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22ヵ月ぶりにコンニチハ
それは2020年の夏のことだった……。なんて、大げさなことではなく、コロナ禍の影響ですっかりいろいろな歯車が狂ってしまって、ヒトシ君とナコのこの企画もじつに22ヵ月ぶり。お久しぶりです。さて、今回ふたりが集合したのは、なぜか早稲田大学大隈講堂前。
ヒトシ君:久しぶり! 元気だった?
助手75:お久しぶりです先生。コロナ禍でなかなか人に会えない時間が長くて、ちょっとつまらなかったですね。そのあいだも医療従事者の皆さまはずっとてんてこ舞いで、本当にお疲れさまでございます。ペコリ。
ヒトシ君:この企画、前はスバル・フォレスターで出かけたんだよね? いま見ると、フォレスター、マイナーチェンジ前だよ! 時間の流れは速いもんだねぇ。
助手75:この2年で自動車を巡る環境もだいぶ変わりましたね。♫ 電気電気電気~♫ デンキではしぃ~るとぉ~♫ ってな感じで、わかります? サカナの歌ですよ? まぁそれは置いておいて、なにやら電気自動車がすごく増えました。でもじつはワタシ、電気自動車ってニガテなんですよ。ほら、航続距離が短いとか、いざ充電しようと思ったら充電器がないとか壊れているとか混んでるとか……。信用ならない感じがして。いや……ちがうな。信用ならないんですよ!
ヒトシ君:朝から力説。落ち着け。電気自動車試乗で電欠でもしたか? まぁ、気持ちはわかるよ。でもさ、テスラModel3に乗ったときは、そんなにネガティブな印象じゃなかったよね?
助手75:それはさぁ、あのときは自分で運転しなかったしさぁ……(ボソボソ)。
助手75:というわけで、最新の電気自動車、ん? BEVっていうのか。
ヒトシ君:Battery Electric Vehicle(妙に発音がいい!)でBEVね。
助手75:そうそう。べぶです(コテコテ発音)。え~、今回は、その最新モデルである日産アリアに試乗してBEVアレルギーを払拭しようという算段です。そういやヒトシ君、トヨタのbZ4X/スバル・ソルテラはしっかり試乗したんでしょ?
ヒトシ君:乗った乗った。フツーに乗れるBEV、エンジン車から乗り換えても違和感なく乗れるクルマに仕上がっていたよ。
ダークメタルグレーのアリアを眺め回す……
助手75:これ、カッコイイわね。未来感もあって、スタイリッシュ。外観はとても気に入ったわ。さ、とっとと出発するわよ! 大隈講堂前は未来ある学生たちで混み合っているんだから!
ヒトシ君:おお、そうだね。出発出発……と。たしかに、最近の日産デザインは冴えているよね。でもさ、このフロントフェイスは「飛び石ドントコ~ォイッ!」って感じで、所有したらなかなかに跳ね石傷が気になるだろうなぁ。
助手75:確かになかなか堂々たる顔面よね。でさ、内装もカッコイイね! 絵文字が木目調のパネルに浮かび上がっている。新しい!
ヒトシ君:内装もいいけど、もっと驚くのが……。
助手75:なに? なに?
ヒトシ君:ってか、今日はどこへ行くんだっけ?
助手75:ハイ。本日のお題目。鹿島神宮へお参り。ここから片道120kmくらいだからいろいろ寄り道しても充分に帰ってこられるでしょ?
ヒトシ君:そうだね。このアリア、エントリーモデル……といっても、いま買えるのは、このB6っていう66kWhのバッテリーを搭載したFWDモデルだけなんだけど、航続距離はWLTCモードで470kmだから楽勝だね。さっき「エントリーグレードのB6」って言ったけど、今後は、91kWhのバッテリーを搭載した「B9」が出てくることになっているの。リヤにモーターを積んだ4WDモデル、e-4ORCEも出るんだよ。
助手75:へぇ~。でも、エントリーモデルなのに内装も上質でいいわね。シートもナッパレザーで素敵だし!
ヒトシ君:菜っ葉?
助手75:わざとやろ。Nappa leatherや。知ってる? Nappaはワインで有名なカリフォルニアのナパ(Napa)が語源で、この地域の革加工業者が作ったレザーのことをナッパレザーっていうのよ。元々は羊皮、山羊皮を柔らかく仕上げた革のことを言ってたけど、いまはクロムなめしをした牛革もナッパレザーって呼ぶのよ。聞いてる?
ヒトシ君:へぇ~(あんまり聞いてない)。ところで、さっき、「もっと驚くのが……」って言ったのはね、このアリア、抜群に静かじゃない?
助手75:本当に静かね。しかもBOSEがついているや~ん(13万2000円のOP)。これならオーディオの音も存分に楽しめるわ~。
ふたりを乗せたアリアB6は首都高から東関東自動車で東へ向かう。
ヒトシ君:このアリア、プロパイロット2.0がついているんだよ(OP設定)。ルーフの後ろにシャークフィンがふたつあったでしょ? 右側が準天頂衛星「みちびき」用ね。
助手75:ってことは、あれかい? 「やっちゃえ、ニッサン!」ができるってことかい? 手放しのアレが。
ヒトシ君:そうそう。まぁ、条件が合えば、だけどね。首都高のこのエリアも東関東自動車道も入ってるよ。やってみよう。
助手75:おーっ、できたできた! やだっ、CMみたい! キムタクとか永ちゃんじゃなくて、こぶ平だけど! いい!
