緯をお聞きした。

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バイク

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ボート

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スクーター

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水上バイク

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e-Bike

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無人ヘリ

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バギー

ヤマハを知らない人が集まってくれる場所にしたかった

小林「お隣のヤマハ・ミュージックの展示場でも、色んな楽器に触れることができるんですね。自分の話で恐縮ですが、子供の頃、ヤマハ音楽教室やヤマハエレクトーン教室に通ってました。楽器のヤマハは別の会社ですけど、どちらもヤマハは生産するだけでなく、使うことも面倒を見てくれる会社、ブランドですよね。」

橋本「そうですね。一例を挙げると、ヤマハ発動機は船外機を発展途上国に持ち込んだ時、まずは日本の漁法を伝えて、地域の生活を安定させるところから信頼を得たという歴史もあります。」

橋本耕さん

小林「今回e-RIDE BASEを担当することになった経緯はどのようなものでしょうか?」

橋本「ヤマハ株式会社が横浜みなとみらいに新しいビルを作るということが決まり、当社もお誘いを受けて本社機能の一部をこのビルに移すことになりました。私は今まで当社の様々な事業のマーケティングや企業ブランディングを担当することが多かったこともあり、新しいビルの1階のこの場所でブランディングのための何かをやってくれということになったんです。けれど、その時点で何をするかはまったく決まっていませんでした。何をやるか決めることから始まりました。」

小林「そうでしたか。その見せるものへの条件とかあったんですか?」

橋本「ひとつだけ、静岡県磐田市の本社にあるコミュニケーションプラザとは違った方向性にしよう、ということでした。あそこはヤマハ発動機の博物館。ヤマハ発動機を好きな人が見に来てくれる場所です。けれど、ここはヤマハ発動機を知らない人が訪れてくれる場所にしたかったんです。それも、若い人が集まる場所です。」

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静岡県磐田市のヤマハ発動機本社にあるコミュニケーションプラザ。ヤマハ発動機の歴史や歴代マシンが展示されている。ヤマハ好きには魅力的なスポットだ。

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小林「それで、e-BIKE中心にするというのはすぐに決まったのでしょうか?」

橋本「当社の製品は体験してもらうにしてもハードルが高いものが多いんですよ。オートバイにしてもボートにしても、まず免許が必要。しかも、高価です。でも、どれも乗れば楽しいので、多くの若い人にヤマハ発動機を体験してもらうには電動アシスト自転車しかないな、となりました。」

ヤマハ発動機ならぬ、ヤマハ発電機って?

小林「日本人はほとんどが自転車に乗れますもんね。そこからは順調でしたか?」

橋本「準備している途中で、自転車のヘルメット着装が努力義務化のタイミングがありました。もちろん、安全面で必要なのはわかっていますが、私の若い時に原付のヘルメットが義務化されたのを思い出しちゃって。もしかするとこれもハードルのひとつになるかも、と考えたわけです。」

小林「シートベルトだって昔は必須ではなかったし、大昔は装備すらされてなかったですもんね。今では装着しないなんてあり得ないですが。それ以外では?」

橋本「やはり当社はバイクに関わる社員が多く、なんでバイクを置かないんだ!という声も社内からありましたが、新しい企業イメージをつくるために、『ここには内燃機関は置かない!』という方針を貫きました。若い人に来てもらって、取っ付きやすくして、まずはヤマハ発動機を知ってもらう間口にするためです。」

小林「発動機と社名に付いてるのに、エンジンはあえて置かないわけですね。」

あえてガゾリン車のバイクは展示しない。こちらは新旧「MOTOROiD」を展示

橋本「若い人は特に、ヤマハ発動機のことを知らないんですよ。今の時代はオートバイも身近じゃない、ボートはもっと遠い存在だし、船外機なんて言っても何のことかわかるはずもないんですよ。たまに『ヤマハ発電機』と間違えられることがあります。(笑)」

小林「オープンして1ヶ月弱ですが、想定以上に感じたことはありますか?」

橋本「音楽の裾野の広さですね。」

小林「ああ、隣のヤマハミュージックの施設からこちらへ流れてくる、という意味ですね。」

橋本「はい。お隣からこちらに来てくれるようなスタンプラリーもやっていますけど、色んな人が来てくれます。そういった意味で、想定以上の結果に興奮してます。」

小林「確かに、音楽を聞かない人って、まず、いませんよね。」

橋本「それから、想定以上にe-BIKEを体験してくれる人が多く、満足度が高いのもうれしい話です。」

小林「電動アシスト自転車に乗ったことがあると言っても、いわゆるママチャリタイプだったり、古いモデルだったりするわけですよね。」

橋本「いまの最新モデルの性能に触れてもらうと、皆さん驚かれますね。」

小林「車椅子体験も喜ばれるんじゃないですか?」

橋本「これも、乗るとみんな笑顔になりますよ。必要になる前に乗ることってまずない乗り物ですから。」

電動車椅子と電動アシスト車椅子に試乗可能

感想創造企業の企業理念がまさに実現!

