トヨタ・新型クラウン(クロスオーバー)のサスペンションを眺めてみる

まさかの4車形で登場した新型クラウン。まずはクロスオーバーから登場する。発表会場で実車のサスペンションを撮影してきた。

リヤサスペンション:マルチリンク式

左側リヤサスペンションを後方から。手前に見える2本のリンクは、下の大きなものがロワーリンク後側、中の細いものがトーコントロールリンク、上の湾曲しているのがアッパーリンク後側。すべて鋼製板金構造。ご覧のようにトーコントロールリンクは後輪操舵機構に接続される構造。トヨタ呼称ではDRS:ダイナミック・リヤ・ステアリング。なぜかリリースにもカタログにも目立った記載がない。
同じ部位をさらに下から眺めたところ。ダンパーとばねは別軸配置で舟形のロワーリンク後側に載せられる。ダンパーは少々の内傾としてストロークを稼ぐ設計。
同部位をナックル側に寄ってみたところ。ばねの下側にはリンクとの干渉接触を軽減させるためか、樹脂製のカバーらしきものが巻かれている。ナックルはアルミ合金製で、複雑な形状。トーコントロールリンクとの接続点であるボールジョイントが後端に見て取れる。わかりづらいが、アッパーリンク2本の接続点はストローク時にトーインとなるような軸配置にされているようだ。

フロントサスペンション:マクファーソンストラット

右側フロントサスペンションを前から。ロワーアームは鋼製の板金溶接モナカ合わせ溶接構造。ボールジョイントはねじ締結3点留めで、ナックル側のキングピン軸と干渉しないようにレイアウトされている。写真からは見えないが、ロワーアームのブッシュ前側は水平軸、後側は垂直軸。後側は横力が入力されたときに変形を許容してトーアウトとし、旋回安定性と乗り心地の両立に寄与する。アンチロールバーリンクはストラット外筒に接続する。ナックルはアルミ合金製。
右側フロントサスペンションをうしろから。パワートレインが横置きになったことから、懸架装置は常道のストラット/タイロッドはうしろ引き配置となった。タイロッドエンドは直線形状。狭いところをかいくぐっていくアンチロールバーの行き先が見て取れる。リンクとのレバー比は1:1を確保できているようだ。

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