初代コンパスは2006年に登場、11年という長いセールスの後、2017年に第2世代にバトンタッチ、いよいよ第3世代がデビューする。待望の次世代型には、完全電気自動車(BEV)バージョンも含まれる予定だ。

カモフラージュされた試作車は、開発テストの最終段階と思われる時期にイタリアで目撃された。全体的なシルエットはおなじみのSUVのプロポーションを踏襲しているが、いくつかのデザインの詳細はすぐに目に留まるはずだ。より短いオーバーハングと、より角張ったスタンスにより、旧モデルに比べて若干タフな外観になっている。

先日のティーザーでは、再設計された7スロットグリルの両側にスリムなLEDヘッドライトが配置され、点灯すると予想されていた。
しかし、プロトタイプではそのグリルは完全に覆われており、最終的な詳細は隠れている可能性がある。フロントバンパーにはアクティブフラップ付きの冷却インテークが備わっており、EV時代に常に重要視されてきた空力性能の向上を目的としたデザインが特徴だ。

プロトタイプにはエキゾーストパイプがなく、グリルがないなめ完全な電動パワートレインであることがわかる。ジープはすでに、次世代コンパスがハイブリッド、プラグインハイブリッド、完全電気自動車の各バージョンで発売されることを公式発表しており、同様のプラットフォームとテクノロジーを共有する他のステランティスブランドのSUVと同等になる。

次世代型では、老朽化したFCA時代のプラットフォームを廃止し、ついにステランティスの最新「STLAミディアムアーキテクチャ」に移行する。この改良された構造は、プジョー3008、5008、オペル・グランドランド、DS 8などのモデルと共有されている。また、次期シトロエンC5エアクロスとDS 7にも採用される予定で、ジープがより柔軟で電動化された未来へと向かっていることを示しているといっていいだろう。

コンパスがプジョー「e-3008」の仕様を流用する場合、シングルモーターで最大213ps、デュアルモーターセットアップから最大325ps/239kWを発揮。最上位グレードでは全輪駆動(AWD)が標準装備される可能性がある。また、 e-3008には73kWhと97kWhのバッテリーオプションが付属しており、こちらも流用されるはずだ。

内燃機関バージョンでは、最高出力136psを発揮する1.2LターボエンジンにI3マイルドハイブリッドを搭載。プラグインハイブリッド(PHEV)モデルでは、1.6L I4ガソリンエンジンと最高出力125psの電気モーターが組み合わされ、システム合計195psを発揮する。

ステランティスは、新型コンパスが今春ヨーロッパでデビューし、その後南米で年半ばに発売され、北米では年末に発表される予定であることを発表。欧州モデルはすべて電動化され、発売時にはBEV 4xeバージョンが唯一の全輪駆動(AWD)オプションとなる。また、北米版の生産は2026年第1四半期に開始される予定のほか、注目の日本市場発売は2026年内になるだろう。

ジープはEV普及率への懸念から、BEVバージョンの北米発売を延期したと報じられており、SUVが最終的に米国とカナダの海岸に到着したときには、内燃機関搭載モデルが優先される可能性があるとのことだ。
約10年ぶりのフルモデルチェンジとなる新型コンパスは、ジープ社のグローバル戦略において重要な役割を果たすことは間違いない。









