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「個性が際立つ」ジムニー、「親しみやすさが光る」ハスラー




ジムニーノマドのエクステリアは、堅牢で無骨な印象を前面に出しているのが特徴だ。角ばったボディに加えて、グリルやバンパーの意匠はブラック基調で統一されており、いわゆるオフローダーとしての存在感が際立っている。
一方のハスラーは丸目のヘッドライトやツートーンルーフで個性を主張しつつ、都会的な印象を残すことで、ジムニーノマドに比べてポップで親しみやすい雰囲気をまとっている。特別仕様車の「タフワイルド」は、ベースモデルのハスラーよりも力強いディテールの外観と撥水加工が施された専用カラートリムが特徴だ。
また、アウトドアユースへの適性を確認するため、荷室容量にも注目したい。ジムニーノマドは4名乗車時でも荷室床面長が590mmあるほか、リヤシートの背もたれを前倒しすれば1230mmまで拡大する。
対するハスラーの荷室奥行きは4名乗車時で約300mm、2名乗車時は最大で約1250mmのフラットで広い荷室を確保できる。荷室幅は約1040mm、開口部の高さは約820mmだ。
どちらもリヤシートの背もたれを前倒しすればアウトドアアクティビティの道具をしっかりと積載できる。とくにハスラーは同じ軽自動車規格ながらも日常からアウトドアユースまで使いやすいように室内スペースの各部に細かな工夫がなされている。なお、両車ともに乗車定員は4人だ。
スズキ ジムニー ノマド FC
ボディサイズ=全長3890mm×全幅1645mm×全高1725mm
ホイールベース=2590mm
車両重量=1190kg
タイヤサイズ=195/80R15(前後)
スズキ ハスラー タフワイルドターボ
ボディサイズ=全長3395×全幅1475×全高1680mm
ホイールベース=2460mm
車両重量=890kg
タイヤサイズ=165/60R15(前後)
力強さのジムニーと軽快さのハスラー、走行性能はどちらも譲らない


ジムニーノマドは1.5L自然吸気エンジンを搭載し、副変速機付きパートタイム4WDを備えている。102psの最高出力で、低回転域から太いトルクを発生させる設計となっており、悪路や登坂路でも粘り強い走りを見せる。また、路面の凹凸に対する追従性も高い。
一方、ハスラーは最高出力64psを発揮する660cc直列3気筒ターボエンジンにマイルドハイブリッドシステムが組み合わされ、日常使いでは十分なパフォーマンスを発揮する。4WDにより雪道や未舗装路といった軽度の悪路にも対応可能だ。ただし、本格的なオフロード走行には対応できないケースもある。
両車のWLTCモード平均燃費はジムニーノマドが13.6〜14.9km/L、ハスラーが20km/L前後だ。ハスラーの優れた燃費性能は、日常の通勤や買い物といった用途で経済的なメリットを感じられるだろう。
一方のジムニーノマドは、本格4WDシステムや1.5Lエンジンを搭載していることから、燃費よりも走破性を重視した設計となっており、市街地ではやや燃費が劣る傾向がある。燃費を重視するなら、ハスラーが最適といえそうだ。
スズキ ジムニー ノマド FC
エンジン形式=直列4気筒 自然吸気
排気量=1460cc
最高出力=102ps/6000rpm
最大トルク=130Nm/4000rpm
トランスミッション=4速AT
駆動方式=パートタイム4WD
スズキ ハスラー タフワイルドターボ
エンジン形式=直列3気筒ターボ+モーター
排気量=658cc
最高出力=64ps/6000rpm
最大トルク=98Nm/3000rpm
トランスミッション=CVT
駆動方式=フルタイム4WD
装備と満足度のジムニー、コスパ重視のハスラー


ジムニーノマドの価格は275万円だ。ベースとなるジムニーシエラに比べて装備が充実している点や、使いやすくなった後席や専用のデザイン要素が追加されていることから、所有満足度を重視するユーザーに評価されているようだ。一方で、軽自動車規格ではないため、税金や維持費はやや高めとなる。
対するハスラーは車両価格が180万円弱で、軽自動車ならではのコストパフォーマンスが魅力であるうえ、日常的な用途から一般的なアウトドアレジャーまで1台で広く対応できる。
ハスラーの特別仕様車「タフワイルド」は、ベース車に比べて大きく価格が上昇しているわけではなく、デザインや装備内容のバランスを考えるとお得感があると感じるユーザーも少なくないかもしれない。