小林「今後の目標や狙っていきたいことはありますか?」

橋本「私としては、推奨者を増やしていきたいと思っています。あの施設は楽しいよ、とリピーターになって周りに広めてくれるような人です。クッキーを全種類食べるために何度も来てくれるのでもいいし、今日は彼氏と来たけど、次はお友達と、その次は家族と、といった具合に推奨行動を起こしてくれる人が増えてくれると良いなと思っています。」

小林「言わば、リアルなインフルエンサーですね。」

橋本「すでに4人くらいいますよ。70代くらいの女性の方で、4回くらい来てくれています。最初はお孫さんを連れてきて、娘夫婦、お友達のような人と来られて、最近はご主人といらっしゃいました。それから小学生もいます。それぞれ違うお友達と3回くらい来て、車椅子に乗って楽しんでもらってます。」

小林「乗って楽しいモビリティ、ヤマハらしさを体験してもらえているわけですね。改めて、橋本さんにとってのヤマハ発動機はどんな会社ですか?」

橋本「仕事に対する向き合い方がこの会社と自分がちょうど合っていたと思っています。ヤマハ発動機は、一対一の関係、ひとりひとりに向き合ってモノをつくって売るような姿勢があるんですね。それが自分自身のスタイルとも合っていたと思います。乗り物でもなんでも、好きなに人向けてつくって、使ってもらった感動が広まっていくというのが、自分にも合っているなと思ますね。」

橋本耕さん

小林「まさに企業理念にある『感動創造企業』なわけですね。」

橋本「自分のためにその企業理念ができたんじゃないか、と思うくらいです!(笑)」

横浜の街を走るには電動アシスト自転車がベスト!

インタビューを終え、実際にe-BIKEをお借りして、みなとみらいを走ってみた。

横浜には電動アシスト自転車が似合う

横浜市は「横浜市自転車活用推進計画」があり、道路にも自転車通行ラインが多く整備され、非常に走りやすい。アシストが効いてくれるおかげで、登り坂でも走りに余裕が生まれ、周囲の情報、景色などを得やすくなっているのにも気づく。

「CROSSCORE RC」はスマートに街を走るクロスバイクタイプ。ビギナーからエキスパートまで幅広いライダーを満足させる

パシフィコ横浜を横目に見ながら、数分で海が見える場所まで出た。ツアーの友に選んだ「YPJ-MT Pro」を橋の欄干に立て掛けると横浜ベイブリッジが見渡せた。

「YPJ-MT Pro」は、フルサスペンションを装備したe-MTB。バイク設計に由来したヤマハの独創的な技術を惜しみなく盛り込んだeBikeのフラグシップモデル

横浜は見どころも多く、クルマで移動するとなると毎回駐車場探しに苦労する。また、みなとみらい地区を出ると、港の見える丘公園や、外国人墓地など坂道も多い。横浜を見て回るには、電動アシスト自転車は最適な乗り物であることがわかる。

ヤマハは、モノ作りの会社であるけれど、コトも教えてくれる会社なんだなと改めて思う。それも、感動するモノとコトを作ってくれているのがよくわかった。

Yamaha E-Ride Base(ヤマハ イーライド ベース)」 施設概要

【アクセス】
神奈川県横浜市西区みなとみらい 5-1-2
横浜シンフォステージ イーストタワー1階

みなとみらい線「新高島駅」 3・4番出口から徒歩1分
各線「横浜駅」東口から徒歩10分

【営業時間】
夏期(3月〜11月)10:00〜19:00
冬期(12月〜2月)10:00〜17:00

【休館日】
毎週火曜/第1・第3月曜
※第1・第3月曜が祝日の場合はその週の水曜が休館

詳しい情報は、Yamaha E-Ride Base 公式WEBサイトを御覧ください。

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お隣はヤマハミュージックのサロン

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ウェルカムエリア

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180度シアター

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ずらりと並ぶe-BIKE

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世界初、電動アシスト自転車のプロトタイプ

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プロトタイプのバッテリーケース

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世界初、電動アシスト自転車のプロトタイプ

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当初、シャフトドライブで検討された

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電動アシスト自転車のモーター部分の構造

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ヤマハ電動アシストユニットの機構説明図

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現在は新旧「MOTOROiD」を展示

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電動車椅子と電動アシスト車椅子に試乗可能

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電動車椅子と電動アシスト車椅子に試乗可能

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ヤマハ発動機のモビリティ製品を模したクッキーを提供

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うなぎパイメーカーの春華堂とコラボしたクッキーはうなぎ粉入り

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水上バイク

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ベンチやテーブルも「モビリティ」

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ベンチやテーブルも「モビリティ」

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ヤマハ発動機 クリエイティブ本部 ブランドマーケティング部 ブランド発信戦略グループ 横浜 Yamaha E-Ride Baseマネージャー 橋本耕さん

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横浜には電動アシスト自転車が似合う

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横浜には電動アシスト自転車が似合う

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CROSSCORE RC

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著者プロフィール

小林和久 近影

小林和久

子供の頃から自動車に興味を持ち、それを作る側になりたくて工学部に進み、某自動車部品メーカへの就職を…