ヴァイザッハの野獣、いよいよ露わに

GT2 RS は、911シリーズの中で最も過激なバージョンであり、「ヴァイザッハの野獣」とも言われている。これまで何度かプロトタイプが目撃されていたが、量産型ボディパネルを露出したのは今回が初めてとなる。

ワイルドなスクープとスポイラー、サーキットに特化したシャシー、そして最高出力525psの轟音を響かせる水平対向6気筒エンジンを備えた「911 GT3 RS」は、エントリーレベルのカレラとは一線を画し、911ファミリーの父と言える存在だ。しかし、ポルシェは、強力なGT2 RSを復活させるため、それも長くは続かないだろう。
ニュルで捉えたプロトタイプは、一目見てGT3 RSよりもはるかにワイドであることが分かる。フロントフェンダーはGT3 RSとほぼ同じように見えるが、はるかに外側に伸びており、上部ダクトも初めて露出している。また、リアにはリベット留めのアーチエクステンションが採用されていることもわかる。
足回りでは、20インチ鍛造アルミホイールを装着、ミシュラン・スポーツカップタイヤと、鮮やかなイエローのブレーキキャリパーが組み合わされている。これらのブレーキキャリパーは、両車軸の巨大なドリルドディスクに食い込み、GT3 RSよりも洗練されたこの野獣を、数秒で停止させるのに十分な制動力を発揮するのだ。
リアエプロンはすでに部分的に露出しており、リフレクターの位置と中央に配置されたエキゾーストパイプも明らかになっている。
パワートレインは、最高出力710psを超えるハイブリッドアシスト付き、水平対向6気筒ターボチャージャーエンジンが搭載され、そのパワーは電光石火の7速PDKオートマチックトランスミッションを介して後輪へと伝達される。
このスペックは、ニュルブルクリンクで6分49秒33を記録し、歴代4位のタイムを叩き出している「GT3 RS」の出力を203ps上回っている。
GT2 RSは、2019年モデルの価格が29万4450ドル(約4,270万円)と、AMG Oneのような数百万ドルのハイパーカーと比べると安いが、新型では、50万ドル(7,200万円)を初めて超えると言われている。









