
中型トラックが世界中で人気を集め続ける中、VWは主力車種の地域的アプローチを強化しているようだ。今回の発表と共に公開された公式デザインスケッチでは、同社はアマロックの未来的な進化が示唆されている。

この次期モデルは、2009年に発売され、2016年と2024年に大幅改良されて存続してきた現在の南米向けアマロックの後継車として設計されている。名前こそ同じだが、この新型はフォード レンジャーと同じプラットフォームを用いて製造されている、グローバル向けアマロックと共通点はほとんどないからややこしい。
VWが公開したスケッチは、量産型というより、コンセプトスタイルの誇張に大きく傾いているが、それでもスタイリングの方向性についての大まかなアイデアが見てとれるはずだ。主な特徴としては、全幅にわたる最新LEDデイタイムランニングライト、精巧に造形されたフロントバンパー、膨らんだボンネット、そしてアグレッシブなスタンスを与える四角いフェンダーなどが挙げられる。黒いルーフとシャークフィン型のDピラーは、GMCのハマーEVのデザイン要素を彷彿させるが、全体的なシルエットは中型トラックの領域にしっかりと留まっていると言っていいだろう。
VWのCEO、トーマス・シェーファー氏によると、新型アマロックは「南米向けに南米で開発、設計、生産される」とのこと。特定地域に厳密に焦点を絞るということは、設計チームとエンジニアリングチームが、単にグローバル製品をローカライズさせるというのではなく、地元の好み、地形、使用例を反映させてトラックをカスタマイズするというニュアンスに近くなることを意味している。
同社は、技術的な詳細を明らかにしていないが、新型アマロックは従来のラダーフレームシャーシと内燃エンジンを採用するものと予想される。VWラテンアメリカのCEO、アレクサンダー・ザイツ氏は、アマロックが「性能、革新性、持続可能性の面で新たな基準を確立する」と明言している。
南米向けアマロック次期型のワールドプレミアは2027年で、アマロックが15年間製造されてきたアルゼンチンのVWパチェコ工場で製造が継続され、今後も「ターゲットを絞ったやり方で」モデルラインアップを拡大していく予定だという。そして、アマロック以外にも、ID.2allとID.Every1コンセプトの量産バージョンを含む9つの新モデルが2027年までに欧州で発売される予定となっている。




