ちゃんと直したから15年間トラブルなし
ずっと自動車整備士を続けてきたから、若かった頃はさんざんスバル360やR-2、ミゼットなどのサブロク軽自動車をメンテナンスしてきた。でも趣味は古いオートバイばかりだったから、ふと小さくて遊び心のあるクルマが欲しくなった。それで手に入れたのがR-2、ではなくアウトビアンキA112だった。
そんなオーナーがR-2と出合ったのは、小さくて可愛いスバル360が欲しくなって出向いた旧車ショップだった。一目見て「こりゃ直せないや」と思ったスバル360の隣に、昔プラモデルで作ったのと同じカラーリングのR-2が並んでいたのだった。
納車後に以前の修復跡を手直しして再塗装。それからもコツコツR-2SSの部品を買ってはエンジンやサスペンションを組んで完成。それから15年が経ったけれど、今までトラブル知らずなのだ。
スバルR-2・マメ知識
偉大な先駆者スバル360の後継車種として1969年8月に発売されたR-2。ホンダN360の発売で軽自動車首位の座を奪われ、奪還のために開発されたが2ストロークエンジンをリヤに積むRR方式は継承。そのエンジンは30psからSSの36psまでラインナップされたが、やはりホンダの4ストロークを打ち負かすことはできず、年々モデルチェンジしてスタイルがデコレートされていく。それが逆に悪循環となり、71年10月には水冷エンジンを新開発するも、72年のレックス登場で翌年に生産終了
SS用ソレックスで敵無し?!
エンジンは部品取りから拝借したSS用ソレックスキャブと面研でチューン。走行8万キロだからOHしないで絶好調。オルタの入れ替えと同時にセミトラ化。高回転まで回しがちなサブロクはダイナモブラシの交換も早いから無接点化がラク
SSはソレックスと7.5の圧縮比から36・psを発生。インマニごとSS用キャブを移植、茶漉しファンネルは40φ用を加工。純正の燃料ポンプは頼りないから汎用電磁ポンプにして燃圧を安定させた。息継ぎしないし冷間スタートも一発
古いエンジンには新しいオルタネーターが効く! 純正ダイナモの調子が悪ければ後の550㏄サンバーから流用
サンバー用+Sタイヤ
合わせホイールだからワイド加工もカンタン、と思ったら元から幅広のサンバー用。タイヤは気合いのSタイヤ
リヤもサンバー用+Sタイヤ。車高をそのまま下げるとハの字になるので調整して真っ直ぐにしている
アシもSS用を拝借
パーツがない…
マフラーもタイコに穴が空いたが補修用もなければアフター製もない。とりあえずマフラーバンドでグルグル巻き作戦
このスバルR-2ハイデラックスの記事は、令和に残るクルマ改造雑誌『G-ワークス』(毎月21日発売)に掲載された記事を引用・転載したものです。