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普通免許で乗れるエルフミオなら、仕事にも遊びにもとことん使える!
トラックのカスタムと言えば、これまではプロユーザーが愛車に自分好みで施すと相場が決まっていた。かつての映画『トラック野郎』に代表されるような華やかで大規模なカスタムもあったが、昨今はコンプライアンス上のこともあって、その市場は縮小傾向だ。
加えて、エルフシリーズに代表される小型トラックは軽トラックとは違い、まだ商用的なカテゴリーであり、一般ユーザーにとって身近なものとは言えない。だが、そんなトラックの市場に新たな楽しさを吹き込もうとしているのが、いすゞの純正アクセサリーメーカーである「いすゞA&S」だ。

いすゞA&Sは昨年開催された東京オートサロン2024において、カスタムしたコンセプトカー2台を初出展。エルフとエルフミオの新しいライフスタイルの提案を行なった。そして今回の東京オートサロン2025においても、新風を感じさせる3台のコンセプトカーを展示している。
ELFmio ADVANCED CONCEPT
その筆頭となったのが、「エルフミオ アドバンスドコンセプト」だ。このモデルは昨年のオートサロンで展示された「エルフ フューチャーアクセサリーズエディション」を進化させたもので、仕事でエルフミオを使うドライバーが楽しく乗ることができるような、エアロダイナミクスなドレスアップを行なっている。
同モデルには、トラックの空力改善ポイントの代表格であるエアディフレクターをはじめ、外装11か所と内装3か所にドレスアップパーツが奢られている。エルフミオを知り尽くしたいすゞのグループ企業がデザインしただけあって、車両の親和性が高い上に、ドレスアップ効果は抜群。小型トラックであるエルフミオが、まるで大型トラック「ギガ」のような大迫力を纏って見る者に迫ってくるのだ。


ちなみに、「フロントグリルガーニッシュ」と「バンパーグリル」に関しては2025年3月に市販化が決まっている。これ以外にも、市場の反響次第では新たなアイテムが発売される可能性は高そうだ。いわゆる“光りもの”ではない乗用車ライクなカスタムによって、エルフミオの新たな価値が見出されることだろう。今後もいすゞA&Sの商品開発に期待したい。

ELFmio CROSS CONCEPT
新たな価値と言えば、それは「エルフミオ クロスコンセプト」からも強く感じられる。カスタムの世界で人気があるカテゴリーのひとつ“軽トラック”は、ここ数年ハード系のドレスアップを好むユーザーが多い。荷台にユーティリティフレーム、キャビン上部には多数のワークライトが装着されたキャリア、さらにフロントはガード、タイヤはオフロード系を装着することで、クロスカントリー4WDのような佇まいにするのである。
そんな軽トラカスタムを得意とする「ハードカーゴ」というメジャーなカスタムビルダーとコラボレーションし、いすゞA&Sのセンスと融合して生まれたのが同コンセプトモデルだ。時代の空気感に実にマッチしたカスタムトラックで、ミリタリーカーのようでもあり、オーバーランダーにも見えるところがいい。


フロントはゴツ系のバンパーガードと多連装ワークラート&バー、ルーフラックという定番アイテムで飾り、そこに大いに存在感を放つ荷台のベースフレームが加わる。内外装29か所にもおよぶドレスアップパーツの美点には枚挙にいとまがないが、タイヤもトーヨータイヤとのコラボで「オープンカントリー」のトラック専用タイヤ(展示参考品)を装着するなど、細部へのこだわりがとにかくすごい。
見た瞬間から心奪われるデザインは、まさに機能美あふれるもの。というのも、このモデルは“仕事”と“遊び”をクロス(両立)させるエルフミオというコンセプトによって生まれているからだ。オンタイムでは仕事に使い倒し、オフタイムはアウトドアレジャーを楽しむ。まさに、小型トラックの新基軸が生まれそうな1台である。

Travio EXPEDITION STRIKER CUSTOMIZE CONCEPT
最後の1台は、より現実的なコンセプトカーと言える。ここ10年間、需要が右肩上がりのキャンピングカーだが、“キャブコンバージョン(通称キャブコン)”と言われるタイプでは、ベースに小型トラックベースの専用シャシーが使われることが多い。これまで市場では、トヨタ「カムロード」というキャンピングカー専用シャシーがほぼ独占状態だった。
だが2024年11月に、エルフミオをベースのキャンピングカー用シャシー「トラヴィオ」がデビュー。キャンピングカービルダー、ユーザー共に、新しい選択肢が加わったのである。
トラヴィオの最大の特徴は、2017年3月12日以降に普通免許を取得した人でも乗れることだ。いすゞにはこれまでも「ビーカム」というキャンピングカー用シャシーがあったが、これは車両重量が3.5tを超えてしまうため、前述の免許条件の場合は準中型免許を取得しなければならなかった。エルフミオ同様に、この縛りから解放されているトラヴィオは、より多くのユーザー層に訴求できるモデルというわけだ。
今回出展された「トラヴィオ エクスペディション ストライカーカスタマイズコンセプト」は、ビーカムベースの数々のキャンピングカーを手がけてきた「日本特種ボディー」が架装を担当。運転席のキャブと居住空間のシェルをあえて結合しないことでシャシーのねじれを最大限生かしてタイヤの接地性を高め、走破性能の向上を実現しているという。


もちろん、運転席と後部居住空間を結合させるキャブコンを製造することも考えられており、運転席キャビンをアップしなくても、整備ができる構造になっている。また、フレームの強度やサスペンションのセッティングなどの点でも後発らしく先進性が高い。
特に安全装備面では、ライバルよりも数歩先んじている。ダッシュボード上に設置されたステレオカメラに加えて、バンパー内に3つのレーダーセンサーを設置。これにより直進時の前方の感知のみならず、右左折時の歩行者や自転車との接触事故の防止機能が備わっているのが特徴だ。
価格面ではライバル車よりも高くなりそうだが、昨今はキャンピングカー、とくにキャブコンの事故がクローズアップされることが多いため、トラヴィオの安全性の高さにはユーザーも注目するのではないだろうか。

冒頭でも書いたが、これまでのいすゞトラックは一般ユーザーにとって必ずしも身近なものではなかった。だが、かつてワンボックスバンが単なる“働くクルマ”であったのが、いまや一般ユーザーに広く浸透したように、今後はエルフミオのような小型トラックもまた一般化する可能性は大だ。まさにそういう近未来を具現化した3台を、いすゞは「夢」というカタチで魅せてくれたのである。
また、いすゞのディーラーが近くに見当たらないという方のために、見積もりから車両契約までをオンラインでサポートしてもらえる「エルフミオストア」も開設されている。アクセサリーアイテムを選んで、装着状態の車両の様子を3Dシミュレータで確認することも可能。興味がある方は、ぜひアクセスしてみていただきたい。
エルフミオストア https://www.isuzu.co.jp/product/elfmio/elfmiostore/