ヒトシ君:ナコの馬鹿笑いも久々だな。こぶ平……九代目正蔵な。ちなみにオレは自分で運転するのが好きだけど、プロパイロット2.0が使えればドライバーの負担は軽くなるね。
そして茨城県鹿島市にある鹿島神宮に到着。鹿島神宮は言わずと知れた東国随一の古社です。
助手75:ワタシ、鹿島神宮に参拝するのは初めてなの。お社の森は荘厳でいいわね。心が洗われるようだわ。
ヒトシ君:全身がクログロとしているからな。浄めたまへよ……。
助手75:ん? なんか言った?
コロナが早く収束して、またみんなで気兼ねなく会える日がきますように(だけではないだろうが)と、しっかりお参りをしたふたり。このあとは境内を散策するようです。
助手75:なんと折良く、夏越の祓の直前ですからね。茅の輪と大祓人形がありますね!
ヒトシ君:ナニソレ。
助手75:半年に一度の大祓。人形は名前とかを書きましてお祓いをしていただくものです、茅の輪はくぐって無病息災を祈るんですよ。さぁ! フォローミィッ!
大祓式とは、知らず知らずのうちに犯した罪や穢を祓う神事です。人形に自身の罪穢を移し、これを神職が祓い、御手洗川に流し清めます。また、六月末の大祓では茅の輪をくぐり、無病息災を祈ります。
茅の輪にはくぐり方のお作法があるとのことで、ナコを先にヒトシくんと続いて8の字を描きながら茅の輪をくぐる。「ひとりずつなんて言ってないで、どんどこ行っていいのよ! 時間かかっちゃうんだから」と、ヒトシくんだけを従えてくぐる予定が、そこにいた人が「なるほど」と、どんどこ続いてなかなかな行列を成しながら厄払い完了。ちなみに、がさつなナコの口癖は「(祈る気持ちがあれば)神様は寛容である」。雑さはすべてこの言葉でまかなっている。
拝殿にてお参りをし、奥参道を御手洗池へ向かって歩く。とにかく気持ちがいい。一歩一歩と踏み出すごとに、心が落ち着いていきます。途中、鹿園を経由して、奥宮でお参り。そして御手洗池に到着。
1日に40万リットル以上の湧き水があるという御手洗池。みたらい、かと思ったら、読み方はみたらし。水底が一面見渡せるほど澄みわたった池で、昔は参拝する前にここで禊をしたといいます。そして、大人であろうと子どもであろうと、入った際に水位が胸以上にならないという伝説があり、七不思議のひとつとされているのです。
助手75:みたらい、かと思ったら、みたらしなんですって。へぇ。みたらし……。
ヒトシ君:いまナコが、そこのお店のみたらし団子のことしか頭にないことは容易に想像がつくね。
そして、おだんご屋さんの隣には、なにやら紙袋が並んでいる。湧き水で作ったパン! ココでしか買えないということで、5分迷って買うことにする。
そしてそろそろお昼。鹿島神宮をあとにして、ランチの場所を探します。探す、と言っても、ラーメン大魔王(ヒトシ君)がいるので、もちろんラーメンなのですが。
相変わらず事前準備は一切ナシ、いつものようにその場でグーグル先生と相談するスタンスだ。通常でもなかなか見つからないのに、このコロナ禍の折、グーグルに載っているものの休業をしているお店も多く、あっちに行ったりこっちに行ったり……。
難航することがわかっているのに、そのスタンスを変える気はないらしい(いい加減事前準備しなさいよ、と写真担当はいつも呆れている)。
岩のり、ちょっともらってあげようか? と食べる前からナコの岩のりを狙うヒトシ君。なんと抜け目ない。
さて、お腹もいっぱいになったし、試乗に戻りますか。クルマに乗り込み、どこが走りやすいかな、と試乗のコースを探していると……。例によってナコが気になるお店を見つけた。
助手75:ハイ! ハイハイ! いい感じのお店発見です。戻ってください。
ヒトシ君:相変わらず自分勝手なんだけどさ、どんなところでも気になるお店を見つける能力、スゴイよね。いや、これは本心で。スゴイよ。
ラーメンとデザート。今回もお互いがお互いの好きなものを食べ、大変ゴキゲンなふたり。また試乗へ戻ります。
ヒトシ君:まだ時間もバッテリー残量もあるから、神栖のウィンドファームを見ながら犬吠埼を回って帰ろうよ。神栖の海岸沿いには風力発電所がずらっと並んでいる場所があるんだよ。それにしても、BEVはアクセルを踏み込んだレスポンスがすごくいいし、トルクがすぐに立ち上がるから気持ちいいね。アリアのモーターは最高出力:218ps(160kW)最大トルク:300Nmだから、これだけ見たら2.0ℓターボエンジンくらいなんだけど、レスポンスの良さと最大トルクがすぐに立ち上がるからそれ以上に力があるように感じるね。
助手75:これで充分よね。でも、これから4WDのe-4ORCEが出るんでしょ? ノートのときもFWDで充分かと思ったけど、リヤにモーターがついた4WDは別物で、ものすごくよかったんだよね。ワタシ、女神湖の氷上で堪能させていただきましたが。
ヒトシ君:そうなんだよ。e-4ORCE、楽しみだよね。でも、このFWDモデルでも不満はないな。初めてちゃんと走りの評価に値するBEVが出てきたっていう感慨があるなぁ(シミジミ)。
助手75:うわーっ。壮観ね。
ヒトシ君:道がまっすぐで空いているから、さぁナコも、運転してみようか。
助手75:では失礼して。犬吠埼灯台へ向かいましょう。うん、やっぱりEVは踏み出した感じがいいですね。スムーズかつパワフル。でも……なんだろう、車格に対してかなり大きく感じるんだよな。車高が高いから? 安定感もあるし、操作もしやすい。乗り味も最高。でも、ワタシの体格には合っていない気がします。コレはもしや、SAKURAに期待大って感じかしら!
