街中を軽快に走り回るBセグメント車は、重くないほうがいいのが当たり前。しかし機能は省きたくない。中身はだんだん充実しながら大きさと重さは変わらずという傾向が、ここに挙げる2台からは見て取れる。
モーターファン・イラストレーテッド vol.162「軽量化の正体」より一部転載
クルマは年を経るごとに大きく重たくなる傾向にあるのはご承知のとおりだが、大きくなってはいけないクルマというのも存在する。想像しやすい筆頭が軽自動車。ただしこの場合はサイズの上限は超えないものの、重くなってきたのは近年の新型車を想像していただければわかるだろう。軽自動車は車検時の重量税に登録車のような重量区分がないことが一因になっていると思われる。
その登録車、とくにユーザーのコスト意識が高い小型車については、0.5t以下7500円、1t以下15000円、1.5t以下22500円──という具合に金額がかさんでいく(3年車検、本則税率)。いわゆるリッターカーでは、あり得ない話ではあるが1.5tを超えたら商品性を大きく落としてしまう。しかし近年の快適装備や安全機能を「小さいからつけない」というわけにはいかず、これらの小型車は工夫を凝らして「高機能だけど重くならない」を実現している。
ここに例としてとりあげた2台は近年のBセグメントの基本を作り上げたパイオニア。ともにグローバル市場で展開される。初代から二代目へのジャンプアップは少なくないものの、そこから代を重ねても著しい増加にはならず、しかし装備は充実していったことがわかる。近年の高機能化が制御によってなされ、大がかりなデバイスを必要としないことにも理由があるとは思われるが、高い耐衝突性能が求められ続けていることなどを考えれば、とにかく重くしたくないというエンジニアの執念が見えてくる。
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