フルモデルチェンジから3年。圧倒的な人気を誇る新型ジムニーの魅力とは?

【ジムニー&ジムニーシエラどっちが良いの?】あらゆるステージを走破しとことん遊べる万能キャラ|JB64W/74W・ジムニー

2018年にフルモデルチェンジして以降、未だに多くのバックオーダーを抱えるジムニー(JB64W)&ジムニーシエラ(JB74W)。ラダーフレームや3リンクリジッドアクスル式サス、切り替え式4WDなど伝統の高い悪路走破性を継承。充実したアフターパーツに、カスタム派にも好評な人気車の魅力に迫る。

スズキ・ジムニーってどんなクルマ?

伝統を受け継ぐピュア軽オフローダー

JIMNY/ジムニー(JB64W)

原点回帰をテーマにした新型ジムニー。K6Aから、R06へとエンジンが変わり、常用域のトルクが従来型より扱いやすくなり、室内空間も積載性が大きくなる形状となった。

【主要諸元(XG・5速MT)】

●全長×全幅×全高(㎜):3395×1475×1725

●車両重量(kg):1030

●エンジン:水冷直列3気筒DOHCターボ

●排気量(cc):658

●最高出力(ps/rpm):64/6000

●駆動方式:4WD

●WLTCモード燃費(km/ℓ):16.2

●価格:148万5000円~

重厚感タップリのオバフェンスタイル

JIMNY SIERRA/ジムニーシエラ(JB74W)

世界戦略車として生まれた普通車ジムニー。排気量が、M13の1300ccからK15の1500ccへと大幅アップ。ボディデザインは、軽のジムニーにオーバーフェンダーがついた形だ。

【主要諸元(JC・5速MT)】

●全長×全幅×全高(㎜):3550×1645×1730

●車両重量(kg):1070

●エンジン:水冷直列4気筒DOHC

●排気量(cc):1460

●最高出力(ps/rpm):102/6000

●駆動方式:4WD

●WLTCモード燃費(km/ℓ):15.0

●価格:195万8000円~

「原点回帰がテーマ、デザインありきの人気」

JB64ジムニーとJB74ジムニーシエラが発売されてから3年が経過した。いまだに新車納期が一年以上という大人気ぶり。

これほど人気な理由は一体なぜなのか?軽自動車の車体枠の関係で、室内が大幅に広くなったわけではない。

サスペンションも一つ前のジムニーと基本的にはレイアウトが共通。大幅な変更があったわけではない。大きな違いはボディ形状。

スズキは、JB64、JB74の開発テーマを「原点回帰」としている。

近年国産の車両はなぜか全て丸っこいラインで構成された車両が多かった。

そこに、新しいジムニーが旧規格時代のJA11や、JA12などの直線的なボディラインを採用。

無骨でいながら、居住性より様々なアクティビティに対して使いやすいインテリア。

これらの装備が、今までジムニーに乗っていなかったユーザーに受け、「オシャレで可愛い」という評価を受けるようになった。

現代の車両からすると、個性的なJB64、JB74のボディデザインが、丸みを帯びた今時の車両に飽きたユーザーに受け入れられたのだ。

不整地でもガンガン走れる熟成の脚

前後3リンクリジットというサスペンションレイアウトは、先代のJB23と全く同じ。細かな変更は、熟成と言える内容。ただし、重量バランスの違いで同じアイテムではセッティングが合わない。

