カイエンEV及びカイエンクーペEVは、何年も前にポルシェ最初のSUVを世に知らしめたのと同じ、運転のスリルと家族向けの実用性を兼ね備えたものになると期待されている。ハイオクガソリンとエンジンを、バッテリーのワット数と排出ガスのないモーター駆動としたカイエンEVだが、その仕上がりはガソリンエンジンモデルと似たもの以上のものになると予想されている。

豪雪のフィンランド山中で、鮮明に捉えた「クーペ」のプロトタイプは、カイエンEVとフロントエンドのデザインが非常に似ているため、細長いマカンEVのように見える。しかし、カイエンクーペEVは、より筋肉質なプロポーションと、より傾斜したリヤウインドウにより際立ったスタイルとなっている。

マカンEVとの類似点は外観のスタイリングだけにとどまらず、2台の車両はプラットフォームを共有している。それは、プレミアムEV向けに設計されたフォルクスワーゲングループの「PPE」モジュラープラットフォームだ。このプラットフォームは、複数のサイズカテゴリのローライディングモデルとハイライディングモデルをサポートできるほど柔軟性がある。

マカンEVの場合、プラットフォームには100kWh(使用可能95kWh)のバッテリーパックと、各ドライブシャフトを駆動するモーターが搭載されている。合計出力は現在、ターボモデルで630psに達しているが、カイエンEVシリーズでは、さらに高い出力が期待できる。

まだ断定はできないが、最新情報では4モーターパワートレインを搭載する可能性があるという。これにより、合計出力は1000ps以上期待できるだけでなく、より高速で正確なトルクベクタリング制御も提供される。2019年、ポルシェはこのシステムを開発中であると発表している。

通常のカイエンEVは2026年に登場予定で、米国では2027年モデルになる可能性が高い。クーペのバリエーションも同時に発売される可能性があるが、ポルシェはおそらく6か月から1年ほどリリースをずらすだろう。カイエンクーペEVは2027年にデビューすると予想されている。

当初、ポルシェはEVモデルの登場に伴い、現在のガソリンおよびプラグインハイブリッドのカイエンのラインナップを段階的に廃止する予定だったが、現在、ガソリンエンジン搭載カイエンは寿命を延ばすために2回目のアップデートを受ける予定だ。

また、EV需要の伸びが鈍化したため、ポルシェは昨年夏、カイエンにV8エンジンを含む内燃エンジンを今後10年間搭載し続ける計画を発表した。同社はパナメーラなど他のモデルでも同様の計画を実施する予定だ。さらに、電気自動車の普及率が予想よりも遅いことから、ポルシェがガソリン車のマカン新型の開発にも着手していることがわかっている。










