ホンダ・ヴェゼルe:HEV長期レポート | 10ヵ月で8500km。撮影機材150kg搭載でリヤヘビーなヴェゼルの燃費は

新型ヴェゼルe:HEVデホンダF1の聖地HRD SAKURAへ 超リヤヘビーだとヴェゼルはどうなる?

今回撮影の機材を積んだ状態の荷室

ホンダF1 PU撮影のために機材満載でSAKURAへ

ホンダ朝霞研究所お客様駐車場にて

納車から3ヵ月くらいは遠出する機会も少なく距離も伸びなかったものの半年を過ぎたあたりから特に11月からぐっと距離を伸ばした。2月~3月初旬にかけては、先日発売となったモーターファン・イラストレーテッド特別編集『ホンダF1のテクノロジー』と『ホンダのテクノロジー』の撮影のため、ホンダの聖地である「朝霞」、「和光」そして「HRD SAKURA」へと出かけたことで走行距離が伸びた。

ホンダF1の聖地「HRD SAKURA」へは2回訪れることとなり往復360km×2で720kmと短期間で一気に距離を伸ばすこととなった。「HRD SAKURA」へ赴いたのはPU(パワーユニット)の物撮りを行なうためだ。ホンダF1第4期のすべてを見せていただけるとのことで、こちらもそれをしっかり写真に収めるべく撮影機材もそれなりに用意して積んでいくことになる。

今回撮影を担当させていただいた2冊「ホンダF1のテクノロジー」「ホンダのテクノロジー」
MFi特別編集『ホンダのテクノロジー』
MFi特別編集『ホンダF1のテクノロジー』

当然、新型ヴェゼルのラゲッジルームに機材全部が積み切れるはずもなく後席を倒して機材を載せた。デジタルカメラになってフィルム時代のような大光量の照明機材をたくさん用意する必要はなくなったとはいえ、それでも大型ストロボは必要だし背景紙を垂らすための重いスタンドなども持っていくことになるので、後席を倒した荷室は機材で満載となった。重量もかなりのもの、計ってはいないので正確ではないものの持った時の感触から総重量150kgはありそうだ。150kgだと大人3人分位の重量増だが人間がシート座った形と違い重量配分的にかなり後ろ寄りになってしまう。写真を撮るのを忘れてしまったが、車を真横から見るとリヤが沈んでフロントが少し浮き気味になっていた。

カメラバッグと三脚を載せただけでスペースが取られるラッゲジルーム
後席を倒すと結構広いスペースとなる新型ヴェゼル

荷物の積み方を変えればもう少しましなバランスとなりそうだったが、その日は朝霞・和光で撮影のあとすぐに事務所に戻り機材を積み増しして翌日のSAKURAでの撮影のため、前泊するホテルへ向かわなければならず、そのまま出発した。

東京大田区の事務所を出たのが18時過ぎ、外はもう日が落ちた夜だ。このリヤヘビーのクルマの状態だとヘッドライトの光は上を向いてしまうはず。だが我が新型ヴェゼルにはそれを調整してくれるオートレベリング機構が付いているので、ヘッドアップを気にせず運転できた。

新型ヴェゼルのZグレードのヘッドライトはオートレベリング機構付き
Zグレード以外もPLAY・X・Gグレードは、ダッシュ右下のダイアルで自分で調整する必要がある。

このオートレべリング機構はZグレードのみの装備となる。PLAY・X・Gグレードはマニュアルでの操作となる。マニュアルでもそう面倒な操作ではないだろうがオートだと気にせず乗れる。嬉しい機能だ。この機構に加えZグレードだけコーナリングランプがありヘッダライト周りが充実しているのは歳をとった筆者の眼には頼もしい。ライトの照射位置は適正に自動調整してくれ問題ないが、リヤヘビーなためステアリングの操舵感は幾分軽い感じだ。

荷物満載でACCは使えるか?

宿泊予定のホテルには、東北自動車道で向かった。道中は基本的にLKAS+アダプティブオートクルーズコントロール(ACC)を使い淡々と走る。今回のような肉体的にハードな日は、この機能があるのとないのとでは大違いだ。本当に長距離移動が楽で疲れにくい。筆者は、もうこれがないクルマは乗りたくないと思うほど必須なアイテムだ。

今回撮影の機材を積んだ状態の荷室

筆者のヴェゼルは4名乗車になったのも1、2回、このような重量物を積載しての高速道路でのLKAS+ACC走行も初めてだった。その走りはというと基本的には追従時は何も変わりないのだが、重量が重い分減速時のブレーキングは最後追い込んだ感じになる。前車と車間距離は車重が重いからといって少し車間を空けるわけでもなくブレーキをかけるタイミングも一緒なため減速が足りず最後ぎゅっと強くブレーキがかかる傾向がある。ここはドライバーも身構えてしまうし安心して任せきれない感じだ。また途中工事による車線減少箇所があったのだが、そこで前走車の割と急な減速にACCが合わせきれずメーターにアラートが点滅、慌てて自分でブレーキをかけるという経験をしたので、少し信頼感が薄らいでしまった。きっとお任せでも止まってくれるだろうが、ちょっと怖いのでフル乗車や積載量が多い時はACCに過信はしない方が良さそうだ。

今回取材時の燃費記録。当たり前だが重量増は通常より15%位燃費が悪い結果に

この時の燃費だが、重量物を積んでいるためか166kmほど走って平均燃費18km/ℓとあまり良くない結果だった。速度域は速い流れの方に追従したもの。普段の高速では積載量が少ない1名乗車だと21km/ℓくらいは出るはずなのだが、やはり重量があるとこの速度域では燃費は悪くなるようだ。またこの日は寒く、外気温時計は2℃、宇都宮を過ぎたあたりから0℃。それも原因のひとつかもしれない。1週間後同じパターンで走行となったが、この日はさらに燃費が落ち平均燃費17.8km/ℓとなってしまった。走行中のパワーフローメーターを見ているとエンジン直結モードで走っていることが多かった。普段の積載量では、そこまでエンジン直結モードだけで長く走ることがないので重量によることの変化を感じる今回のドライブとなった。

40年来のホンダ・ファンとしてハイテンションに!

ホンダHRD SAKURAお客様駐車場にて

話は変わるが、今回のHRD SAKURAでのホンダF1のPU撮影は試運転室という場所をご用意いただいた。通常のお客様駐車場から機材を運ぶのは大変だろうからと試運転室のある研究所の中に筆者のヴェゼルを特別に入れさせてくれた。研究所の中の試運転室の手前のスペースにヴェゼルを入れることになったのだが、そこにはまだ世間の目には触れていない新生HRCのデザインされたトレーラーが置いてある。バイクから数えると40年来のホンダ・ユーザーでレースファンの筆者は、年甲斐もなくちょっとテンションが上がってしまった。

たぶんここまで入ったことのあるヴェゼルは筆者のヴェゼルだけだろうと(妄想です)。できればこの状況を写真に撮りたかったが、機密情報がいっぱいの場所だけにおとなしくぐっと我慢した筆者であった。

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著者プロフィール

山上博也 近影

山上博也

フォトグラファー。札幌市出身。株式会社ヴュー代表でWEB・DTPデザイナーだったりもする。
幼少より好き…