「まずはテーマ選びが大事、お店選びも超重要」

今まで、ジムニーに乗っていなかったユーザーが数多くいるJB64、JB74はリフトアップに関しての要望が今までと異なる。

パッセンジャーからの乗り換えが多いため、ノーマルでのふらつきを指摘するユーザーが多い。

従来のジムニーでは、オフロードの走破性向上をメインにしたチューニングが多かったのだが、普段使いでの乗り味が特に重要。

さらに、同一他車との区別化はしたいのだが、大幅なリフト量を求めていない風潮がある。

完全にストリート指向と、走り重視指向が別れていると言える。

その為、チューニングを行う際、そのメーカーが何を最も得意としているのか? チューニングの方向性が何か? を見極めることが重要となる。

装着したいタイヤサイズに対し、普段使いを考慮しつつリフト量を決定。

リフト量に合わせ、アライメント補正を取り入れたアイテムをチョイス。

キットで不足している場合は、そこも必ず予算に入れないと普段使いに問題が発生する。

これらの説明を求めて、きちんと返答してもらえるプロショップが大前提だ。

まず、お店選びが重要となるのだ。

ターボとNAではかなりエンジンが異なる

JB64W/ジムニー

660ccターボエンジンは、圧力損失を低減するターボパイプを装着することで、レスポンスが向上。ブローバイガスの多いR06は、オイルキャッチタンクが必須なアイテムだ。

JB74W/ジムニーシエラ

1500ccNAエンジンは、エンジンルームもかなりシンプル。インテークチャンバーとオープンタイプエアクリーナーでレスポンスがかなり向上する。

「64はサブコンがお薦め、74はECUの書き換えが可能」

様々な保安基準や、車両の大型化で車両重量は増加の一歩をたどる。

しかし、軽自動車のメーカー自主規制で最大出力は64馬力となっている。

ギヤリングなどを駆使し、一般道路で不具合なく走れるようになってはいるが、いかんせんジムニーは遅い。

リフトアップなどを行い、タイヤサイズが大径化されると、さらにキビキビ感がなくなってしまう。

この問題を解決するには、様々な手法があるが、JB64で最も手軽なのがマフラー、サブコン、エアクリーナーだろう。

吸気効率と排気効率を向上させ、それに合わせてエンジンの燃焼効率を調整することで、ブーストの立ち上がりを向上、加速を良くするという手法だ。

この3つの変更を軸とし、インテークチャンバーや、ターボパイプなど様々なアイテムを考慮していくことをオススメする。

JB74では、すでにコンピューターの解析が終了し、ボルトオンターボなどのハードチューンが可能となっている。

現車に合わせたコンピューターの書き換えがオーダーでき、様々なメニューに対応できる。

前述の吸排気系の交換のみのチューニングに、コンピューターの書き換えだけでもかなり変わるので、JB74ユーザーにはオススメだ。

タイヤを大径化する事で失われるキビキビ感を取り戻す為には、常用域のトルクを向上させるチューニングが最適なのだ。

「使い方を明確にして、その上でプロに相談しよう」

JB64やJB74を購入するにあたり、決定的となる要因は人それぞれだが、把握しておいて欲しい内容がいくつかある。

まず一つは、室内容積に関してはどちらも全く一緒ということ。

車検サイクルも共通。維持費に関しては、JB74の方が圧倒的にかかるということだ。

しかし、維持経費に対して、走りは明確に違う。排気量が660cc+ターボに対し、1500㏄NAというのは、常用域でのトルクが全く違う。

ロングドライブなどでは、圧倒的にJB74の方が快適である。

さらに、ドレスアップの自由度も、JB74はワイドであることのメリットが大きい。

JB64でワイド化すると、軽自動車の車枠を超えてしまい、そのままのナンバーで車検を受ける事ができないなど、法的な規制がいくつかある。

軽自動車という日本固有の税制メリットを受けつつ、法律の縛りの中で楽しむのであれば、JB64でも充分に楽しむ事ができる。

軽快な走りは、JB64ならではだ。

さらに、様々なアクティビティでの使い勝手は、JB74と全く同一。

しかし、頻繁なロングドライブや、大幅なチューニングを行い、個性化を図りたいユーザーであれば、JB74をオススメする。

チューニングの素材としての自由度は、JB74の方が大きい。

これらの内容は、ユーザーの方向性次第。

自らのライフスタイルにジムニーを取り入れる前提で、チューニングを考え、完成形を思い描くのが失敗しないコツ。

その為には、自分の意思を明確に伝え、相談に乗ってくれるショップとの付き合いが重要。

経験豊富なプロショップをしっかりと選ぼう。

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