犬吠埼灯台近くで撮影をしたら、東京に向けて帰り始める(犬吠埼テラステラスの写真は、すべての写真からご覧いただけます)。
ヒトシ君:帰りの高速はプロパイロット2.0ではなくて自分で運転しようっと。アリアのドライブモードは「ECO」「NOMAL」「SPORT」があるんだ。NOMALだとアクセルオフ時に回生してくれるんだけど、ECOは電費・航続距離を最優先にするモードで、アクセルオフにしたときの回生ブレーキ力が最小限になるの。体感的には「最小限」というより「回生ブレーキなし」って感じで、アクセルオフにするとすーっコースティングしていく感じ。下り坂ならどんどんスピードが出るよ。高速道路ではこのモードをうまく使えば電費を上げられそうだね。ね? ね? ん? なんで手をぶんぶん振ってるの?
助手75:いまオンライン会議中なの、シィーーー。ハイ。えー、その案件については、のちほどメールで返答いたします……。
ヒトシ君:ええええっ! パソコン開いて助手席でなんかやってると思ったら、オンライン会議かよ。この2年間でいろいろ変わっちゃったなぁ。「変わっちまった悲しみに 今日も小雨が降りかかる……」って雨が降ってきたよ。「変わっちまった悲しみに なすところなく日は暮れる……」。
助手75:ふぅ、終わった終わった。静かで乗り心地がいいからオンライン会議にも最適ね、アリア。てかさ、なんか、ぶつぶつ中原中也みたいなこと言ってなかった? やめてよ(笑)。おっと、そろそろホームタウンの新宿に着くわね。
ヒトシ君:うん。久しぶりのこの企画だったから、今回は340kmくらいにしておいた。バッテリー残量は11%で航続可能距離は46kmだ。結構いろいろ試したから340+46で386kmが今回の航続可能距離ってことになるけど、電費にちょっと気を使えば430~450kmは走るね、これ。
助手75:バッテリー切れの心配さえなければ、BEVも悪くない……というか静かで走りもいいわね。これが、途中で急速充電しないと帰れないってなると途端に印象が変わるんだけど、今日のところは、アリア、合格です!
ヒトシ君:なんだか偉そうだけど、合格、いただきました!
助手75:ってことで、そこの交差点過ぎたら下ろしてちょうだい。ワタクシ、これから大事な会食があるの。ご馳走食べないといけないので、これにて失礼!グッバイチャオ! あ、明日、これ返却だから、充電よろしくねぇ!
【本日の立ち寄り&オイシイモノ情報】 お参り|鹿島神宮 茨城県鹿嶋市宮中 TEL:0299-82-1209 鹿島神宮は365日・24時間参拝可能。 ただし、下記については時間が決まっています。 ・神符守札授与所 8:30~16:30 ・御祈祷受付 8:30~16:30 ・鹿島神宮宝物館(現在休館中) 駐車場:有(有料・無料有) ※時間/駐車場等につき詳しくは公式HPよりご確認ください。ランチ|王道!! 背脂煮干中華そば 潤 茨城県鹿嶋市鉢形台1-1-4 0299-83-0161 営業時間:11:00~15:00/17:00~22:00 定休日:水曜 駐車場:有・店前5台/共同駐車場60台(無料) デザート|エスプレッソ ディー ワークス 鹿嶋店(Espresso D Works) 茨城県鹿嶋市宮中223-1 0299-82-8088 予約不可 9:30~20:00(L.O.19:30) 定休日:不定休 駐車場:有(無料) おみやげ|犬吠テラステラス 千葉県銚子市犬吠埼9575-2 0479-21-7760(0120-25-1240) 営業時間:10:00~18:00 定休日:年中無休 駐車場:有(無料) https://inubow-tt.com
apparel(75)|dress:ENFOLD/shoes:FABIO RUSCONI/driving shoes:repetto/bag:State of Escape