三菱重工エンジニアリングがエクソンモービルと協業し産業分野における脱炭素プロジェクトを加速

三菱重工グループの三菱重工エンジニアリング(以下、MHIENG)は、世界大手のエネルギーおよび石油化学会社であるエクソンモービル(ExxonMobil)と、産業分野向けにエクソンモービルが手掛けるCCS(Carbon dioxide Capture and Storage)プロジェクトにMHIENGの先進的なCO₂回収技術を適用し、協力を進めることで合意したことを発表した。

エクソンモービルとMHIENGは、この協業を通じて長年にわたり蓄積してきた専門知識を結集させ、それぞれが持つ能力を一層強化することにより、エネルギー分野の脱炭素化を促進するソリューションを供給する。具体的には、産業分野のあらゆる顧客に対し、回収から貯留まで一貫したCCSプロジェクトを効率的に進めることが可能となる。

この協業により、両社が有するエンジニアリングおよび運転の実績とコア技術が融合され、CO2回収に必要なコストを削減、その適用範囲を広げることを狙いとする技術開発が促進される。今回の協業は、関西電力(KEPCO)の協力を得て実施されるもので、液体アミンを用いたCO2回収技術である「KM CDR Process」および「Advanced KM CDR Process」をベースとしている。このプロセスはMHIENGがKEPCOと共同開発したもので、商用において年間100万トン以上の実績を有する数少ないCO2回収技術となる。

エクソンモービルは、CO2の回収と回収したCO2を輸送し、地層に安全に注入する30年以上の実績を有している。また、MHIENGは、燃焼後排ガスからの世界最大のCO2回収ライセンサーとして、30年以上のCO2回収技術における研究開発を実施しており、計14基の商用CO2回収プラントを世界各国に納入した実績を保有している。

エクソンモービルとMHIENGは、過去20年にわたってシンガポールや米国のベイタウン、コーパスクリスティに世界規模の化学プラントを共同で建設してきたが、今回のCCSにおける協業でも継続され、ネットゼロに向けたエナジートランジション戦略を実現するための具体的なソリューションを追求する両社のコミットメントを示すものとなる。

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