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前席シート改善は高満足度 利便性の高いラゲッジも秀逸
ひと昔前までは、コンパクトカーというと全幅1700㎜以下の5ナンバーサイズという括りで分類がなされていたが、最近はなかなかその定義が通用しなくなってきた。そんな中、その全幅1700㎜以下ギリギリではなく、もう少し余裕をもたせた5ナンバーサイズで、全高が高く、後部ドアはスライド式。イメージ的には、軽自動車のスーパーハイトワゴンの小型乗用車版という感じのモデルがルーミーである。
エクステリア
しかし、軽自動車を大きくしたモデルではなく、ベースとなっているのは小型乗用車のパッソだ。つまり、人も荷物もしっかり搭載できるワゴンタイプのクルマであり、これが後ろに伸びて3列シートになると、プチバンになるといったイメージをもってもらうのが近しいと言える。つまり、ボディサイズがコンパクトで中は広々というワケで、ヤングファミリーや子育て中の皆さん、また子離れ層を含め、実に幅広い方々が乗るモデルということもあって、マイナーチェンジの際に、前席のシート形状の改良が行なわれたのは、大きなポイントだと思うのだ。
乗降性
全高が高く、重心高も上がりがちなモデルは、どうしてもユサユサ感が出やすいので、シートのサポート力も上がり、視線ブレも少なくしっかり運転できるというのは、安全面での貢献度が高い。またロングドライブの疲労度もずいぶんと軽減されるものだ。ちなみに、マイナーチェンジの改良で、さらに安全装備の充実も図られている。衝突回避支援ブレーキ機能の衝突警報機能の検知対象に、同じ方向を走っているバイク・自転車などの二輪車と、夜間の歩行者が追加されたのは、うれしいポイントだ。
インストルメントパネル
また、同乗者にも安心安全への配慮がなされている。後部座席へのアクセスは、地面からフロアまでの高さが366㎜と、低く設定されているので、子どもがひとりでも乗降できる。その際にも、大人から子どもまで使いやすい、縦に長いアシストグリップが備えられているので安定感抜群だ。また降りるときに予約設定しておけば、クルマに戻ってきた際に自動的にドアが開くなんていう離れ技もこなしてくれる。
居住性
そして、シートアレンジも豊富である。まず後部座席は240㎜もスライドできるので、スペースをフレキシブルに調整できることから始まり、お出掛け先で基地として使う場合には、前後席シートをフラットにすることもできたりと、さまざまなシーンでの活躍が期待できるのだ。さらに、荷物をたくさん積みたいなんていうときは、後席をダイブインでフラットに畳むことができるので、見た目以上に積載力が高い。加えてココがビックリポイントなのだが、後席の汚れ防止まで考慮されているのだ。
うれしい装備
月間販売台数 5142台(23年11月~24年4月平均値)
現行型発表 16年11月(マイナーチェンジ 20年9月)
WLTCモード燃費 18.4 ㎞/ℓ※自然吸気のFF車
ラゲッジルーム
後席を倒し、荷室のデッキボードを反転させると、汚れ防止のビルトインシートが内蔵されているので、これを引き出して展開すると、例えば自転車等を搭載しても、シートの背もたれを汚さずに済むという仕組みになっている。これは、他のクルマでは見たことがない。荷室開口部も低く527㎜に設定されているので、女性でもラクに自転車の積み込みができる。日常的に皆が便利な一台なのだ。
※本稿は、モーターファン別冊 ニューモデル速報 統括シリーズ Vol.159「2024-2025 コンパクトカーのすべて」の再構成です。