目次
Q.最低地上高、エアロはノーカウントになるの?
A.灯火類がついている場合は基本90mmの地上高が必要
基本的に90ミリを確保していなければならない最低地上高。しかし、中にはどう見てもベタベタ状態でも車検を取得している車種もあるが、これは全てが違法改造車というわけではない。実は一部のエアロパーツは最低地上高の基準に含まれないケースがあり、道路運送車両の保安基準には「自由度を有するゴム製の部品」と「マッド・ガード、エアダム・スカート、エア・カット・フラップ等であって樹脂製のもの」がそれに該当すると記載されているのだ。つまり樹脂製のエアロパーツやゴム製のマッドフラップなどは地面スレスレの位置にあっても最低地上高の計測範囲から除外されるのである。ただし、ウインカーやフォグランプといった灯火類が一体となっているエアロパーツに関しては、「ボディを含む構造物」となるため、除外されないので注意。
地上高は90mm必要と聞いたけど!
Q.サス形式の変更はしてもイイ?
A.公認が必要
あまりメジャーなチューニングではないかもしれないが、より理想的なサスペンションジオメトリーやトラクションの確保を目指すために、旧式のものから現代的なものへとサスペンションの形式そのものをまるごと変更してしまうというツワモノも存在している。そうなると一般的な車高調のようなサスペンションキットの交換とは異なり構造変更が必要となるが、戦闘力は大幅にアップするとか。
Q.キャンバーの角度は何度まで大丈夫?
A.ホイールのはみ出しにまず注意!
本来はコーナリング時にタイヤの接地面積を増やすためにつけられるネガティブキャンバー。しかし、ドレスアップの世界では「鬼キャン」と呼ばれるものすごいキャンバー角を付けている車両も珍しくない。ただ、キャンバーは何度までOKといった基準はないので、ホイールのはみ出しさえしていなければ、キャンバーがついていることが理由で車検に通らないということはないのである。
Q.調整式アームは車検対応ですか?
A.調整式でなくても純正以外を付けると公認が必要
純正の状態で調整できる範囲を超えて足まわりを調整したいときに装着するケースがある調整式アーム。これらを装着した場合は、記載変更を行って公認を取得しなければならない。これは調整式だから公認が必要というわけではなく、ロアアームとアッパーアームは指定外部品となるため、純正流用であっても標準装着以外のものを装着した場合は記載変更がマストで必要なのだ。
Q.エアサス ⇔ バネサス変更はできる?
A.公認が必要です!
高級車などでは快適な乗り心地を実現するために導入されることも多いエアサス。しかし、カスタマイズの世界でのエアサスと言えば、車高を自由自在に変更することができる手段のひとつとしてチョイスされることが一般的だ。車高を調整できるという意味では車高調キットと同様の扱いになると思われるかもしれないが、エアサスを装着した場合はサスペンション形式の変更とみなされ、構造変更の申請が必要となる。なお、もともとエアサスだったクルマを、バネ式のサスペンションに変更する場合も同様に構造変更が必要となる。純正エアサスはトラブル時に修理代がかさんでしまうが、バネサス化は公認を取らないと違法改造となってしまうのだ。
Q.ブレーキを強化したいんです!
A.公認が必要なメニューも存在する
スポーツ走行を楽しむユーザーの中には、より強大なストッピングパワーを求めてブレーキ強化を検討している人もいるのではないだろうか。また、エンジンチューニングで純正を大きく上回るパワーを手にしたときも、より強力なブレーキが欲しいと考える人も少なくないハズだ。また、ドレスアップ派のユーザーにとっても、ホイールの隙間からチラリと見える大径のブレーキローターや大型のブレーキキャリパーの存在感は憧れだろう。このようなブレーキローターやキャリパーの交換・強化は基本的にそのままでOKだ。もちろんパッドの交換も不問となる。しかし、ブレーキの方式が変わるような強化に関しては公認が必要な場合もあるので注意(後述)。
Q.ドラム式からディスク式に換えたい!
A.ドラム式⇔ディスク式、それぞれ公認が必要
ドラムブレーキは低コストながら車重の軽いモデルでは十分な制動力を発生させるため、コンパクトカーなどのリアに採用されていることが多い。そんなドラムブレーキをディスクブレーキに換装する場合は、公認が必要となる。また、リアもディスクブレーキであるが、パーキングブレーキがインドラム式を採用している車種でパーキングブレーキもディスクブレーキにした場合も同様だ。なお、ブレーキの変更に関してはノーマル状態より制動力が劣っていないこと、が前提となっている。わざわざ効きの悪いブレーキに変更する人はいないと思うが……。
Q.他車種流用をしている車両を見ましたが!?
A.問題ナシだがノウハウある店に相談を
ブレーキを強化するとき、本格的なブレーキキットを入れたいと思っても、金額がかなりのものなってしまって二の足を踏んでしまっている人もいるかもしれない。そこで、同車種の上級グレードが装着しているブレーキや、他車種の純正ブレーキを流用してコストを抑えようとするのはよく聞く話だ。特にスポーツ系の車種に採用例の多い純正ブレンボなどはブレーキ強化の第一歩としてもメジャーとなっているが、他車種流用も車検はOK。ただし、ブレーキは重要保安部品であるから、ノウハウのあるショップなどで相談してから実施したい。
Q.ブッシュやアッパーマウントの交換
A.基本的に問題ないが注意すべき点はある
純正ではゴム製のものが使われていることがほとんどのブッシュ類。これらは経年劣化でゴムの硬化やひび割れなどが発生し、走行距離が伸びていなくても本来の力を発揮できなくなる部分。これらをウレタンなど異なる素材のものに変更したとしても車検には何ら影響はない。またサスペンションのアッパーマウントを調整式のものなどに変更したときも同様だ。ただし、ピロボール式のアッパーマウントで劣化によってガタが発生している場合は車検NGとなる可能性がある。
Q.車高調がダメな時代があったってホント?
A.1995年の規制緩和以前は基本的にNGでした
今でこそ自分好みの車高に調整することができる車高調整式サスペンション、いわゆる車高調は一般的なカスタマイズアイテムであり、さまざまな車種用のものが数多くリリースされている。しかし、1995年に規制緩和がなされるまでは重要保安部品の扱いとなっており、純正以外のスプリングを装着して公道を走行することは非合法となされており、合法的に走るには構造変更が必要だったのだ。そのため、車高調どころかダウンサスすらNGだった時代があったのである。
※本特集で掲載している車検の情報は、陸運支局ごとの判断などにより見解が異なる場合がありますのでご注意ください。また、 整備不良や不正改造の取り締まりと見解が異なるケースもあるので、ご自身の責任にてカスタマイズを行ってください。
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SUBARU STYLE(スバルスタイル) Vol.9より
[スタイルワゴン・ドレスアップナビ編集部]