自転車への青切符導入で、113の違反行為が反則金の対象になる

2026年4月1日より、自転車の交通違反に対しても「青切符」が導入されることになった。これにより、113の違反行為に対して反則金が科されることになる。
たとえば、携帯電話使用等(保持)、いわゆる「ながら運転」は1万2000円、放置駐車は9000円など、反則金の額は違反によって異なるようだ。では、いったいなぜ、自転車にも青切符制度が導入されることが決まったのだろうか。
そもそも青切符とは、道路交通法違反のうち比較的軽微な違反行為に対して発行されるものだ。主に反則金の支払いを命じる行政処分で、これまではクルマやバイクの違反に用いられてきた。そして、今回導入が検討されている理由としては、自転車に関係する交通事故が依然として多数発生しているという現状がある。
警察庁が2023年に公表した資料によれば、自転車関連事故の多くは信号無視や一時不停止、歩行者妨害などの違反に起因しているという。さらに、2022年における自転車関与事故の約7割に違反が認められている。とくに、ながら運転や歩道での高速走行といった悪質なケースが問題視されているようだ。
自転車の違反は、従来は講習制度や赤切符による対応にとどまっており、すべての違反に即応できる体制ではなかった。
しかし、青切符の導入によってこうした違反に対して迅速かつ実効的な措置が可能となり、ルール遵守を促す環境が整えられるというわけだ。そして、これにより自転車も法に基づいて運用される「車両」であるという意識が一層強く求められることになるだろう。
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2025年5月現在、速度超過や「ながら運転」など、日常的に目にする自転車での走行行為の中には、青切符導入以降は違反とみなされるおそれが高いものも少なくない。現時点では注意喚起にとどまっていることがほとんどだが、今のうちから正しい走行マナーを意識し、違反とならない運転習慣を身につけておくことが重要だ。
後から慌てて矯正するよりも、今の段階でルールに即した運転に慣れておくほうが安全で確実といえるだろう。

金額は高い順に「ながら運転」1万2000円、放置駐車違反9000円、遮断踏切立ち入り7000円、速度超過、駐停車違反、信号無視等が6000円
(資料:警察庁)

(続き)安全運転義務違反5000円、交差点右左折方法違反 3000円となっている(資料:警察庁)