性能向上も頭打ち!?
スペックアップは電子機器における常道とも言えるもの。これは、今カーグッズで最も進展目覚ましいドライブレコーダーにもあてはまる。
とりわけ飛躍的に進化したのが画質だろう。VGAからHDに、HDはHDでもフルHDにWQHDと着実にハイスペック化は進み、ひいてはリビングの大画面テレビでも再生に耐える4Kにまで到達したのは記憶に新しいところだ。
では、2022年夏時点ではどうか。結論から言えば、一昨年、昨年と、右肩上がりの急成長は一段落しているように見える。というと、商品性の頭打ちのように思われるかもしれないが、決してそうではない。進化の矛先を別に向けているという印象が強い。
傾向は、パソコンを始めとした身の回りの電子機器と似ている。一般ユーザーにとって実用十分なところでスペックを定め、そこから先は連携力だったり、利便性だったりと、おもいおもいの方向に多様化し、結果的に製品ごとのキャラクターが明確化していく。
2022年夏時点のドライブレコーダーもまさにそうだ。各社におけるトップグレード機を見ても、画質スペックはフルHDに回帰。ただ、ひと昔前のフルHDと比べても、その描写力は大きく違い、より見やすくキレイに映る。大きく寄与するのは、どこをどう見せるかのアレンジ力、映像処理技術にありそうだ。
では、浮かせたスペックの余幅はどこに向いたか。それは、複数カメラ同士のコンビネーションや、見せたいものをより上級に見せる表現力にある。事実、複数カメラによる連携がデフォルトとなりつつあるなか、システム全体としての総合力が今問われているといってもいいだろう。
後付け電子機器同士を連携させたり、通信連携でクラウド保存したり、さらには証拠映像が必須の状況で必要な情報を確実に入手できたりと、最新製品ゆえの利点は先鋭化しつつある。何を求めるかで製品選びが変わりつつあるなか、買い替えを検討している人にとっても好機到来と言えるだろう。それこそ、数年前のモデルとはてんで別物の恩恵がそこにはあるからだ。